定年後 2 2009.08.15

毎度ばかばかしいお笑いを一席mekuri1.gif
だいぶ前に定年後なんて駄文を書いた。年月の過ぎるのは早いもの、だんだんと定年が近づいてきた。定年は仮定の話とか、他人事ではなくなってきた。もういても立ってもいられない 
私の勤め先は週休二日、まあ今どきはどこでもそうだろう。しかし能のない私は、ほとんど毎週休日1日は会社に行ってお仕事をしている。だから週休1日である。ときとして二日休んだりすると、家でごろごろするだけで、もうどうしたらよいかわからない。完全なワーコホリックの働き蜂だ。
ただいまは夏季連休というのか、盆休みというのか、今週1週間はお休みである。連休は会社に行くわけにもいかない。
正確にいえばいろいろと法規制も就業規則もあり、許可なく会社に行くことは良くないことなのだ。万一休日に会社で倒れたり事故を起こしたりすると会社に迷惑をかけてしまう。
セキュリティとか情報保護など声高く言われない以前なら、自宅に仕事を持ってきてなにやらすることもあったが、最近はそういうこともできない。
今回の連休初日は仏壇のお掃除をして、それから家内とショッピングにいって一日つぶした。二日目は家内がお出かけなので一日家でインターネットをしていた。といっても朝から昼までネットをしていれば飽きる。午後は炎天下その辺を散歩してきた。三日目は、午前中は本を読んだりネットをしたり、午後は靖国参拝をしておしまいだ。
四日目の今日からどうしたものか?悩んでしまう。いかに私が趣味もなく能もないということを実感した。
来年定年になって毎日が日曜日となった時、はたして私はまっとうな精神状態を維持できるのだろうか?といささかどころか非常に心配である。

家内は地域の家庭婦人スポーツなんたらというクラブに入っており、毎週一日行っている。正確にいえば午後の2時間程度らしいが、スポーツというか遊びをした後は、クラブの仲間とデニーズとか喫茶店で夕方まで時間をつぶす。お店の人が追い出そうとしても、構わずに居続けるらしい。女は怖い。それも群れをなすと怖いもの知らずである。
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8/15夜半追加
家内がこの駄文を読んでクレームをつけた。
私は朝8時半に出かけて、帰ってくるのは夕方でしょう。間違っているわよ
だそうであります。
すまじきものは・・奥方連中
それはともかく、家内のお仲間はほとんどが家内と同年輩であるから、当然夫も私と同年輩ということになりすなわち還暦前後、定年前後というところ。おしゃべりの話題は、定年になった夫が家でごろごろしていて困るとか、第二の職場を見つけて働いているとか、そういったことばかりらしい。家内は家に帰ると、私にだれだれさんのようになってはいけないよとか、だれそれさんのようなことをしたら良いのではないかとか、仕入れてきた情報を教えてくれる。私も以前はフンフンと聞き流していたが、最近は少しばかり真剣に聞くようになった。とはいえ、そういう噂話を基に行動するわけにもいかない。

私の職場でも、毎年何人かが定年になって辞めていく。定年退職後に会うことはめったにないが、退職前に希望とか予定などは聞く。私はそういう点はずうずうしいというか、率直な人間であり、遠慮するということはしない。
ある方はNPOの役員をすると言っていた。聞くと地元の自然を保護する活動らしい。会社でそれなりの地位にあると退職後も肩書のある名刺を持ちたいということを言っていた。聞くところによると現在NPOが増加しているのは、肩書が欲しい人がドンドン団体を作るからということだ。本当なのだろうか? ../bonsai.gif
生涯一平社員の私にはその心がわからない。
ある方は盆栽が好きで、盆栽をいじっていれば飽きることはないとか言っていた。そんなものだろうか?
ある方はお住まいのマンションの理事を引き受けたとのことで、大きなマンションなのでフルタイムの仕事になるという。その後噂を伝え聞いたが、実際に大きなマンションの役員をしており、大活躍しているという。
ある方は難関の国家試験の勉強をするという。年齢からして試験に合格したとしても、その業務に就けるかどうか見込みは薄いのだが、試験に合格することが夢だという。分かりますよ、その気持ち
ある方は美術館に毎週行っているという。働いている人が行けるのは休日なので混んでいるが、平日の美術館とか博物館は閑散としていてゆっくり楽しめるという。東京圏内に博物館とか美術館と名がつくのは数百あるらしいから、天寿を全うするまで楽しめそうだ。
さあて、私はどうしたらよいものだろうか?

