MS 信頼性ガイドライン対応委員会 報告書 その1 09.08.22

本報告書末尾には「無断転載を禁ず」と記載されていますが、このウェブサイトは判例や報道機関などにおける基準に基づき通常許されている範囲で引用しております。
 1)引用した『量』以上の自分のコメントがあること
 2)全文の引用ではないこと
 3)コメントと引用箇所の整合性があること
 4)引用箇所の「出典」が明記されていること
なお、このウェブサイトを引用する際にも上記条件を満たすようお願いします。

09.08.18に発表されたこの報告書について、同志から頂いた意見と私自身の意見を発言者を明記して下記の通りアップする。そのコメントにご批判を頂ければ追加してアップする。

目次
全体的意見/感想
・報告書項番ごとコメント
1. 認証に係る規律の確保
 1-1 故意の虚偽説明への対応
 1-2 重大な法令違反への対応
 1-3 認証範囲適正化への対応
2. 審査員の質向上と均質化
3. 認定・認証に係る情報公開
4. 有効性審査の徹底
5. 認証制度の積極的広報
6. 国際整合性とアクションプランの徹底策検討
7. 結び

全体的意見/感想
名古屋鶏様からお便りを頂きました(09.08.21)
どうも。名古屋鶏です。
お知らせを頂き、早速に読ませてもらいました。何と言うか・・・「如何にして責任を逃れつつ(責任の所在は全て組織である)、自分達の権益を確保するか」というお役所イズム丸出しの報告書ですね。こんなものが対民間で通用すると信じられているコト、それ自体がもうダメでしょう。ただでさえ認証件数は下落の一途だというのに、更に拍車をかけることになりそうですね。

【組織の法的不祥事について】
1.同根って何よ
これについての感想は、以前から佐為様が仰ってみえる内容そのままだと思います。凄いのは「不祥事が同根の場合は認証範囲外でも認証停止」という点です。もう、ムチャクチャですね。こんなことでは「当該組織において、課長が部下に[今日のキミは一段とキレイだね]と声を掛けるセクハラによって訴えられる事案が発生した。この件についてトップが被害者に対して[そんな大した事じゃないだろう]と言ったのは、トップの法令順守精神が著しく欠如している証拠であり、法令順守を謳うISO9001/14001の認証に対しても、その順守評価に疑われる点があると理解できるため、認証を停止する」というアホ理論が通用しそうで怖いです。

2.説明責任ぐらいはさぁ・・
後の方の「第三者認証システムのやさしい解説」にもあるように、顧客は組織のシステムが必要条件を満たしていることで、安定したパフォーマンスを得られることを期待しているはずですよね。ならばその期待を裏切る結果が出たのであれば、その責任の一端は認証機関にもあって然るべきでしょう。だってカネを取っているんですから。「いや、それは組織が隠蔽をしていて」というのなら最低限「何をどう確認したのか」をちゃんと公表すべきでしょう。その辺の説明責任について何も言及されていないのは、あまりにいい加減と言わざるを得ません。

3.プロとしての仕事って何よ
組織に言われるままの(偽造された)資料で納得し、問題が発覚すれば「組織に騙されました」ではただの「エサ代が高い伝書鳩」でしかありません。いや失礼、これは伝書鳩に対してあまりにも失礼でした。プルップープルルプー(誤ります、ごめんなさい)
組織の不祥事に対して「認証停止」という権限を主張するのであれば、どういう義務・責任が生じるのかを明確にして欲しいものです。
そういえば、「動物のお医者さん」というマンガに出てくる「漆原教授」というキャラクターの名セリフに「我こそは、という者は私に(カンニングで)掛かって来るがいい。私はどんなカンニングも見つける自信がある。何故なら私自身がカンニングのプロだったからだ」というのがあったのを思い出しました。まぁ、審査員の方も不祥事のプロとまでは申しませんが、せめてその道の「プロ」でないと、カネを貰える仕事ry)

