よたよたと、山登り


    No.61

       

    鎌倉山

       下見を兼ねてお散歩気分

     5月13日 風強し

     本日、もしもお日柄が良ければ笹雁新道を使って雁戸山に登ろうとしていた訳でありますが、諸般の事情により計画は中止しまして、家でアレコレしていた訳であります。
    で、お昼ご飯を食べ終わる頃、天気が良くなって風もだいぶ静かになり、雨が降る事は無いな、と言う天気になったのであります。
    うーん、こんな日に家でゴロゴロしていたら腐っちまう・・・いや、おっさんは少々体調がアレでも、一日寝ていたりしたら身も心も腐っちまう訳です。
    そんな訳で散歩がてら、これからの事もあるので下見を兼ねて鎌倉山でも見て来るか、と、出掛けた訳であります。

    国道48号から眺めた鎌倉山

     さて、鎌倉山へ何の下見かと言いますと、おっさん、そろそろ岩登りを独りで・・・いわゆるソロって言うやつですか?アレをやるつもりでありますので、練習場所としての鎌倉山の下見などをしようと言う魂胆な訳であります。
    いや、まだ満足に登れないからこそ、独りでこっそり静かに練習する場所が必要なんであります。
    そんな訳で、昔々、ほんの少し関わってみた事のある鎌倉山を偵察に行ってみた訳であります。
    へへへっ、ルートにボルトのある岩場じゃなくて、自分でハーケンやらを打って登る練習なもんで、それならやっぱし鎌倉やまでしょう、と。

    ここから右に行くと岩場で左の林道を行くと尾根道で鎌倉山山頂です。

     で、おっさんがこの山に来たのは37年前な訳でして、記憶はほとんど無い訳です。
    まっ、しかし、正体は標高520メートルの里山ですから、近くに行けば道は見えるというものであります。
    案の定、ああ、そうだこんな感じだったっけ、と、踏切を渡ってすぐに、岩場へ行く道を見つけました。
    で、岩だらけでけっこう急な斜面を登って行きますと、鯉のぼりが立つ祠のような場所に出ました。
    ここまでのしっかりした踏み跡は、ここへ参る人のものの様で、ここから上の踏み跡は薄くなっていました・・・しかし、明確です。

    新緑の林の緑のやさしさは、例え様がありません。

     まず、低い山でありますから、国道から30分もあればクライミング用の岩場の下へ出てしまう訳です。
    まあ、クライミング用の岩場とは申しましても、見るからに脆そうで、人気がない理由が窺える訳ですが、しかし、ホールドも足場も楽そうで、やっぱし練習には持って来いだよなぁ、と、シロートのおっさんは思ったのでありました。
    そんな訳で、登って来て右手の奥まで偵察したのでありますが、昔は無かったルートにボルトが打たれている所が3〜4ヶ所もあり、やっぱし時代なんだなぁ、と感心させられた訳です。
    で、ここは、一番奥まで行ったらお終いでありまして、戻らなければならないのであります。
    それにしても残置ハーケンの古さと言ったら、昭和の物では無いでしょうか?なんちゃって、分かりませんけど。
    で、空き巣かどうか分かりませんが、見上げた岩場に巨大なスズメバチの巣が見えたのでありますが、あれが健在だとすると、ちょっと危険が危ないようです。

    こんなのが咲いていました。(本日お写真は携帯撮影です)

     で、今度は左側・・・西側ですかね、そちらを見に行ってみた訳であります。
    すると、クライミング用の岩場はすぐに終わって、何やら登山道のような道筋が上へと続いているのであります。
    うーん、おっさんの足元はトレイルラン用のスニーカーで、いつもの山登り用具は持っていない訳です。
    で、目の前の斜面は、まあ、登って登れない事は無いが、降りる時には相当厄介だな、と言う傾斜な訳であります。
    しかも、悪い事にそこは、薄く剥がれた岩が堆積している場所で、要するに浮き石の上を登って行く感じな訳であります。
    ここを降りるのはロープが必要だなぁ・・・うーん、あっち端の岩伝いに降りられるか?・・・下りで転がったらアウトだなぁ、と、少し弱気になるおっさんでありましたが、しかし、脚は止らずに上を目指している訳です。
    そう言えばこの山は裏に林道が走っていて、尾根伝いに廻り込めたはずであるな、万が一の場合はそちらから降りよう・・・この記憶が正しい事を祈りつつ、眼前の急斜面を登って行くのでありました。

    こんなのが咲いていました 2。

     これは登山道では無いな・・・崖崩れの跡かなんかだろう、まともな草木が殆ど生えていないもの、ずっと崩れているんだな、と、いい加減登って、もう戻る時機を逸してから気付いたのでありました。
    で、か細い枝を引っ張りながら、さながらスラブを登って行くときのように足のフリクションを期待してズリ足で登って行ったのでありますが、細かい岩の下は粘土のような土で、これがまた心許ない訳であります。

    急斜面を登ってすぐに左手、西側ですか?に手頃な岩場が現れたので廻り込んで少しよじ登ってみました・・・登るはやすし、降りるは難し。
    スニーカーだもんな、クライミングシューズなら鼻歌混じりの練習ゲレンデだな・・・おっ、ハーケン入るな、練習はここかな、なんて思いつつ、また崖崩れの斜面を登って行ったのであります。