20年ほど前、私が40前後の時、もう囲碁に狂って毎週毎晩碁会所とか公民館に入り浸りだったことは何度も書いた。今は囲碁をやる気はまったくない。正直なところ、なぜ昔はあれほど囲碁が好きだったのか分からない。きっと病気だったのだろう。
家内は、家内の行っている市の施設では囲碁をする場所もあり盛んだから、一度行ってみたらという。うーん、歩くこともままならなくなって車いすに頼るようになった時に考えてみよう。
かっこいいだろう
とはいえ、私もやってみたいということはたくさんある。
私は毎日健康のためと思って、昼休み会社の周辺を歩く。近所ばかりだと飽きてしまうので、時には電車でひと駅くらい行ってその周りを歩く。一生懸命歩くわけではなく、道路に設置してある看板やビルなどを見ながらブラブラ歩く。良く見かけるのは江戸時代の地図と現在の地図を重ねた案内板だ。麹町の今の道路は江戸時代の道のあったところそのものだという。
東京フォーラムは昔土佐藩邸があったそうだ。坂本竜馬は土佐藩邸から、千葉周作の弟貞吉の桶町小千葉道場に通ったらしい。それは八重洲ブックセンターあたりという。なあんだ歩いてせいぜい7・8分の距離ではないか。
私は池上正太郎とか司馬遼太郎が大好きだ。彼らの小説に出てくる地名を訪ねて歩いたら毎週歩いても何年も楽しめるかもしれない。
秋山小兵衛が三冬を救ったのはここだったのか!とか、坂本竜馬が清川八郎とすれ違ったのはここであろうか?など結構面白そうだ。もっとも安兵衛を真似て高田馬場まで走ってみることはしたくない。
家内はどうせしないだろうと「それならまげをゆって袴裃を着けて刀をさして歩かなくてはならないよ」なんて茶々を入れる。私が本当にそんなことをしたら離婚かな?

定年後アメリカにYosh師匠を訪問したいと思っているのだが、私の英語では空港からYosh師匠のお宅までたどりつかないことは間違いない。
../sunbath.jpg 私の60年の人生でなんども英語を勉強しようとしたが、いまだにちっともしゃべれない。とはいえ、これは理由がある。まず話せるようになる必要がない。
グアムに行ったとき、緊張してフロントに電話をかけて「ハロー」と言ったら、「なにかご用ですか?」ときたもんだ。ハワイとかグアムなどでは日本語で十分だ。
ラスベガスに行ったこともあるが、当然こちらは客だから、ホテルの人も空港の人も話を良く聞いてくれるので何とか通じる。サンノゼ空港でトランシットのときは、係員は私に英語で説明するのを諦めて、面倒な手続きも通路も通らずに案内してくれた。だから上達しない。
英語の短期留学なんてのがある。毎月高い金を払って地元の教室で「ハウドューユードュ」なんて繰り返しているよりも、その方が効果があるかもしれない。もっとも日本人がたくさん行くわけで、向こうでも群れをなして暮らすらしく、全然効果がないという意見がネットにあった。いかがなものなのであろうか?

