ボクを見ながら笑っているふたり?を見て、ボクはちょっと面白くない気分だ。
むむむ。
そんなちょっとぶぜんとしているボクを見て、ふと高木さんが真顔になった。
オラ君、君は何というか、とても不思議な仔だねぇ。
不思議?
うん、まわりをほんわりとあったかくしてくれる。
なんというか、そう、懐炉みたいだなぁ。
かいろ?
そう、寒い時に使うものなんだけどね。
ふーん。
それで、ボクはこれから大井さんにどう接すればすればいいの?
別にどうしなくてもいいよ。
今までと変わらず、いつものオラ君のままでいて欲しいな。
高木さんはにっこりと笑って、ボクの首筋をポンポンと叩くと、別の仔のほうに歩いて行った。
ちょっと馬鹿にされていたなような気がして、「しゃくぜん」としない気分だったけど、
大井さんがボクのことを嫌いではないことがわかって、ちょっぴりほっとした気分だ。
でも、大井さんが何であんななのかは、実はちゃんとはわからなかった。
えへへ。
なんとなくはわかった気にはなるんだけどね。
なんだかいまいち呑み込めてねぇような顔だなぁ。
スカイクルー兄さんがボクの顔を見て笑った。
ま、人情の機微ってやつは、お前にはまだ難しいかな。
少し得意げな顔の兄さんを見て、サイキョウ小父ちゃんのことがふと頭に浮かんだ。
あ、そうだ、兄さん。
うん?どうしたい。
サイキョウ小父ちゃんが兄さんによろしくって言ってたよ。
へ?
なんか見どころがある、っていって注目しているみたいだよ。
ふへ、へへへ?あ、あのお方が、おおお、おいらのことを?
むほほ、ほへほへ??
赤くなったり青くなったりして身もだえしている兄さんを見て、
ボクはちょっと「りゅういん」が下がる思いだった。