     すると右手、東側にも程良い岩場が現れましたが、そこは手強そうなのでよじ登るのは止めて、尾根伝いに廻り込んでみました。

    おおっ、一本松の向うには大東岳が見えるではありませんか。

     まず、この尾根が際どいのなんのって、高い所が苦手でもないおっさんでありますが、立ったまま歩くと金弾が少し縮んでしまった程でありました。
    この時点でおっさん、仙台市で一番高度感がある山は、鎌倉山である、と思った次第であります。

    ニッカウヰスキーの仙台工場と、先には太白山が見えております。

     いやぁ・・・大した魂消たぁ、この景色、この眺め・・・目の下国道だものぉー、と言う事で、もの凄い高度感であります。
    怖いのを通り越して、見事であります・・・おっさん、先端に手放しで立つ事が出来ませんでした。

    クライミングの終了点用のボルトでありましょうか?ここから懸垂で降りるのかぁ?

     で、ここまで岩を登って来るとなると半端じゃ無い訳で、おっさんには無理なんでありますが、しかし、裏から廻って来たとしても一度は見る価値があると思う眺めでありまして、是非とお勧めする次第であります。
    で、この先端の岩まで来るのは緩く登りな訳でありますから戻りは当然下り気味な訳であります。
    左側はストンと落ちていて、見事でありまして、右側は、ストンでは無いまでも、急傾斜な訳であります。
    で、まかり間違った場合、左は一発アウトで決まりな訳ですが、ンじゃぁ右は助かるのかと言うと、たぶん、余計な所にぶち当たりそうなのでどっちもどっちという事で、おっさんは立ったままスタスタ歩く事は出来ませんでした。

     
    ここが鎌倉山の山頂で、古い小さな木の表示があります。

     さて、西側にはもう一段高い頂が見えるので、山頂はあっちだろうと見当がつく訳であります。
    で、なんとなく踏み跡らしきものが見えるような気もするので、たぶんこれだろうと思う筋を詰めて行くのでありますが、これもなかなかに際どい道?・・・道なのかなぁ、と言う所を詰めて行きますと、すぐに山頂に飛び出しました。
    へぇー、と、驚く程広い山頂はつい最近刈り払いが行われたばかりのようで、生木の小枝が目立っていました。
    で、山頂からは国道側へ向かって明確な踏み跡があり、おおっ、こっちに降りられるのか、と期待した訳であります。
    こちら側へ降りられるとなれば、裏側をずーっと廻って行く必要が無くなるな、と思ったのであります。
    が、しかし、その道は展望台とでも言いますか、先端が壁のてっぺんで、西仙台ハイランドのレースコースやら大東岳やらが見えるビューポイントまでの道だった訳です。

    山頂から少し下ったらシラネアオイの群落が見られました。

       山頂で時計を見ると既に3時半になっていました・・・山が薄暗くなるのが5時半として、持ち時間は2時間かぁ、と言う事で、下りで事が起こった場合すぐに暗くなっちまうな、との判断から、遠回りでも安全策を取った尾根伝いの道を下る事にした訳であります。
    まっ、家の側の裏山に行くので何も持っていないと言っても、LEDライトとか、ウィンドブレーカー程度の物は持っているのがおっさんの用心でありますが。
    で、尾根筋は明確なんですが踏み跡は心許ないもので、まだ本格的な薮になっていないので助かりましたが、もう少し経てば薮が濃くなり、道を見極めるのは難しくなると思われます。
    所々に古い赤布と、山頂の刈り払いをした人の目印と思われるピンクのビニールテープが見られるのは助かりましたが、しかし、それほど多くの人が歩いているようには思えないこの道を、草木の伸びた季節に行くには、結構な勘と読みが要求されると思うのであります。

    尾根が切れたと思ったら沢に出ました・・・道もここで消えました。

     結構急な尾根を下り、杉の植林地が見えたと思ったら踏み跡が完全に消えまして、困りました。
    しかし、よく見ると沢に降りたらしい痕跡と、対岸に、たぶん人が歩いたと思われる雰囲気の筋が見えたのであります。
    まっ、ここまで下ってくれば薮を漕いでも大した事は無いな、と思ったのは誤りで、沢筋はグッチャグッチャで、しかも途中で交錯する訳であります。
    うーん、山を走るトレイルランニングシューズは歩き易いけれども防水は効かない訳で、泥だらけになるのは嫌だと薮を漕いだら、なんと、イバラの薮に突っ込んだ訳であります。
    ズボンが薄手なのでチクチク刺さるし、Tシャツにもチクチク来るし、完全に山道からは外れてしまった訳であります。
    それでも、沢沿いに行けば下りは間違いないだろうと泥濘地と薮を漕いで行くと、ぼそっと林道に出たのであります。
    あーやれやれと林道を歩き始めるとすぐ、杉林の中から下って来る山道が見えたのであります。
    やっぱし、何処かで道を見失ったんでありますね。

     正面から登って山頂まで、余裕で1時間で行けると思うんでありますが、同じ道を戻るつもりなら下りにロープが有った方が無難だと思う訳であります。
    で、んじゃぁ裏から廻って行くかと思ったら、初めての人にはかなり手強い道になると思うのであります。
    標高僅かに520メートルの鎌倉山でありますが、山頂以外の出っ張りのピークを2つ3つ踏んで行こうと思うと、高度感もかなりのものであります。
    と、言う事で、この山は、舐めてかかるとちょっと大変だな、と・・・まっ、ちょっと大袈裟でもありますが。

          

     この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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