自慢ではないが私は泳げない。そりゃ25メートルプールを縦に泳ぐぐらいはできるが、遠泳どころか、100mは泳げないことは間違いない。定年後はスイミングスクールに行ってぜひとも泳げるようになろう。万が一、海外旅行に行って飛行機が太平洋に不時着しても生きて還らなければならない。
もっとも太平洋の真ん中では25m泳げるのも、1キロ泳げるのも大差ないかもしれない。 

大学院に行くというのも魅力である。
../daisei.gif 私は高卒ですが、こんなアホなウェブサイトを作っているだけではなく、実生活ではこの数年間大学の通信教育を受け、このたび卒業しました。というわけで一応大学院の受験資格はあるわけです。もちろん入れてくれるかどうかは向こうの都合ってやつですが、最近は少子化で大学も大学院も社会人に門戸を広げていますので、なんとかなるのではと期待しております。すべてが順調にいけば2年後にはマスターキートンならぬマスターおばQ、5年後にはドクターコトウならぬドクターおばQが出現・・まさか、それはないか?

なんかこう考えると、定年後は忙しくなりそうだ。夢のあることはいいことだ。
ところでお金の方は・・民主党が政権を取ると子供に甘く年寄りに厳しい政策のようだから・・



タイガージョー様からお便りを頂きました(09.08.15)
定年後
拝啓佐為様 いつも楽しいお話をありがとうございます。
../tora.gif 本日は定年後のことを悩んでおられる様子。今が充実しているからこそこの先いろいろなことをトライしたくなるものとお察しします。年齢、定年は冥土の一里塚でありますが、それは同時に進化、老成の第一歩でありましょう。
佐為様の歩かれる道そのものが我ら後進の者の道しるべになります。この日本という国が多くの先人たちの示した道しるべから形成されたように・・・。
今日は8月15日です。仕事が忙しくて外出できませんでしたが、護国神社に向かって一礼してから帰途につくことにしましょう。

タイガージョー様 毎度ありがとうございます。
うーん、悩んでいるといわれるとそうかなあ?と悩んでしまいます。
それほど深刻でもないのですよ。なにもせずに暮らしていけるなんて、人間いや生き物にとって最高のシチュエーションではござらぬか?
ハスの葉の上で何もせずに妄想にふけっていたブッダはそれだけで至福であったのでしょう。
一般の衆生はそんな悠長と言いますか、のどかなことをしていたら即餓死です。
ということは、私は解脱の時を迎えたのでしょうか?
ダメダコリャ


外資社員様からお便りを頂きました(09.08.17)
老後によせて
家内はどうせしないだろうと「それならまげをゆって袴裃を着けて刀をさして歩かなくてはならないよ」なんて茶々を入れる

いいじゃないですか、佐為さまには、とても似合うように思います。
できれば、坂本竜馬のようなヨレタ着物ではなく、羽二重や米沢など大身の旗本風の格好がお似合いと思います。
または、黄門さまのような商家のご隠居風の格好になり、「誤った認証を退治し世直し」という趣向も良いのでは。

私は伝統芸能をしているので、着物は普通に、もっと古い狩衣、直衣などを着る場合もあります。そうした場合には、烏帽子や冠をつけるので、最近は髪を伸ばしてポニーテール状にしました。 当初は家内にも娘にも評判が悪かったのですが、最近は諦めたようです。
「亭主の好きな赤烏帽子」という諺がありますが、我が家では実際にそうなってしまいました。(笑)

../mito.gif 毎度ありがとうございます。
外資社員様はそういうカテゴリーはお詳しいですね!
黄門様! 実は私はネットの同志から黄門様と呼ばれております。いえ、尊敬されているのではなく、単に歳が一番上だからという理由でございます。
ところで、実際に侍姿で歩くのも簡単ではないらしいです。
袴、羽織は問題ありませんが、本物の刀はもちろんとして、木刀でさえも持ち歩くのはいけないらしいです。剣道部のように竹刀袋に入れたりしないとならないようで、腰に差すなどはご法度とのこと、
冗談ではなく凶器なんたらという罪になるそうです。しゃれになりませんね、
どうしてもというなら、「只今演技中」という看板でも掲示しなければならないようです。
うーん、簡単にはいきませんねえ〜


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