道楽者の成り行き
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1.じょにーは演奏しなかった

2月10日 フランクフルト その1


成田 晴れ
私の会社で昨日(9日)はドタバタがありましたけど、幸か不幸か私には関係なく、またこのところ悩まされていた風邪の方も治まりまして、晴れて出発できました。いやあ、業後に上司に休暇の旨を話す時は嬉しかったですねえ、でも実は休暇の許認可を出す上役(私の会社では副調査役という役職の人)以外には休暇を取る旨を話すのを忘れていて(私はすでに話がいっていた積もり)、企画役(課長みたいなもん)や二人の調査役なんかは一瞬ぎょっとされましたが、無視して家に帰りました。
さて、当日は、朝早く起きて成田空港に向かいました。大きな荷物はすでに宅急便で空港に送ってあるので、旅券やお金やパソコンだけの軽い荷物なのでとても楽なのでしたけど、家を出る時間を10分間違えてしまったばかりに、練馬で電車一本乗り過ごせば、累積的に到着時間の遅れが生じてしまい、危うく飛行機の登場時刻に間に合うかどうかというタイミングで成田空港に着きました。ともあれ、私の乗った飛行機、ルフトハンザ711便は、ほぼ予定通り2月10日10時50分過ぎにターミナルから離れて一路フランクフルトに向かいました。それにしてもスチュワーデスはごつくて無愛想な人が多くて、飛行機の轟音で何をしゃべっているのか聞こえないので何度も聞きなおしたいのですけどねえ、結局何を言われてもニコニコ笑って"Yes."を連発するだけでした。


フランクフルト 晴れ
フランクフルトには予定通り、同日14時45分に着きました。私の会社は一応金融関係なので(もっとも私の仕事は金融とは直接関係ないのですけど)、お約束通り国際金融都市フランクフルト・アム・マインに事務所がありまして、たまたま仲の良い同期が赴任していることもあって、私の泊まっているホテルINTERCITY、のロビーで16時半に落ち合う約束をしていました(事前にメールで、1.おいしいドイツ料理の店に案内すること、2.楽譜屋とCD屋を教えること、3.オペラ・ハウスまで案内すること、を依頼しておきました)。私はもっと早い時間に落ち合うのでも構わないと思ったのですけど、フランクフルト国際空港に着きまして、そのだだっぴろさと駅までの道のりの遠さ−合理的には出来ていますけど−とあまりに巨大でどこに私の荷物がついたのか分からなかった程広い荷物受取所(これが他の空港と違って降り口から遠いんですよ)、そして何よりもパス・コントロールの異様に時間がかかる対応(しげしげと眺めるだけでなく、途中でお茶をしに行ってしまい、私のみならず非EU市民は待ちぼうけを食らわされました)を考えると、同期の提案は至極適切なのでした。ともかく、巨大なフランクフルト駅のすぐ脇に立つホテルに16時頃ようやくたどり着きました。


私の泊まったホテルINTERCITYは、ドイツの主だった都市にはあるいわゆるシティー・ホテルでして、私も99年のザルツブルク音楽祭に行った際に立ち寄ったミュンヘンでも泊まりまして、確か記憶では1泊215DM程度取られたと思います。一方、今回は日本円にして6,800円、1DM=約55円、つまり124DMくらいと安かったのですが、部屋はこちらの方がきれいでして、これもオフ・シーズンの恩恵なのでしょうかねえ。ともかく、パソコンを電源につなぎ、身だしなみを整えてロビーに下りて待つこと数分、16時半過ぎに同期がやって来まして、早速アルテ・オーパー近くのドイツ料理店に連れていかれました。なお、CD屋と楽譜屋は分からなかったようです。彼がクラシックを聞かない人間なので仕方ないほか、着いたのが土曜日なので、ドイツには閉店法といって土曜日は16時まで(以前は正午まで)しか開店を認めていない法律があり(因みに、日曜日は休日にしないといけない)、いずれにせよ行っても店が開いていなかったから、同じ事でしょう。

さて、フランクフルトと言えば「フランクフルト・ソーセージ」。例え「名物に美味いものなし」という諺をこれまで身に沁みたことは多々あれど、それでも「プディングは食べてみないと分からない」という諺もあるし、私はソーセージ・ハム・サラミの類は大好物なので、外すことはあるまいと注文。一方、同期はドイツ人はよく食べるというアヒル料理を頼んでいました。併せて、フランクフルト名物「アップルヴォイ」、要は「りんご酒」も、同期はそれは全くお奨めしないと言ったのですが、これも同様の「論理」(りんごは好き)で、注文。で、結果は...。

フランクフルト・ソーセージは、私の知っている太くて短めのフランクフルト・ソーセージとは全く別物で、細くて長いものでした。味は普通のソーセージでして、美味とまではいきませんがすきっ腹にはよい食い物でした。しかし、「アップルヴォイ」の方は...。同期曰く「この飲み物はどこか間違っている」。まさにその通りでして、気の抜けたシードルを思いっきり水で薄めてアルコールを垂らしたとしか言いようが無いほど「不味い」。すぐさまピルスナーを注文して口直し。これは、相対的にではなく絶対的に美味しかったですね。この日以後空きっ腹をビールで埋めざるを得ない日々が続くのでしたが、それは続きを読んでいただくとして、その店では、お土産の中国茶を渡したり、ドイツの生活や日本のニュース、あるいは会社内のことなど(彼の最も親しい同期がつい最近になって職を辞したことを知らず驚いていました)を話しているうちに19時前になりまして、オペラ・ハウスまで案内してもらいました。といっても、アルテ・オーパーはコンサート・ホールとして利用されていて、現在のフランクフルト州立歌劇場は、「シャウシュピール・ハウス」と呼ばれる別の建物なのでした。

劇場の前で、再会を約束して同期とは別れました。



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