【有効性審査について】
1.無効なシステムを押し付けた犯人は誰だ!
そもそも、「有効性の審査」云々という話が出ているってことは、今がその状態でない、つまり「有効でない、形だけのマネジメントシステムである」ってコトですよね。でもね、私は思うですが。じゃぁ、その形骸化というか、形式第一主義のマネジメントシテスムを推進したのは、一体誰なの?って。どう考えても認証機関とその手下である、困ったちゃん審査員各位そのものじゃぁありませんこと?また、それを放置した認定機関には責任はないんですか?まさかとは思いますが「そんな事実はない」なんて言いませんよね?「ファイルの背表紙に“環境文書”という表記がありません」だの「ゴミの分別を教育したという記録がありませんから、分別が確実になっていると言えません」とかって言う“ご指導”をしていたのは誰ですか?その件は無視ですか、そうですか。冗談じゃぁありませんよ、まずその件をしっかりと認知して謝罪して欲しいものです。でないと結局また同じことの繰り返しになるんじゃありませんか?「有効性の審査をしますから、“マネジメントシステム有効性評価表”を作成しておいてください。変化に即応できるシステムであるか?等、各項目にいて自己採点して頂き、80点以上なら御社のシステムは有効と判断できます」なんて話になるんじゃありませんか?そんなのが経産省の意図ですか?日ごろ審査で「効果ある対策のために、原因を掘り下げてください」と説教垂れてんのは誰ですか?何故いきなり対策案なんですか?過去の反省はなしですか。まぁそうですよね、だって「自分たちには責任がない」というスタンスなんですから。でもそれでは組織側についてこいと言ってもバカにされるだけですよ。第三者認証の価値を自分達で下げてどうするんですか。価値を上げるのであればまず過去の過ちを認めて、反省をして欲しいものです。

2.有効性の審査ができる審査員がいるのだろうか?
資料の中では「必要なOJT教育を施し・・云々」とかありましたけども。そもそもが、それぞれにユニークで特色ある組織のシテスムを見たときに、これは有効である・これは無効である等と判定ができるものなんでしょうか?これが自組織であれば、それも可能でありましょう。しかし、他人様の組織で「それ」の判定が出来るんでしょうか?しかも1日か2日程度の審査で何が分かると言うのでしょうか?疑問でなりません。それを可能にするというOJT訓練とは一体、何なんでしょうか?「有効性の審査が出来る」という大前提そのものがヘンであるとは、誰も思わなかったんでしょうか?不思議でなりません。

3.「御社のシステムは有効性がありません」→「それが何か?」
まぁ仮に1億歩譲って有効性を見ることが出来るネ申審査員が居たとしてですね。それでもって「有効性に欠ける」と感じたとしても、ですよ?「だから何?」って言われたら、それで終わりじゃないんですか?だってそんな要求事項は何処にも無いんですから。要求事項に無いことを「あーだ、こーだ」といい始めたら、それこそコンサルタント行為じゃないんですか?その上に「是正してください」なんて言い出した日には、「余計なお世話乙」という話ですよ。アホな話です。

最後に。
経済産業省が憂いていたのは「認証している組織に不祥事がある」ために第三者認証の信頼性が低下(もしくは壊滅)している事だったのでは?
でも現行のマネジメントシステム審査には不祥事を発見できる力量が無いことは明らかです。元々そーゆー物じゃないですからね。ならば「我々には認証組織おける不祥事の、その全てを防ぐことは出来ないのだ」と宣言すべきですよ。変に見栄をはるから収拾が付かなくなってしまうのでは、と思います。

