ポピーお姉ちゃんの「れーす」の日になった。
あんちゃんの「はないき」は朝からものすごく荒かった。
その一方で、おっちゃんとおっかちゃんはいたって普通なんで、なんかおかしかった。
「れーす」の時、大体いつもはおっちゃんかおっかちゃんが、そわそわと落ち着きがないんだ。
あの子の鼻息の荒さを見てたらなんだかおかしくってね、っておっかちゃんが言ってた。
小母ちゃんは朝からいつものようにのんびりしていた。
オーガお兄ちゃんの「れーす」の日は、いつもちょっとそわそわするんだけど、お姉ちゃんの時はいたって普通なんだ。
怪我だけしてくれなければいいわ、っていつも言ってる。
「れーす」の時間が近づいてきた。
「ばぼー」ではいつものように「らじお」が鳴っていたけど、ボクは母屋のほうで「てれび」を見ることにした。
お兄ちゃんの「れーす」の時に「てれび」を初めて見たけど、とっても楽しかった。
ちっちゃな板の中でいろんなものがごちゃごちゃ動いていて、とても楽しいんだ。
「れーす」の内容も「らじお」で聞いているよりよくわかるしね。
あと、お兄ちゃんやお姉ちゃんの「れーす」の時は、あんちゃん達の反応を見ているのも、面白いんだよ。
くすくす。あ、これは内緒だよ。
母屋のほうに行くと、みんな「てれび」の前に集まっていた。
あんちゃんの「はないき」はちょっと落ち着いていたけど、それでもすごかった。
おっちゃんとおっかちゃんは静かに「おちゃ」をすすっていた。
うわ、断然の1番人気だ。
あんちゃんはそう叫ぶと、「はないき」が一気に荒くなった。まるで「たいふう」だ。
1番人気って何?
「ばけん」を買うお客さんが、一番勝ちそうな馬だって思っている、ってことかしらね。
おっかちゃんが教えてくれた。
うわぁ、すごいや。お姉ちゃん勝ちそうなの?
勝ってほしいわね。
おっかちゃんは手を合わせた。