第76話「帰厩」


ただいまぁ。
ふぇぇえ、疲れたなぁ。
ボクが「ばぼー」に入ってため息をつくと、スカイクルー兄さんが首をのぞかせた。

おう、お帰り。
帰ってくる前に、外厩に行ってたんだってな。
どうだったい、初めての外厩は?
うう〜ん、いっぱい走って、楽しいことは楽しかったんだけど、とっても疲れた。
みんな知らない馬ばかりだったのもあるけれど、なんだろう、とにかく疲れたよ。
はっはっは、たっぷり鍛えられたか。
兄さんはからからと笑った。

まあ、休んだ後だから、余計疲れたってこともあるのかもしんねぇな。
そうなのかな?
でも、ボクたくさん走ってたくさん「れんしゅう」したんだよ。
少しは強くなったかな。
けっ、ちょっとばかり稽古したくらいで強くなるんだったら、みんなとっくに強くなってらぁ。
仮にお前が強くなったって、他の奴らももっと強くなってるってやつだ。

振り返ると、いつの間にか大井さんがいた。
そしてボクのご飯を用意すると、あっという間にいなくなっちゃった。
今日はボクの寝床を作ってくれないのか、ちょっとがっかりだな。
ん?寝床だったら、お前が帰ってくる前に作ってたぜ、大井さん。
兄さんがボクのほうを向く。
あ、ほんとだ。ふかふかだ。

やあ、お帰り、オラ君。
今度は高木さんがやって来た。
牧場ではゆっくり休めたかい?
うん、久しぶりにみんなに会えて、ゆっくりできたよ。
そうか、それはよかった。外厩ではたっぷり練習したかい?
うん、とっても疲れちゃった。
ははは、疲れたかい?それもよかったねぇ。
高木さんがにっこり笑う。

ねえ、高木さん。
ボクは前から思っていたことを聞くことにした。
やっぱり、大井さんってボクのこと嫌いなんじゃないの?




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