おばQの意見(09.08.20)
報告書を拝読したが、正直言って、粗製乱造、稚拙としか言いようがない。
そもそも目的は第三者認証制度の信頼性向上であったはずだ。この報告書にもそう書いてある。
しかし報告書の内容は、認証した組織に不祥事があったらいかに速やかに認証停止するかという基準と手順を定めているようにしか思えない。
ところで超初歩的疑問だが、信頼感というが、いったいこれは誰が何に対して持つ信頼性を意味するのだろうか?
07年の経産省のガイドラインを読むと、「社会が第三者認証制度に対する信頼感」を意味している。この報告書ではそこが不明確というか誰が何に対する信頼感なのかが明確でない。皮肉な言い方をすると「認証機関が第三者認証制度の継続性に対する信頼感」のように読める。
だって、認証の精度アップを図るというアクションをとらずに、不祥事を見つけられないのはしょうがない、官憲が不祥事を見つけれくれたなら早急に認証を停止しましょうということを何千字も書きつづっているのだから。
ところで過去に不祥事があった組織は故意に偽っていたのだろうか?
それも実は定かではない。どの認証機関のウェブサイトをいつ見ても、そこには「○○社に不適合がありましたので認証を停止しました」という掲示が見られる。そういった多数の組織はみな故意に審査で偽っていたのでしょうか?
ぜひともそれを聞きたい。
そして、故意に偽っていたとして、審査ではそれを見抜けなかったのかということが問題である。故意に偽っていたなら見つけることはできませんと簡単にいっては困ります。それこそが第三者認証制度への不信感のもとではないですか?
第三者認証の問題が「偽った組織を認証した」ということにしよう。
 それを偽った組織が悪いというのは簡単だ
 だが、それで済むなら第三者認証制度は無用のものだ
その問題の原因は、「偽りを見抜けなかったこと」ではないのか?
公認会計士が、故意に偽っていたので見つけられませんでしたと簡単にはいえません。専門家としての注意義務があり、簡単に社会は会計士のミスを許してはくれません。悪事を見抜けなかったアンダーセンや中央青山などの監査法人が消滅してしまったということをご存じだろうか?
ISO審査員も専門家として、善管注意義務はあり、専門家として当然見つけることのできるレベルのものを見逃しては、見逃した責任を問われます。もちろん認証機関も同じです。
認証停止あるいは認証取り消しをするような事態が生じれば、その認証機関も己の責任を自覚して、社会的に糾弾されなくても自主的に組織解散するくらいの覚悟が必要なのだ。審査員は当然審査員を辞めることだろう。刑事責任を負わないだけよかったというべきではないだろうか?
認証した企業に不祥事が起きると「私たちは迷惑している」なんて語る審査機関の経営者は頭が狂っているのと違いますか?
試験を受けて教えてもらわないところから出題されたからできなかったのは先生が悪いなんていう学生は見込みがない。己の不覚を恥じて頭を叩きがんばらないといけません。
ところで組織が第三者認証制度に対して持っている不信感というのは、この報告書や経産省のガイドラインに書いてあるのとは大いに違う。
組織が審査に感じている問題というのは、
・審査員の礼儀作法、マナーといった社会的常識の欠如
・審査員の規格理解を含めた力量の不足
・審査員の人間性の問題
ということなのである。
そもそも世の中に不祥事を偽っている組織がいかほどあるのか?
大騒ぎして盗人、悪人を探さなくてはならないほど、認証を受けた企業に故意の悪事隠蔽があるなら、いったんリセットをかけて審査をやり直すべきだろう。
そんなことはない!
世の中にレベルが低い企業は多いかもしれない。実際に規格適合でない組織はかなりのパーセンテージあるだろうと思う。しかし故意に偽っている組織は微々たるもの、本当に指折り数える程度ではないのか?
しかし不具合を隠さなくても、法規制の逸脱があっても、それを見つけることができない審査員は多数いることを確信している。
偽られても、隠されても、嗅覚があり、法知識のある、力量のある審査員がいれば、現在の問題なんて起きなかったと私は考えている。その意味でまず審査員の力量がないことが原因である。
しかし、審査とは審査員個人によって行われるものではない。簡単な例をあげれば派遣する審査員を組織に見合った力量を持つ者をアサインすれば良かったのだ。つまり認証機関の力量がないのだ。
そういうなぜなぜを考えれば、こんな問題は簡単じゃないか!
そんなことも究明できずに、経営に寄与する審査ができるのか?
自分ができもせずに、ひとさまの会社に行って、なぜなぜ分析が足りませんなんて語るのは百年早いぞ

ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(09.08.23)
おはようございます。たいがぁです。
前回は報告書の瑕疵について意見を述べさせていただきましたが、今回はこの報告書がもたらす大きな弊害を指摘したいと思います。

@ますます隠蔽が横行する
不祥事の隠蔽というものを考えた場合、最初から「隠蔽」であることはマレではないでしょうか。結果の重大性など考えもせず勝手な判断で結果的に不正な行為をしていた、あるいは法の存在を知らずに結果的に違法行為をしていた。それがある日、それが不正・違法行為であることがわかった。若干の躊躇はあっても普通はここで過ちを認めて改めることでしょう。
しかし、故意ではなく過失であることが立証できない場合は、厳罰(1年間の認証停止)が待っているとなればこのまま黙っていようということになり、その瞬間から「過失」から「隠蔽」に変質してしまいます。
この措置は、登録組織から反省と更正の機会を奪うばかりか、隠蔽体質の蔓延を誘発するものです。

A水戸黄門審査員がまかり通る
審査員と組織は対等(むしろ、組織は購買側なのだから本来は組織の方が立場は上)なはずです。
しかし、厳罰が待っているとなれば「おって、おかみから厳しい仕置きがあるであろう。覚悟いたせ」などと水戸黄門ばりの権威をカサにきた高圧的な審査員が、またまた息を吹き返すことになるのではないでしょうか。
灰皿を投げつける、酒宴や夜の世話を強要する、そんな前時代的な審査員が跋扈するようになってはたまりません。

提案:
認証制度が市場・社会から信頼されるために、消費者や登録組織からの代表を含む第三者からなる検証機関を創設し、次の活動を行う。
1)不祥事を発見できなかった認証機関の是正処置が有効に実施されていることの検証
2)認定機関が行った認証機関の審査結果について、それが妥当であることの検証
3)審査員のマナー及び力量認定が妥当であることの検証

ぶらっくたいがぁ様 毎度ありがとうございます。
反論ではありませんが、疑義があります。
ご提案の内容は認定機関の本来業務です。というかそれが認定機関のレーゾンデートルであるわけです。
ということはこれは認定機関に対する挑戦というか、第3者認証の信頼性そのものへの疑念であり、それこそ鼎の軽重を問う最終戦争の宣戦布告かと・・
いつ怒りの鉢がたいがぁ様めがけて飛んでこないかと心配です
本題ですが、
このガイドラインもどきが出て、審査がどう変わるのか?これは興味があります。
昨年、IAFガイド62/66からISO17021に移行という制度改革があって、審査が厳しくなるのかと予想しておりましたが、予想に反して不適合は9割も減少してしまいました。
このガイドラインがでて審査が厳しくなるのか?といえば、そのようなことはないのではないでしょうか?
そもそも、審査員はいちゃもんをつけることはできても、真に規格適合か否かを判定できるレベルの人は少ないのではないでしょうか?
まあ、それこそ水戸黄門のお言葉をお借りして「もう少し様子を見ましょう」

湾星ファン様からお便りを頂きました(09.08.23)
佐為さま
湾星ファンです。いつもレスが遅くて申し訳ありません。
報告書、読みました。と言っても、あまりに酷い内容なので佐為さまのように、精読はしておりません。第三者審査業界が崩壊して困るのは、認定機関、認証機関の諸氏であり、登録組織には、最後は「やーめた」と言える自由がありますので、報告書作成メンバーに登録組織が含まれていないことは、別に構わないと思います。

けれど、ひと言で言えば、無責任も極まれり、といったところでしょうか。第三者認証制度の社会的信頼性が地に堕ちたのは、不祥事を起こした企業でなく、そのような企業を審査し、認証していた認定機関、認証機関に責任があると考えております。

