「トンデモ韓国経済」 三橋 貴明 hatas.gifhatac.gif

出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
PHP研究社978-4-569-69659-12008年1月24日952円全1巻

みなさんは、インターネットをどのようにとらえているのか? 評価しているのだろうか?
インターネットと聞くと、思い浮かべるのは、オークション詐欺、身に覚えのない請求、出会い系やアダルトサイト、自殺サイト、爆弾製造サイト、カジノにガセネタ、誹謗中傷とまさに悪の巣窟と思ってらっしゃる方も多いだろう。
子どもには有害で危険で触らせたくない、なんてお考えの方もいらっしゃるに違いない。
そしてそれはある意味事実だ。
口の悪い人は、ネットを便所の落書きなんて称している。
だが、インターネットは悪いものではないのは当然である。いや、「インターネットとは」というとらえ方自体間違っているのではないだろうか?
インターネットは架空の世界ではなくあるいは突然現れた新しい価値観の世界でもなく、我々が暮らしている現実世界と連続して存在している。だから従来の社会常識で理解できないものはない。
従来からしてはいけないことをネットでしてはいけないのは当たり前であり、従来から犯罪であったことはネットでも犯罪であり、従来からあった犯罪や危険がネットにあるのも当たり前なのである。
詐欺は昔から犯罪でありネットの詐欺が特別なわけではない。名誉棄損はもとからいけないことでありネットでなら良いというわけではない。いじめは教室や通学路で昔からあり、ネットができてから発生したわけではない。
ネットと従来からの社会はまったく同じで変わらないのである。

じゃあインターネットと従来からの世界の違い、存在価値はなんだろうか?
それはたくさんある。最大で最重要なことはネットにあらゆる情報が存在していることそのものだ。嘘も間違いも含めてインターネットには情報があふれている、そのこと自体ものすごいことだ。

この本はインターネットを論じているのではない。韓国経済を論じている。しかし、この本が論じている韓国の経済に限らず、世の中の真相、特に外国の情勢については、マスコミは本当のことを伝えない。インターネットが使えるようになって、はじめて我々一般市民が真実とは限らないが多様な情報に接することができるようになった。
本当を言えば英語ができないと世界の真実はわからないだろう。私も英語が不得手である。
我が師KABU先生は日本国民が全員TOEIC700点くらいの力があれば日本の新聞テレビなどのマスコミは崩壊すると語っている。

誰でも知っていることだが、日本の大手新聞はそれぞれ政治的スタンスを明確にしており、お互い自分に都合の悪いことは報道しないし、また事実であっても観点が異なるので評価は正反対のことも多い。
地下鉄で警官を中国人が突き落した事件について、読売ではそのまま伝えたが、朝日は「人身事故」と伝えた。人身事故とは一般的に誤ってホームから転落した場合に使うのではないだろうか?
突き落すのは犯罪であって事故ではないような気がする。
在日韓国人や朝鮮人が犯罪を犯したとき、朝日新聞は通名を報じ、読売は本名を報じる。
先日靖国神社で参拝者が持っていた日の丸を引き倒した中国人の事件はほとんどのマスコミは伝えなかった。
ここまで徹底するとコメント不要である。

ソ連崩壊の原因は衛星放送だったといわれる。もちろんチェルノブイリ事故もダメージを与えたろう。しかしチェルノブイリ事故そのものではなく、事故を報じたことが重要である。過去にも規模は小さくとも類似の放射能漏えい事故はあったがソ連は崩壊しなかった。それは国内にも国外にも報道しなかったからだ。
「被爆国アメリカ(KILLING OUR OWN:1982)」他による
北朝鮮は携帯電話を一時禁止した。中国は、そして韓国もインターネットの情報を規制している。どこでも情報を管理することの重要性というとおかしいが、政府に都合の悪い情報を国民に与えないことが政権維持に必要であると認識していることは共通だ。そして反日の宣伝はしっかりと行っている。もちろん日本の良いところや援助は一切伝えない。
ポルノであろうとグロサイトであろうと、存在することはその国に言論の自由があることであり、国民の権利が保証されている証拠であることは間違いない。
外国だけが問題ではない。インターネットがないとき、つまり90年代半ばまで日本には言論の自由、報道の自由がなかったのだ。
これは肝に銘じなければならない。そして我々だけでなく、子供たちにマスコミを信じてはいけない、常にさまざまな情報を入手して比較検討しなければならないことを教えねばならない。

