「中国汚染」 相川 泰

出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
ソフトバンク新書978-4-7973-4501-82008年3月25日730円全1巻

私の同僚の多くは仕事でしょっちゅう中国に行っている。もちろん今どき中国に仕事で行くなんて珍しくも何ともない。2008年中国に滞在している日本人は128,000人、旅行者は年54万人だそうだ。それら多くの人々は上海の摩天楼をながめ、うまいものを食べて、天安門で記念写真を撮って帰ってくるのだろう。
1989年に天安門で何が起きたかを知らない日本人も多くなっていることだろう。
あなたはご存知ですか? 何人が殺されたか知っていますか?
諸説ありますが人民解放軍が殺した市民は数百人から数万人と言われます。
国民を殺す軍隊を人民解放軍というのは矛盾なのか、悪い冗談なのでしょうか?

しかし中国は安全なのだろうか? 治安ではない。呼吸する空気、飲む水、食べるもの、真実を知ると背筋が寒くなるのではないだろうか?
この本の中で『日本企業は中国出向を出世コースと位置づけ有為な人材を積極的に派遣するようになってきているが、彼らの寿命と引き換えにする必要があるだろうか』と書いている。これってものすごく恐ろしいことを意味している。
幸い私は中国に仕事でも観光でも行ったことがない。中国は私がもっとも行きたくない国である。

さてその同僚たちの話である。
「町のいたるところに堀というか水路があるんですけどね、どこもかしこも水が緑色なんですよ。その臭いがすごいですよ」
「北京は霞んでますね、砂ほこりがひどくて首の周りから細かいのが入ってきて・・」
「山に木がないというのは確かなようですね。報道されたペンキで緑に染めた山は見てませんけど」
もちろん日本にだって藻がはびこっている沼もあるし、汚染がひどい川もある。風が吹けば畑の土が飛ぶ。日本も山の木々を切って市街化も進み緑が減っている。
しかし、その程度が大きく異なるようだ。
オリンピックが開かれた北京がいかに砂嵐がひどいかということは広く知られている。それどころではない、北京はあと30年もたたないうちに砂漠に飲み込まれることは間違いない。砂漠は北京から70キロまで迫っている。
いやいや、中国でどんな状況かと論じるまでもなく、日本も中国からの公害の影響を受けている。今年春頃、東京の丸の内では中国から飛んできた黄砂によって煙ったようになり、数百メートルしか離れていないビルが見えなかったときがある。

砂漠というとエジプトとか想像するが実は中国にも砂漠が多いのである。砂漠とは砂浜のように地面が砂であることではなく、土であっても草木が生えていないところを言う。
砂漠になるのは地理的な条件もあるが、人の行為によっても砂漠化する。中国の万里の長城は月から見える唯一で最大の人間が作った建造物だそうだが、それは砂漠を作った原因でもあった。煉瓦を焼くのに木々を切ったために万里の長城のまわりは林がなくなり、それは1000年以上経った今も回復していない。
昔の中国人はちょっと失敗して自然破壊したけど、今の中国人はちゃあんと環境保護に努めていると期待したいところだが、現在の中国人もせっせと自然破壊に励んでいる。
過放牧、森林の伐採、灌漑のしすぎ、植生に合わない不適切な農業・・・中国人民は砂漠化に関しては能率的な作業を行っているようだ。

さて、この本は中国の公害、環境破壊、公害病などについて延々と書き連ねている。
被害者についても、荒れ果てた国土についても、汚染された河川についても述べているが、見えてくることは、中国政府の悪行と国民の無責任である。
中国の公害に我々は何をなすべきか?
日本は過去に公害を経験したから、今その技術で中国の公害対策に支援すべきだろうか?
我々の年金も危うく、支給される年齢がどんどん伸びている実態、消費税を上げなくてはなりゆかないというとき、血税を中国の砂漠につぎ込むべきだろうか?
とんでもない!
我々は中国政府に対して、まじめに環境行政をしろと大声で主張すべきなのである。我々は加害者でなく、被害者なのだ。
中国政府、中国人民が加害者である。

中国の環境保護に支援しよう、援助しようという運動もあり、政府レベルでも支援が行われている。私はこの考えに全く同意できない。
日本の援助で環境保護をして、自国の税金は軍備増強に使う、それどころか日本の援助がそのまま軍事費になっているのかも我々は検証できないのだ。
笑い話ではないか
中国は日本の援助を受けて何事をするのではなく、己の財を使って環境保護をしなければならない。
中国が環境破壊が進むなら、それは中国の指導者と国民が被るべきであって、我々風下に住む者は中国に一刻も早い環境保護を求めるべきなのである。
私は中国が軍事増強策をやめなければ、いかなる環境保護の援助も行うべきでないと主張する。

国際河川に有害物質を流したり、はるか遠くの日本までばいじん、有害物質を放出したり、河川から大量の有害物質を東シナ海に垂れ流す様な国も国民も軽蔑されるだけだ。
宇宙へ人間衛星を打ち上げようと、イージス艦を作ろうと、高いビルを作ろうと、そんなことは尊敬されない。そんなお金があるなら自国の公害をなくそうとするべきである。
一つの村でがん患者が何百人も出るような施政を行っているようでは哂われるだけですよ。


本日の質問

このような国家を見習うべきでしょうか?
このような国家を目指すべきでしょうか?
このような国家に支援するべきでしょうか?

私はすべてNOです。


中国人民解放軍戦車こんな戦車を作るお金があったら、公害対策に使いなさい
中国海軍のイージス艦イージス艦を作るお金があったら、公害対策に使いなさい
中国の原子力潜水艦原子力潜水艦を作るお金があったら、公害対策に使いなさい
中国空軍の戦闘機こんな戦闘機を作るお金があったら、公害対策に使いなさい
共産主義の核兵器はきれいなのです 核爆弾! そりゃ環境破壊そのものずばりですね

 ぜひ北京で核実験をしてください


あらま様からお便りを頂きました(08.09.14)
どうしましょ
佐為さま あらまです
弊社も中国進出を考えていて、先日、小生にも「行ってみないか」と打診がありました。
小生は「逝って見ないか」と聞こえました。
社命になったら逆らえません。どうしましょ。
「あらま少尉 靖国で会おう」
・・・・
水盃

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