JFEや神戸製鋼所のような大気、水質データの改ざん、新日鉄の関連会社における製品試験データ捏造など、鉄鋼業界の不祥事、年賀はがきで露見した製紙業界での古紙配合率偽装など、認証機関側からすれば、組織ぐるみの隠蔽工作を外部審査の限られた時間の中で見抜くのは難しいかもしれません。

が、だからと言って、それをスルーして良いことはありません。
カネボウの粉飾決算を見抜けなかった中央青山や、姉歯の耐震偽装を見抜けなかったイーホムズのように、審査業界で生き残るためには、審査結果に対する責任をキチっととることが、社会の信頼を得るためには不可欠です。

今の監査時間不足が不正を見抜けない理由だと主張するのであれば、会計監査のように5人の審査チームが2週間張り付くような審査をしたって構わないハズです。その肝心な部分、不祥事を見抜けなかった認証機関の責任に一切、言及することなく、徒に認証の取り消しや一時停止の基準だけをくだくだ述べても、何も変りませんし、社会の信頼性向上には、全く貢献しないのは明らかです。

環境データ改ざんの不祥事が露見したからと言って、会計監査法人の責任を問う人は居ません。責任範囲外だということが共通認識になっていますから。ま、最近は内部統制の結果責任も問うようルールが変りましたから、これからはわかりません。

同様に、ISO第三者審査の限界、審査対象範囲を明確にして、そこを外れたら、責任持てませんよ、という方向にしないとこの業界は、いつまで経っても信頼されないでしょう。

冒頭ふれたように、組織側は、費用対効果が悪い商品は買わないという選択の自由があります。ISO認証組織数が純減していることが何よりも雄弁にこの事実を物語っています。残念ながら今回の報告書は、第三者認証ビジネスの余寿命を確実に縮めたと言って良いと思います。そして、今回の報告書をまとめた業界のお偉いさんは、後は野となれ山となれで、もうすぐ引退するのでしょうが、今の会社を卒業した後は、審査業界でメシを喰おうと思っている、ISO事務局の方々が最も落胆しているのではないでしょうか。

湾星ファン

湾星ファン様 毎度ありがとうございます。
そうなんですよね、会計事務所が公害の改ざんを見つけなくても社会的糾弾を受けることはない。消防署の立ち入り検査で外為法違反を見つけなくても誰も何も言いません。
なぜ、ISO業界は、談合や下請けいじめがあるとMSの認証を停止することもあると言いだしたのでしょうか?
そうでないと、社会的に信頼性を得られないと勘違いしたのでしょうか?
あるいは、ワレワレハア、会社を良くするのだあ、経営に寄与するのだあと大層偉いと思いあがってしまって、会社の全体を見るのだと思いこんでしまったのでしょうか?
ちょっと考えると、そのようなバカみたいなことを考えずに、まっとうに品質システムとか環境マネジメントシステムをチェックしてくれれば十分なのですがね。
それとも、まっとうな品質システムとか環境マネジメントシステムをチェックができないので、せめて談合などがあれば認証を取り消すことにしたのでしょうか?
謎は尽きません

ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(09.08.29)
@実効を生み出すプロセスの確立・向上という真の意義は捨て置かれ、
A「・・・の証拠が第三者に客観的に示される必要があります」という名目の下、
B「審査員がラクに審査するための文書と記録」を組織に強いて作らせ、
C上っ面の審査でもって実効の裏づけのない空手形のような登録証を発行してきただけで、
D不祥事を見抜く機能などもともとありもしない認証制度の本質は棚に上げ、
E「公平性と透明性」を取り繕うために差しさわりのない情報だけを申し訳程度に公開し、
Fことあれば「プロセスアプローチ」を口にするくせに自らは不祥事発覚というアウトプットを拠り所に無理やり不適合とこじつけて、
Gただ一方的に組織に対して厳罰をもって望むだけ

尻に火がついてからようやく重い腰を上げ、認証業界の重鎮が叡智を結集して1年もかけてできあがった結果がこれですか。
恐れ入りました。
(丸数字の1行ごとに小論文が書けるだけの言いたいことはありますが、紙面の都合で割愛しました)

