追跡者

監督? 主演トミー・リー・ジョーンズ、ウェズリー・スナイプス、ロバート・ダウニーJr

パンちゃん(★★★)(6月14日)
てきぱきしたストーリー展開で、最後までよどみがない。だれることがない。しかし何かが足りない。 その何かとは……「てきぱきした展開」と関係してくるのだが、人間の持っている「手触り」だ。「手触り」が足りない。
凶悪犯のはずが凶悪犯ではなかった、裏には権力組織が動いていた、その組織の一人が捜査を応援する形で暗殺にのりこんでくる……。
ウェズリー・スナイプスは殺せるチャンスがありながらトミー・リー・ジョーンズを殺さなかったりする。それが「事件」の奥を浮かび上がらせる契機になったりするところなど、とてもよくできている。
しかし、なあ、トミー・リー・ジョーンズがあまりにもてきぱきと推理し、事件に対応するので、はらはらしない。これでは、おもしろくない。
私が唯一おもしろいと思ったのは……。
トミー・リー・ジョーンズがウェズリー・スナイプスの残していった薬のタブレットの「殻」から、それが何だったか調べるために、ドラッグストアで次々に薬箱を破るシーン。こうしたシーンが随所にあれば、この映画はもっとおもしろくなった。人間の「手触り」が出たはずだ。
私は警官ではないから知らないが、多分、捜査とは、そうした非常にちまちました人間ぽい行動の積み重ねでなりたっていると思う。そうした「ちまちま」を描かないことには、人間が浮かびあがってこない。
ストーリーのてきぱきした展開に気を配りすぎたために、おもしろさが半減してしまった凡作、の代表作かもしれない。
Tamaki(5月14日)
ekm63941@biglobe.ne.jp
「逃亡者」ときたら「追跡者」。なるほど、そうやって観客を釣るんだ。私たちは配給会社の思う壷なのかあ。私はパンちゃんに言われて初めて気づいてしまった。「逃亡者」の原題が「The Fugitive」だったのに対し、今回の「追跡者」の原題は「U.S.Marshals」なんですね。ということは、日本の配給会社のほうがより直接的に観客をバカにしてるのか。
感想は、トミー・リー・ジョーンズがお色気たっぷりでかっこよかったです。前回はこの人もっと地味じゃなかったかしら?お色気というと語弊があるのなら、勢いのあるスター特有の光りがあるような気がしました。撮り方のせいかな?衣装もいっぱい着替えます。黒のシックなスーツに、普通のスーツ、作業服、紺ブレ、ダンガリーシャツ、熊のTシャツ、かぶりもの。どれもとっても似合っていて意外でした。
それはそうと私はロバート・ダウニーJrを見に行ったのです。今度いつスクリーンで見られるかわからないから。演技はドラッグでいっちゃったりしてるところも全くなくてホッとしました。当たり前か、プロなんだものね。一緒に行った友達に、「『チャーリー』の時と雰囲気がまるで違うね」と誉められて?ニコニコしてしまいました。ファンごころです。
最後に、ストーリーについては感想という感想がありません。決して面白くないわけではないのですが、「逃亡者」の続編ということ以外に記述すべきことが見つかりません。友人はスカっとしたそうです。


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