第54話「日常」


それから、スカイ兄さんはなんやかんやボクにとても親切にしてくれるようになった。
ボクが知らないこともいろいろと教えてくれるんで、おかげでボクは大助かりだ。
だからとっても居心地がいいんだよ。
みんな親切だしね。
あと、ご飯もとってもおいしいんだ。

でも大井さんだけはちょっと苦手だな。
相変わらずむすっとした顔で、ぶつぶつと文句らしい言葉をつぶやきながら、
ボクの世話をするんだ。
色々話しかけても相手をしてくれないし、余計にむすっとした顔になるから、
最近はボクも静かにするようにしているんだ。
でも、やっぱりつまんないから、時々勝手に一人でしゃべっちゃうんだけどね。
えへへ。

すると、じろっとボクを見て、けっ、って言ってどっか行っちゃうんだ。
やっぱりボクのこと嫌いなのかなぁ。
いんや、あの人ぁ誰に対してもあんなんだ。気にするねぇ。
ってスカイ兄さんは言うけど、そうなのかな。

でも、大井さんが来た後は、寝床がすっごくふっかふかなんだ。
最初はとてもびっくりした。
「くも」の上でゴロゴロしたいって昔思ったけど、
多分「くも」の上ってこんな感じなんだろうなって思った。
だから、苦手だけど、大井さんが来るとちょっとうれしい。

そんなこんなで、毎日「にんげん」を乗せて歩き回っては、ご飯を食べて寝る、
みたいなことを繰り返していたある日、高木さんがボクに言った。
そろそろゲート練習をやってみるかな。




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