第60話「待望」


そうそう、ボクの話だよね。
そのあとボクは、高木さんのところで練習したり、「ぼくじょー」に帰ったり、
また別のところで練習したりを繰り返していた。
ボク結構頑張ったんだよ。
相変わらず体はちっちゃいままだったけどね。

そうこうしているうちに、「ふゆ」になって、そして「はる」が来た。
そうそう、こっちの「ゆき」ってなんかぺちょぺちょしてるんだ。
「ゆき」ってふわふわしていて、ふって「いき」を吹いたら
飛んで行っちゃうものだと思っていたけど、違うんだ。
だから「ゆき」が体につくと、べちゃべちゃになるから気持ち悪い。

あと、「ふゆ」も少し短いんだね。
思ったよりも早く「はる」がl来たんで、こっちはちょっと嬉しかったよ。
でも、高木さんは、春は嫌だなぁ、だって。
そして、くしゅん、とか言って目を真っ赤にしているんだ。
変なの。

そんなある日、ボクのデビュー戦が決まった。
いよいよ「れーす」を走ることになるんだ。
ちょっとわくわくした。
大丈夫かぁ?スカイ兄さんが心配そうな声を上げる。
大丈夫、ボク頑張って走るよ!
いや、まぁ、それ以前にだな。。。
そう言って今度はにやにや笑うんだ、変なの。

「けいばじょう」に移動する日が来て、その意味が分かった。
そうか、あの化け物に乗らなくちゃいけないんだな。
ボクの目の前で馬運車が大きな口を開けて待ち構えていた。
む、むむ〜ん。




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