オラはどうするの?
メリーポピーお姉ちゃんが問いかけに、あんちゃんはぐずっと鼻を鳴らした。
そしてちょっと首をかしげてから、にっと笑った。
どうするかな。
ま、買い手が見つからなかったら、前にも言ったがうちで面倒を見るさ。
お姉ちゃんの首を、ぽん、と軽く叩くとまたにっと笑った。
その代わりポピーにもっと頑張ってもらうか。
あら。
お姉ちゃんはついっと頭を上げると、ふふんと鼻を鳴らした。
当たり前のことを言わないで。あたしはまだまだたくさん勝つんだから。
あんちゃんは、ははは、と声を出して笑うと、お姉ちゃんの首をまたぽんと叩いた。
頼もしいな。
耳をぴくぴくさせながら、あんちゃんとお姉ちゃんの様子を伺っていたサイキョウ小父ちゃんが、
その時ぴくんと頭を上げて外のほうに目をやった。
すると、お外のほうからぶるるんという音が聞こえてきた。
あのおすましさんの化け物「くるま」がやってきたようだ。
しばらくすると、おや、いらっしゃい坂石さん、というおっちゃんの声が聞こえた。
坂石のおいちゃんがやってきたらしい。
おや、今日はお一人ですか、とおっちゃんの声が続く。
ええ、今回はちょっと急に来ることにしたもので、とおいちゃんが答える。
今日は真矢ちゃんはいないようだ。おしゃべりをしようと勢い込んだボクは、ちょっとがっかりした。
みずくさいじゃないですか、とおいちゃんの声が続いた。
水が臭い?どういうことだろう、別に臭くないよね。
おいちゃんはボクたちの「ばぼー」の中に入ってきた。
そしてボクの前に立つとやさしい笑顔でこう聞いた。
オラ君はレースで走りたいのかい?