第148話「暗雲」


思ったよりは早く身が付いてきたかな。
うん、ひと段階進んだね。
ただ、いい感じに成長したけど、その体に慣れるのは時間がかかるかな。
しばらくはその体を持て余しちゃうだろうねぇ。
高木さんは、成長したマリアサンディーちゃんを見ながらそう独り言を言った。

サンディー君、しばらくは調教でうまく走れないかもしれないけど、あまり気にしないでね。
サンディーちゃんの首筋をなでながら高木さんがそう言うと、
サンディーちゃんは目を真ん丸に見開いた。
えー、なにそれぇ〜。
あたし、走るのがへたっぴだって言うのぉ。
しっつれいしちゃぁーう。
そう言うと、ぷぅ〜とほっぺたを膨らませた。

いやぁ、そういうわけじゃあないんだけど。
弱ったねぇ。
高木さんは困ったように頭をポリポリとかいていた。
グランツール君は珍しくご飯を食べるのをやめて、ちらりとそんなふたりの方に目を向けた。
それがなんだか無性におかしかった。

ああ、サンディーちゃんが帰って来て、いつもの日常が戻ってきた感じだなぁ。
このせわしないけど、ちょっとのんびりした感じ、なんだかいいなぁ。
ボクも頑張らなきゃって思うな、うん。

でも、そんな平和な日々は長くは続かなかった。
ある日の「れんしゅう」中、ボクのあしに鈍い痛みが走った。
ボクの背中に乗っていたゲンちゃんが、異変を感じてボクをゆっくり止めると、
あわてた様子で地面に飛び降りた。
これは。。。
「きゅうしゃ」に帰ってきたボクを見て、高木さんが顔を曇らせた。




第149話へ
オラ日記バックナンバーへ
オラ日記タイトルへ戻る