ぶらっくたいがぁ様 毎度ありがとうございます。
なにか、桃太郎侍のセリフの調子に似ている気がします。
 ひと〜つ、人の世の生き血をすすり、
 ふたつ、不埒な悪行三昧、
 み〜つ醜い浮世の鬼を、退治てくれよう、桃太郎

ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(09.08.30)
実は私も先の落書(らくしょ)のような文章を書いていて桃太郎侍を連想していました。お互いに時代劇世代ですねえ。
ひと〜つ、人の会社のアラ探しに終始しぃ、
ふたつ、不適合という名目で勝手な御託の言いたい三昧、
み〜つ、見る価値もない審査報告書で暴利をむさぼるエセ認証機関を退治てくれよう、桃太郎!






3ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
はじめに

■ 委員会の発足経緯
2008 年 7 月29 日に経済産業省から「マネジメントシステム規格認証制度の信頼性確保のためのガイドライン」(以下、ガイドラインという)が発行されたことに対応するため、


まず信頼性、信頼感というものを、誰が何に対するものかを定義してほしい。(おばQ)


6ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
1. 認証に係る規律の確保
1-1 故意の虚偽説明への対応
(1)検討事項
認証機関は、認証を受けた組織が審査の際に故意に虚偽の説明を行っていたことが判明した場合は、当該組織については、その後一定期間、認証を行わない


c) 故意の虚偽説明: 受審組織が、意図的に認証機関に対して認証登録の判定に重大な影響を与えるような誤った情報を提供すること又は意図的に真実の情報を隠蔽すること
故意の虚偽説明という言葉が大好きのようだ。
過去に発生した不祥事、認証停止、認証取り消しの内容、その原因を公表してほしい。
その結果、虚偽の説明、隠ぺいが大多数を占めているなら、この論理を認めよう。それがなくて「すべてが虚偽による」というなら、まずそれを立証してほしい。立証責任はJABとJACBにある。(おばQ)

6ページ、@のc) ぶらっくたいがぁ様
二重帳簿が見つかったなど明白な場合を除き、故意か故意でないかは、はたして決定できるものなのか?
組織は意図的ではないと弁明し、認証機関は意図的であったと判断した場合、どうなるのか?
認証機関側が意図的と判断した場合、組織側は意図的でないことを立証しなければならないのか?
つまり、疑わしきは罰せずなのか罰するのか?
これは、資料1-1「故意の虚偽説明の調査・確認手順」からも読み取ることができない。



7ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
アクションプランの図(省略)
アクションアイテムを並べて、矢印を引いただけのものをアクションプランというのだろうか?
ISO14001の環境実施計画の要件が規格の本文中にある。
まず、目標は実施可能な場合は測定可能であること、測定可能でなくても判定可能でなければならない。
実施計画は、関連する部門及び階層における、目的及び目標を達成する責任の明示
目的及び目標達成のための手段及び日程
どう考えてもここに掲載されたような矢印だけの図では実施計画の要件を満たすとは思えない。
いや、ここに発表されたJABとJACBの力作にこの図表があるということは、この程度で規格要求は満たしていると理解してよいはずだ。今後、ISO14001の環境実施計画はこのアクションプラン程度の図表でよろしいのだ。(おばQ)



8ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
1-2 重大な法令違反への対応
(1) 検討事項
認証機関は、認証の対象となるMS規格との適合性そのものについては問題が無い場合であっても、重大な法令違反など、社会的に理解が得られない事業活動実績が認められる組織については、認証を保留する等の所要の対応をすること



A しかし、認証範囲の組織や事業が当該企業活動の一部である場合に、不祥事は認証範囲外で、あるいは/及び認証基準であるMS 規格の外で生じたとして、認証活動と無関係であると即断することは不適切である。認証機関は不祥事の内容を評価し、不祥事を起こした原因と同根の要因が認証範囲に関係するMS に存在していない か、注意をしていく必要がある。
この(1)の文章を読むと、その次の行に
「認定機関は、認証の対象となるMS規格との適合性そのものについては問題が無い場合であっても、重大な法令違反など、社会的に理解が得られない事業活動実績が認められる組織を、認証していた認証機関については、認定を保留する等の所要の対応をすること」とあるべきと考えるのだが、いかがなものだろうか?(おばQ)


