よーし、頑張るぞぉ。
ボクは最後の力を振り絞って前の仔たちを追いかける。
疲れてきた仔たちが、一頭、また一頭と後のほうに下がっていく。
ボクは少しずつ順位を上げていった。
だけど、暴れていた仔と10番の仔はまだ遠い。
その時だ、びゅっと風が吹いたかと思うと、ボクを追い抜いていく影が見えた。
オーガナイトお兄ちゃんだ。
すごい勢いで駆け抜けていく。
うわぁ、「ろけっと」みたいだなぁ。
「ろけっと」が何かよくわからないけど。
あっという間にお兄ちゃんの姿が小さくなる。
ああ、この感じ、なんか懐かしいな。
あははー、なんか楽しいぞ、ボクも負けないもんね。
ボクも負けじとお兄ちゃんのあとを追う。
背中が軽い。
ボク一人で走ってるみたいだ。
ゲンちゃんが乗っている時はいつもこうなんだ。
「ごーる」前はいつもゲンちゃんがいることを忘れちゃう。
お兄ちゃんの姿はなかなか大きくならない。
でも、暴れていた仔と10番の仔の姿はちょっとずつ大きくなってきた。
ボクはまた一頭の仔を抜いた。
前にいる仔はあと。。。
「ごーる」が近づいてくる。
ようやくお兄ちゃんの姿が近づいてきた。
あともうちょっとだ。
ボクは頑張って「あし」をはやく回す。
力を込めて「じめん」を蹴る。
楽しいなぁ、あははー。
そこが「ごーる」だった。
結果、勝ったのは暴れていた仔。
2着がお兄ちゃん。
3着が10番の仔で、ボクは5着だった。
掲示板を確保したか、頑張ったな、チビ助。
「れーす」を終えて戻ると、大井さんが褒めてくれた。