「げーとしけん」は無事に「ごうかく」した。
すごいでしょ、えへん。
「しけん」の後で高木さんは、
入るのは心配してなかったけど、出てくれるかどうかだけが心配だった、
って言ってた。
失礼しちゃうな、ボクいつもちゃんとしてたよ。
まあ、確かに「げーと」の中で一息つきそうになっちゃったけどさ。へへへ。
そんなある日、スカイクルー兄さんが「じゅうしょう」を勝ったってことで、厩舎が大騒ぎになった。
うわぁ、兄さんすごいねぇ。
帰ってきたスカイ兄さんにボクがそう言うと、兄さんはすごい鼻息になった。
まるであんちゃんみたいだ。
おうよ、ようやっと重賞だ。次はG1だ。頑張るぜ。
ついに「じーわん」に出るの?
ああ、順調にいけばな。まだわからないけど、うまくすれば秋の天皇賞だ。
そうだなぁ、スカイ君にはちょっと短いかもしれないけど、直線が長いのは魅力だね。
今回は有力馬出走が少なそうだし、賞金的には足りるかな。
馬主さんと相談してだね。
高木さんは、そう言ってにっこり笑った。
それには、これからもっと調子を上げていかないとね。
それからのスカイ兄さんは、目の色が変わった。
練習もすごく頑張って、ご飯もモリモリ食べて、そしてグーグー寝るんだ。
調子もよくなってるみたいだ。
おうよ、絶好調だぜ。
そして、スカイ兄さんは正式に「てんのーしょー」を目指すことになったんだ。
そんなある日、兄さんがボクの「ばぼー」ににゅっと首を伸ばして言った。
おい、お前、メリーポピーって確か知ってるよな?
お姉ちゃんのこと?うん、一緒に住んでいたよ。
そうか、その子も秋の天皇賞に出てくるらしい。強敵だな。
メリーポピーお姉ちゃんは「たからづかきねん」ていうレースで3着になって、
「てんのーしょー」の「ぜんしょうせん」を勝ったんだ。
多分あんちゃんの「はないき」はとんでもないことになっているんだろうなぁ。
あれ?そうなるとボクは兄さんとお姉ちゃんのどっちを応援すればいいのかな?