ISOバカ一代 08.03.23

私がこのウェブサイトで語っていることに嘘偽りはない。私はISO審査員でもなければ認定審査員でもなく、コンサルでもなければISO事務局でさえない。
../mito.gif 越後のちりめん問屋のご隠居に過ぎない。そのせいか、私は仲間から水戸黄門と呼ばれている。もっとも黄門様と「様」を付けては呼ばれない。貫禄がないせいだろうか?

じゃあ、なぜ金にもならないのにISOを熱く(暑く?)語るのか、他人ごとなのに悲憤慷慨しているの? 文句を言いながら関わっているのかと言われると、ISO規格が好きなのだろう。あるいは単なるアホなのかもしれません。
ともかく、日頃知り合いあるいは知らない人から、教えてくれ、困ったから助けてくれという声がかかってくると、しょうがないなというより、喜んでホイホイと手伝っているのが実態である。
お金にもならないことを手弁当でしているのは、やはりアホということらしい。

相手も、あまり立ち入ったこと、込み入ったことを頼むのも気が引ける、あるいは自分の会社のことを知られたくない、あるいは知りたいことだけ教えてくれればよいと、私を質問を入れると答えが出てくる自動販売機だと思っている人が多い。私も社会を良くしようとか、ISOを良くしようという思いより、ISOや法規制にまつわるいろいろなことを知り勉強になると思っている、ある意味利己心からしていることなので文句も言わない。言える立場でもない。

どのようなご依頼があるかというと、
■まず、法律の意味、理解のしかた。
正直なところ私の知らないことは多い。というか、一般的な質問がくるわけはない。法律に書いてないような細かいこと、例外事項のようなことがほとんどである。私は担当行政に電話したりして返事をしている。
人から聞かれたことをまた別に人に聞くことを恥とも何とも思わない。そのことがきっかけで私の知識が一つ増えたことを感謝するだけだ。恥ずかしがりやで環境省に電話することができない人もいるわけで、そんな人に代わって質問してあげたと思えばよいのではないか。

■審査での問題
審査員が不適合と言うのだが当社は問題ないと思う、教えてくれなんてことが多い。相手が審査員でなく審査機関のこともある。ビビルことはない、相手が大きい方が戦いがいがあるというものだ。

■システム構築時のご相談
まずシステム構築という言葉にものすごい抵抗感がある。ISO対応のシステム構築なんてありえないと私は考えている。でも、今の日本では、ISO認証のための活動をシステム構築と呼んでおり、それ以外の適切な言葉が見当たらないのでとりあえずシステム構築という。
具体的には環境側面に関すること、法規制の調べ方、内部監査の指導などなど

■講演のご依頼
もう喜んでしちゃいます。謝礼もいらず手弁当でご依頼の演題は何でもこなします。
やはりアホなんでしょう。

つい最近、ある会社から、環境マニュアルをチェックしてほしいと頼まれた。
私はそういうことは大好きだ。マニュアルを読んで、その会社の仕組みを知り、文化を知り、工夫を知って、ためになったという経験は多々ある。その会社の文化とか仕組みをほうふつさせるマニュアルに出会うとそれを書いた人に会いたくなり、もし会って話ができれば楽しいし勉強になる。そんな経験は何度もある。
もちろん、規格をおうむ返しにしただけのマニュアルを見かけることもあり、実際はそのようなケースが8割9割である。そんなマニュアルを見ると、非常に残念に思うが、いずれにしろ私の会社ではないし、認証することが目的ならそれでもよいのではと考えてしまう。
おお、話がそれた。
マニュアルチェックの依頼を聞いて、承りましたと回答すると、すぐさまコピーされたドラフトが送られてきた。ぱっと開くともう一目で規格おうむ返しマニュアルであることが見て取れた。こんなもの書いた紙の値打もないと思いつつ、一応最後まで読んだ。そういうマニュアルを読むのは結構忍耐がいるのだ。
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つまらない小説・・たとえば内田康夫・・を読みとおすのは大変な忍耐がいる。私は我慢強くないので内田康夫を最後まで読んだことはない。サラ・パレッキーなら徹夜でも読む。
家内は内田康夫が大好きだ。どこがおもしろいのか?と聞いたことがあるが、バカバカしいのが面白いという。本を読んでためになるならわかるが、優越感を味わうためとは?

もう朱を入れる気もしない。私は仕掛りを決して持たない。即決即断、すぐさま電話で拝見しましたからどうしましょうというと、話を聞きに来るという。
さて事務局と名乗るお方が現れたが、私は自動販売機どころか、無料の給茶器だから手土産もなし。
おお!私にご依頼が来るのは、コンサルに頼むとお金を払わなくてはならないところが無料だからということであったか、おばQ不覚である。 

挨拶のあと、このマニュアルはISO規格のおうむ返しだから御社の実態が見えるように、細かくはなくて良いからもっと具体的に書いた方が良いですよと申し上げた。
すると事務局氏、そういうことはどうでもよい、審査で通るかどうか知りたいという。
少しカチンときたがそこは我慢。
相手が普通の審査機関なら適合でしょうと応えると、じゃあいいですといって帰ってしまわれた。それだけである。
ちょっとひどいのではないか?
もっとも何がひどいのかわからないが・・

半年前くらいだが、別の会社からシステム構築の支援を頼まれた。そこには何度か足を運び、マニュアルの作成、環境側面関係、内部監査の指導などをした。もちろん手弁当である。
事務局の方は私がいろいろコメントするとその都度「ありがとうございます。検討します」という。
腹の中で何を思っているかは分からないが、こちらとしては悪い気はしなかった。
認証後にお礼のメールを頂いたが、これからも何かあったらお手伝いしようと思っている。
客観的に見れば、いいように使われただけなのかもしれないが、人間論理だけではない、男意気に感じればそれでよい。気は心だよ、フーテンの寅さんだよ。


本日の想像
空手バカ一代なんてマンガがあった。
ISOバカ一代なんて私のマンガが描かれる・・はずはない




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