持ち物の話 2010.01.31

家内が旅行に出かけた。毎度のことというか、家内は毎年数回、旅行に行く。
愛妻である 田舎にいた時から、近所の奥さん連中と、クラブの仲間と、親戚と、あるいは結婚した娘と一緒と、組み合わせは多種多様だが、旅行に出かけるのが家内の趣味である。
日数としては数日から長い時は2週間ということもある。毎年何度も行くわけで、国内はもう全県踏破してしまい、世に知られた名所旧跡にはほとんど行っている。テレビドラマを観ていて、あそこは景色がきれいだったとか、土産物屋がどうだったとか、語るのである。ドラマの筋より、そんなことを楽しんでいるようだ。私が出張に行くと言うと、出張先では何がおいしいからみやげに買ってこいという。私はハイハイということを聞いている。
私は家内が元気に好きなことをするのは見ていて楽しい。安い旅行に行くくらいは稼いでいるつもりだし・・
ということで、現在家内はお出かけ中である。

私は炊事・洗濯はまるでだめな男で、とりあえず死なない程度のことしかしていない。食事は、外食するか会社の帰りにスーパーで弁当を買ってくる。洗濯物は洗濯せずにため込んでおく。洗濯が面倒なこともあるし、なによりも干したところで、毎日帰宅するのは夜で、どうせまた湿っているのは間違いない。
まあ、そんな暮らしである。

夜帰ってきて、明かりを付けると家が広い。いやに広く見える。
家内が出かける前に、「私が旅行中事故で死んだら私の持ち物は全部捨ててね」と言っていった。
そんなことが起きないことを願うが、もし家内の持ちもの、衣類、アクセサリー、その他のガラクタを捨てたら、もう家の中はからになるのではと思った。

翻って、私の持ち物はどのくらいあるのだろうか?
私は物を持っていない方だと思う。
本と言っても大きめの本棚ひとつしかない。もちろん本を読まないわけではなく、毎年百数十冊は読んでいる。しかし1冊買えば1冊捨てるという習慣なので増えない、といういか増やさない。残す本は、あとあと参照・引用する価値があるものだけだ。感動しない本はもちろん、感動した本もすべて廃棄物である。感動した本と残す価値のある本は次元が違う。

衣類はどうかと言えば・・
今住んでいるマンションはウォークインクロゼットがあり、そこに夏物も冬物も合い物も、スーツもジャケットもコートも全部つるしている。吊るせる数しか持たないことにしている。上着でもコートでも、一つ買えば古いのを一つ捨てる。
下着、ハンカチ、くつしたは、幅1尺5寸の引き出し6個の小さなタンスに入っているが、私のものは引き出し3個で間に合い、あとは家内のものが入っている。

勉強机というわけではないが、少し大きめの机があり、デスクトップパソコンと捨てたいと思っているプリンタ、そして持ち歩き用のミニノートがひとつ。それと外付けHDDとFDDがある。
電気製品といってもパソコン以外は、デジカメ、メモリーオーディオだけだ。ヘアドライヤーもなければ、ラジカセもなく、ゲーム機など無縁である。
40インチ液晶テレビは家内専用であり、私は観たことがない。HDDデッキも家内専用。私は欲しい電気製品がない。

その他の持ち物といえば、通勤用のバッグと出張用のバッグ、スーツケースが一個。もっともそのスーツケースは現在家内が使用中である。

趣味の品というのは・・・
20年も前、囲碁に狂っていた時の記念品というか、当時使っていた厚さ2寸の碁盤と碁石と碁笥があるが・・もうここ何年も触ったことがない。
その他の記念品としては、卒業証書、学位記、囲碁免状などがあるが、あまり執着はない。卒業証明書がなくなっても必要なときには学校が発行してくれる。囲碁免状はあってもなくても強ければよし、弱ければ笑い者だ。

玄関にある私の靴は、通勤用3足、スニーカー1足、チョットそこまでというときのサンダル1足、それが私の履物のすべてである。
雨傘は毎日の通勤のバッグに入っている折畳傘だけ。

外を見ても、車もなければ自転車もない。車がないから車の工具もスペアタイヤもないしジャッキもない。
家内はいくつかの鉢植えをベランダに置いているが、私は盆栽もなければ草花の植木鉢もない。
ホーンとに何も持っていない。

家内は小物が好きで、テレビの上にもキッチンのカウンターにも、ちいさな金魚・イルカ・熊、その他キャラクター人形などがたくさん並んでいる。
私はそういう物を持っていない。昔のこと、当時働いていた職場の大先輩が定年退職するとき、愛用していたマイクロメーターを記念品にもらっていったことがある。今になると私もマイクロメーターでも記念にもらっていればよかったかという気にもなるが、どのみちあとで捨てることになるのではないかと思う。
マイクロメーターならともかく、オシロスコープとかストロボスコープなんてもらってきたら置き場に困る。まさか床の間にも置けまいし・・

そんなものを除くと、家中探しても私のビロンギングというのは、カミソリ、歯ブラシくらいしかない。
もう他には なーんもなし。そして欲しいものがない。

もちろん暮らしていくには、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、オーブン、それに食器もひとそろいは欲しい。まあそれは別として・・
もっとも私は愛用の食器とかコーヒーカップもない。15年も前、タイでISO9002認証支援した時、認証した記念にその会社名と認証機関のロゴ入りのコーヒーカップをもらったが、引越しの時、家内は「これはいらないわ!」といって捨ててしまった。

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実を言って酒類はかなり備蓄している。
しかしYosh師匠の影響ではないが最近は飲まないようにしている。私は酒は大好きで飲むほうだと思うが、健康のためではないが、太らないようになるべく飲まないことにしている。
でもついつい飲みすぎる。お正月には飲んで食べてあっという間に3キロくらい太ってしまった。お正月に限らず家内は夕飯の時、飲め飲めと勧める。これが実に危険で、つい言われるままに一升瓶を置いてコップで飲んでいると4合くらいいってしまう。太るのは簡単だが、元に戻すのは大変だ。

暮らしていくのに必要なものは少ない。
家財道具なんてくだらないとは言わないが、生活に必要なものというのは本当に少ないのだ。
どの家庭でもたくさんの家財道具があるが、実際には使うことなく、狭い空間をただふさいでいるだけではないのだろうか?
犬が靴を集めてきて犬小屋にたくさんためこんだりするが、犬が靴を履くわけでもなく食べるわけにもいかない。あれと同じように思う。

久しぶりの休みだが、目が覚める時間は出勤する日と同じ。
午前中することもなくパジャマでごろごろして頭に浮かんだ妄想である。



KY様からお便りを頂きました(10.02.09)
暮らしていくのに必要なもの
一般庶民なら生きていくうえで最小限のスペースの家と家財道具で事足りますが、政治家、しかも政権与党の幹事長クラスともなると、4億もの「タンス預金」をしまうスペースがいるんですね(棒読み)。

KY様 毎度ありがとうございます。
4億のタンス預金となりますと、預金というよりタンス銀行かと・・
大きさはどのくらいになるのでしょうか?
1万円札のサイズは 7.6センチかける16センチ、厚さは0.1ミリです。
100万円の札束が400個ですから並べると縦に15列、横に7列として縦が114センチ、横が112センチ、高さが40センチの座布団サイズでしょうか?
ちょっと大きめですが、座りごごちは・・・そりゃいいでしょうねえ
10000

日本銀行券
★★壱萬円

★★DE6289000

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