第87話「再開」


ゲンちゃんすごい顔してるよ。
大丈夫?
目の前に現れたゲンちゃんを見て、ボクはびっくりした。
ゲンちゃんは今日から「ちょうきょう」に乗り始めるんだ。
最初にボクに乗ってくれるらしい。

は、はは、だ、大丈夫だよ。
全然、大丈夫って顔じゃねぇぞ。
おめぇまた何も食ってねぇんじゃねえか?
大井さんが渋い顔でゲンちゃんを見た。
最近、ゲンちゃん、あまり食べていないみたいなんだ。
も、もう、筋肉を戻す段階は、お、終わったからね。
って言ってたな。

け、今朝は食べましたよ。
ち、調教乗るのに腹ペコじゃあ、さすがにまずいです。
ならいいけどよ。
また怪我でもしたら元も子もねぇんだぞ。
さ、さすがにそこは、わ、わかってます。

大井さんが心配した通り、ゲンちゃんは「げんりょう」で苦労している。
ゲンちゃんは、背はそれほど大きくないけど、「ほねがふとい」とかで、大変なんだって。
ただ体重を落とすだけならまだしも、騎乗するための筋肉まで落とすわけにはいかないからねぇ。
って、高木さんが言ってた。

さ、さあ、お、オラ君それじゃあ行こうか。
ひょい、っとゲンちゃんがボクの背中に乗った。
死にそうな顔をしているけど、動きは思ったよりも軽快だ。
ゲンちゃんがボクに乗るのは、あの「れーす」以来だね。
ん?
ゲンちゃん、やっぱりいつもよりも重たいね。

お、オラ君にもわかっちゃうか。
が、頑張らなきゃなあ。とほほ。
ゲンちゃんは深くため息をついた。




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