よく子供を有害情報にアクセスさせないためにフィルタをかけようという主張がある。親が子のアクセスを制限するのは親権そのものであるから異議はない。しかしプロバイダや検索エンジンが勝手にフィルタをかけるのはいかがなものであろうか?
キッズグーではアダルトサイトなど共に正論派の多くのサイトが除かれてしまう。誰が見てもまっとうな「KABU先生の松尾光太郎 de 海馬之玄関」もこの「日本人よ誇りを持て」も「ごめんね。ページがひょうじできませんでした。」となる。これらのサイトのどこにアダルトコンテンツがあるのか? 暴力があるのか? 不思議なことである。
子供がアダルトサイトを観ることが良いこととは思わない。しかし昔からストリップはあり、エロ本はあり、子供たちはそういったものに接する機会はあった。
私が子供のころは合法的な売春地帯である赤線もあったのだ。
だから大人たちは子供にそういう所には行っちゃいけないよ、ということを教えたのであり、それは単に臭いものに蓋ではなく、子供が大人になってからの常識というか生き方を教えることであったのだ。
ネットの世界の有害コンテンツに触れさせたくないという大人の論理で、単純にフィルタリングすることが子供を育てるために有効であるとは思わない。
危なっかしくとも、子供を独り歩きさせ、取り返しのつかない失敗でない限り経験させることが育てるということではないのか?
自由ということは素晴らしいことだが、自由を扱える人は少ない。子どもが大人になったとき自由を自由自在に使えるように教えることが必要だ。

「トンデモ韓国経済」の序文を引用させていただく。
インターネットの社会的な影響というのは、功罪取り合わせいろいろあるが、功のほうに着目した場合、最も大きなものは「情報の非対称性」の解消である。
情報の非対称性と書くと小難しくなるが、要は取引をする両者の間で、それぞれが保有する情報に格差があるという意味だ。たとえば商品の取引の際には、売り手が持つ商品の情報は、常に買い手を上回っている。売り手は商品の品質や、コストについて豊富な知識を持っているが、買い手は持たないケースが多い。
そしてこの格差こそが「利益」の源泉となる。逆にいえば、買い手の商品に対する知識が高ければ高いほど、売り手の収益性は下がっていく。これは業界を問わず、あらゆるビジネスに当てはまる鉄則だ。
さて、中でも新聞、テレビなどの大手メディアが販売している商品、すなわち「報道」については、情報の非対称性が最も大きい分野であったと言える。一般消費者は、新聞やテレビで流される報道について、基本的に疑うことなく代金を支払い、疑問を感じたところで、情報の信憑性を確認することは困難だった。
中略
大手メディアは報道を独占的に扱い、一般消費者を囲い込むことで多大な収益を上げてきた。報道が虚偽であったとしても、メディアが代金を返したことはないし、そもそも一般消費者が囲いの外にある真実を知る術は限られていた。インターネットが普及するまでは。
インターネットの普及により、一般消費者は大手メディアの囲いから解放された。
何しろあらゆる報道について、誰でも安易にソースにアクセスできる上、他社や他国の報道と比較、分析することができるのだ。大手メディアは、自分たちがこれまで、どれだけ恣意的な報道を繰り返してきたか、衆目に晒される羽目に陥った。
インターネット上に氾濫する情報を「便所の落書き」と貶める者は愚者である。
中略
大手メディアの一記者が、自分一人の頭の中で展開した自慰的な理論の方が、よほど便所の落書きの名に相応しいだろう。
中略
インターネットの普及がもたらした、報道における「情報の非対称性」の解消。それは大手メディアのビジネスモデルの崩壊であり、一般消費者に情報リテラシー向上を強いる、新たな時代の幕開けなのだ。

推薦する本とここに書かれた内容がどう関係するのか? なんてことは常連の皆様は問わないとは思うが、私はこのカラムでは本の内容などどうでもよいのだ。本を読んで頭に浮かんだ妄想を書き連ねるだけである。
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なにしろ、私の頭には妄想がいっぱいで、時々ガス抜きしないと爆発しそうです。
なお、法的に本から引用する場合、書かれた文章より引用した量が少なく、かつ引用が本文と関連していることが条件であるそうだ。この駄文は一応条件を満たしていると考える。




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