8ページ、2)のA ぶらっくたいがぁ様
認証機関にそんなことができるはずがない。警察でもない認証機関がどうやって「不祥事を起こした原因」の情報を入手するのか。
そして、どうやって「同根の要因」の有無を調べるのか。そんな能力があるのなら、通常の審査で不祥事の隠蔽を見抜くことができたはずである。


9ページ


10ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
1-3 認証範囲適正化への対応

しかしながら、現状での各認証機関が公表している認証範囲のケース中にはi) 重要な組織活動が認証範囲に正しく含まれているのかわからないii) 重要な組織活動が認証範囲から欠落しているのにもかかわらず、あたかも当該活動あるいは組織全体が認証されているような誤解を社会に与えるリスクがある。


SCOPE を正確に表記するということは適用範囲について、イ).むやみに拡大解釈されない、ロ).内容が混同されない、ハ).一般の消費者・ユーザーの目から見て誤解されない、ニ).不要な解説を要しない、ホ).不祥事の遠因を造らないなどの期待に繋がる。


おっしゃることはもっともなようだ。かってチェリーピックングとかカフェティリア認証という言葉もあった。
だが、仮定の話とか、たとえばの話で議論を進めては困る。
ぜひとも知りたいのだが、このようなことによって起きた不祥事の具体的事例を提示してほしい。
もし具体的証拠がなければ偽証である。(おばQ)


スコープを正確に表記することは重要である。しかし、正確に表記しないことが「不祥事の遠因」となるのだろうか?
拡大表現そのものは不祥事であるかもしれないが、過去報道されたような賞味期限、公害測定データの改ざんなどに関係するのだろうか?良くわからない。(おばQ)



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報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
2. 審査員の質向上と均質化
(2) 議論のまとめ
1) MS 認証機関における認証審査員の質の向上
力量問題は、各MS 認証機関の競争力の基盤である。それぞれの本来的な努力事項であり、自己責任である。このため、共通の取組は難しい面もあるが、審査要員の採用、育成、評価、配置の力量確保のモデルを作成した。
(資料2-1 認証審査員の力量確保モデル)
このモデルに沿って、あらためて、共通的な理解の促進を図り、各機関が審査員の力量の確保を目指す。


非常に関心があるのだが、ここでいう審査員の質とか力量というものは、ISO19011、JRCA、CEARなどで定義しているものと異なるのだろうか?
ぜひとも次のいずれなのか教えてほしい。(おばQ)
 ・現状のJRCAやCEARで定めている力量では不足であった。
 ・JRCAやCEARで定めている力量を持っていない審査員がいた。



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報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
3. 認定・認証に係る情報公開

@ 認定機関は、審査結果として、認証機関の良い点・改善が望まれる点を公開する書式を定め、1 年程度の時間をかけて、認証機関毎に具体的に試行することとし、誤解なくしかも効果的に表現することができることを確認したのち公開することにした。

14ページ、3.(2)の1)の@ ぶらっくたいがぁ様
要するに、「自分らにとって都合の悪い情報や表現が一般に知られないよう細心の注意を払って骨抜きにしてから見せる」という意味にしかとれない。公平性と透明性を身上とする関係機関がナマの報告書を公開できないというのは、どう言い繕っても説明がつかない。
だいたい「その記載内容が一般には分かりにくいものであり」とあるが、それはおかしい。宇宙語で書かれているわけではあるまい。
審査のとき、「社外の人には分かりにくいですから審査用の記録を作りました」と見せられて、それで納得するのか。
ナマの報告書とセットで「認証機関の良い点・改善が望まれる点」を公開すればすむことである。そうすることが、情報操作が入っていない証明にもなるであろう。
(というか、よくもまあこれだけホンネを伏せてもっともらしく見える文章が書けるものだと感心する。見習わなければなるまい)
@ 公開項目については、審査機関協議会の情報公開に関するガイドラインを見直した。(資料3「認証機関の情報公開」参照)
14ページ、3.(2)の2)@ ぶらっくたいがぁ様
社会、市場、そして登録組織が真に知りたいのは、なぜ認証機関は不祥事を見抜くことができなかったのか、そして認証機関自身の是正処置としてどう有効な手立てがとられたかである。
資料3のどこにもそれはない。



