お姉ちゃんが「にゅうきゅう」して、いよいよ「ふゆ」がやって来た。
いつもボクと遊んでくれていたお姉ちゃんがいなくなって、なんか変な感じだ。
なんだかあたりがすかすかしたようで、ボクの体の中を風がすーすー通り抜けるような、
なんて言ったらいいんだろう、うーん。。。
ぽっかり穴が開いたような感じ、ってことか?
あんちゃんがボクのカイバの用意をしながら言った。
あ、そう、そんな感じだ。すごいね、あんちゃん。
そうか、いつもかじられてたけど、お前たち仲良かったもんな。そりゃ、寂しいか。
あんちゃんは体を起こして腰をたたいた。
でも、まあ、フローラは去年は休ませたけど、今年はつけた(※)からな、
もう少ししたらチビが生まれるぞ。そうしたらオラもお兄ちゃんだな。
そうなんだ、メリーフローラ小母ちゃんのお腹が大きくなってるんだ。
春が来る頃には子供が生まれるはずなんだって。
そう考えると、なんだか少し楽しくなってきた。
楽しくなったらお腹もすいてきちゃったな。
ボクはあんちゃんが用意してくれたカイバに、むしゃっとかぶりついた。
そうか、ボクにも新しい遊び友達ができるんだね。
ボクがお兄ちゃんて呼ばれるのか。変な感じ。
仲良くしてあげてね。
もしゃもしゃと口を動かしているボクを見て、小母ちゃんがにっこりと笑った。
※休ませた・・・種付けをしなかった、つけた・・・種付けをした