第51話「スカイクルー」


ボク?ボクはオラだよ。
うん、それはさっき聞いた。だからあだ名じゃなくて名前はなんていうんだ?
名前?だからオラだよ。
なんだ、オラが名前なのか。てっきりあだ名だと思っちまった。
そう言うとスカイ兄さんはまじまじとボクを見つめた。

それにしても。。。
そこでぶふっと鼻を鳴らして続けた。
お前ちっちゃいなぁ。

ボクを見ると大体みんなそう言う。
たまには何か他のこと言ってくれてもいいのに、とかちょっと思う。
ま、たしかにちっちゃいんだけどね。自分でもそう思うよ。

隣のよしみだ、これから何かわからないことがあったら、おいらに聞きな。
なんでもな。
そしてぷっと鼻をふくらませた。
なにしろおいらはオープン馬だからな。
レースのこともよくわかるぜ。

「おーぷんば」?それってなぁに?
ボクが首をかしげると、兄さんはにっと笑った。
お、早速わからないことかい。いいぜ。
競争馬ってのはランクつけがあってな、勝っていくとクラスが上がっていくのよ。
わかるか?
ボクはこくりとうなずく。

その一番上のランクにいるのがオープン馬ってわけさ。
わぁ、じゃあ兄さんたくさん勝ってるの。
まあそこそこな。
へぇ〜、すごいなぁ。速いんだねぇ。
ボクもそんなふうに「れーす」で勝ちたいなぁ。




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