余裕の予告編

 日本生まれのゴジラがアメリカ映画で生まれ変わる。SFXを使った迫力満点のゴジラが夏にはスクリーンを暴れまわるはずだ。その予告編を見て、私は「あっ」と声をあげてしまった。
 予告編のおおくは本編の抜粋である。ハイライトをピックアップしたものである。ところが「ゴジラ」はどうも違うらしい。予告編のために特別に作った映像みたいなのだ。
 昨年の秋、最初に見たときは気づかなかった。子供たちが博物館で恐竜を見物していると地響きがする。ゴジラが歩いてくる。ゴジラが巨大な恐竜の骨組みを踏みつぶして行く。ゴジラの巨大さだけが強調されている。
 今上映中のものは雨のなかで男が釣りをしている。それにゴジラがかかる。そして海のそこから姿をあらわす。そのとき、大津波のように海面が盛り上がり、波が押し寄せる。その息をのむ迫力……。
 ゴジラが釣り針にかかるはずなどない。これはゴジラの巨大さをアピールするだけのために作られた映像なのだ。−−いやあ、すごい。映像そのものもすごいが、予告編だけを特別に作ってしまう余裕がすごい。
 大変な大作なのだろう。夏に公開予定だったブラッド・ピット(今をときめく大スター)の新作は公開が重なるのを避け、年末に延期になったという。どんな迫力シーンの連続なのか。夏が待ち遠しい。

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