第46話「間近」


あの嫌な「むし」がだんだんと増えてきた。
お空の「くも」も強い感じになってくる。
「なつ」が近づいてきたんだ。

サイキョウ小父ちゃんはボクの「にゅうきゅう」はまだ先って言ってたけど、
実はもうすぐ「にゅうきゅう」することになったんだ。
ここで体が大きくなるのを待つんじゃなくて、
「にゅうきゅう」して「きたえる」ことにしたんだって。
「きたえる」って何?

早く走れるようにたっぷり練習したりすることだな。
小父ちゃんがボクの「ばぼー」ににゅっと首を突き出した。
お前の場合は、走れる体になるように体を作る練習、かな?
小父ちゃんはそう言うと、かかっと笑った。
いろんなことをやらなきゃいけないから、結構大変だぞ。
俺はゲート練習が一番苦手だったな。

「げーとれんしゅう」?
狭いところでじっーとしてなくちゃいけないんだ。そりゃもう死ぬかと思ったぞ。
あれと比べたらほかの事なんて何でも。。。
そこまで言ってから、小父ちゃんはふいっとボクの顔を見た。
お前は、大丈夫そうだな。。。

ボクがきょとんとしていると、小父ちゃんが続けた。
お前は馬運車は怖がるけど、別に狭いところに閉じ込められるのが怖いわけじゃないもんな。

あら、あたしは走るのが一番嫌だったわね。
今度はひょいっとメリーフローラ小母ちゃんが顔をのぞかせた。
何で競走馬なんかになったのかしらね。
だからすぐに引退しちゃったんだけど。
そして、おほほほって笑った。

「にゅうきゅう」かぁ。どんな感じなのかなぁ。




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