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報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
4. 有効性審査の徹底
3) 有効性を審査する認証審査では、
・ マネジメントシステムが規格の意図及び組織の置かれた状況に沿った形で構築され、
・ 期待される結果を実現できるように運用されているか
を、評価しなければならない。
16ページ(2) 3) しょうちゃん様
これって審査基準ですよね? 期待される結果が得られなかったら不適合になるんですか (-_-;
そもそもここで言う有効性の定義はISO9000の『計画した活動が実施され、計画した結果が達成された程度』としても良いのでしょうか?
そこのところすら明確にせず、机上の空論を振り回しているだけのように感じました。

そもそも委員会に登録組織の代表を入れずに、上からの目線でまともな結論が出ると思っているのでしょうか?
登録組織を置き去りにして、第三者認証制度は何処へ行くんでしょう。



17ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
下記を各機関で行う。実施手段、スケジュール等は各機関の判断による;
− 審査員及び要員:「有効性審査」に対する適切な理解を確実にする。
− 認証顧客および潜在的な顧客:「有効性審査」への適切な理解を促す。
−「有効性審査」を実現するための手法を、必要があれば開発する。
この報告書はアクションプランという名称である。であれば認証機関、認定機関がなにをするのか期待を持って読んでいるのだが・・
実施事項の詳細は下位組織に振るということは、これはアクションプランではなく、単に方向を決めただけのものなのだろうか?(おばQ)


18ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
5. 認証制度の積極的広報
. マネジメントシステムの認証は、「仕組み」に関する適合性を評価するものであり、そこから得られる製品の規格適合を検査するものではないこと、認証・認定の枠組みはISO 規格に基づく国際的なものであることを明確にする。


2) 認定・認証に関する有用なコンテンツの集約とウェブ等による提供. 認定・認証機関、経済産業省等が作成、公開している有用なコンテンツを収集し、主としてそれらへのリンクの形で提供する。
第三者認証の仕組みがそうであことに異議はないが、不祥事があった場合、しかもMSに関わらない問題があっても認証を停止/取り消すということと論理がつながらないように考える。
要するに、やばそうだったら切り捨てろということなのだろうか?(おばQ)

何かすごいことをするようなことに書いてますが・・こんなことやろうとしたら数時間でできます。私なんか手作業で毎日htm書いてます。
なにもアクションプランとか、有能な人たちが寄ってたかって考えることではありません。


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報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
(4) 今後の検討課題とスケジュール
2)国際整合化
2010 年1 月認定機関から発行予定のNote(仮称)2件の実施状態、および他の合意事項の実施結果から、必要な事項に関しては、APG またはAAPG 文書発行の提案、あるいはISO 規格ならびにIAF 基準文書の設定・改訂提案を検討する。

これは本当なのだろうか?
国際ルールとして不祥事の関する取り扱いが決まっていくなら、これはおもしろいというか第三者認証制度の性質が全く大幅に変わるということになる。
今後を注視したい。(おばQ)


23ページ
報告書原文
弊ウェブサイトに寄せられた意見
7. 結び
ガイドライン対応委員、各検討課題に対するメンバー並びに関係者の精力的な活動により、経済産業省ガイドラインの各課題についてアクションプランを立案することができた。

いずれにしても信頼性が高まるかどうかで、この報告書の価値が決定されるでしょう。有効性は組織だけでなく認証機関にも認定機関にも求められる。そして有効でなければ不適合ではないだろうが、無価値である。(おばQ)


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