本棚を買った 2010.04.04

おととい、二つ目の本棚を買った。感激である。別に特別製とか豪華な本棚というわけではない。幅3尺、高さ6尺奥行き1尺という、かざりもそっけもない木製でスタンダードなどこでも見かける普通の本棚だ。なぜそんな本棚を買って感激したかを述べる。

私は本を読むがほとんどを捨ててしまう。なぜかと言えば、置く場所がないからだ。高校時代は本を買う金もなかったが、社会に出れば読みたい本を買うくらいはできるようになる。それ以来、手当たり次第に読んできたといってもいいだろう。しかしそうなると困ることがある。本の置き場所だ。25歳で結婚してから、数年おきに持っている本の棚卸しをして、不要な本、読まない本を捨ててきた。
そんなことを前にも書いた

結婚して二度目くらいの引っ越しのとき、高校の教科書も捨てた。これにはだいぶ迷った。普通の人が高校の教科書に持つ思いとはちょっと違う。私は工業高校だったので数学や英語など一般的な科目を除くと設計製図や機械材料といった科目であり、高校の教科書は専門書とはいえないが手ごろな入門書であり、捨てるのは忍びなかった。迷ったが置く場所がないから結局捨てた。
小説なんかは読むとすぐ捨てた。1970年代は貸本屋が消滅し、図書館を使うには休みの日も夜も仕事で行く暇がなく、中古本のアマゾンなど当時はなく、新品を買っては捨てた。
もっとも保存していても繰り返して読んだとも思えないし、私は記憶力が良いので(還暦を過ぎた今となっては既に過去形ではある)特に捨てて困ったか、しまったと思ったことはない。
でもハヤカワのSFやミステリーは残しておけばと今でも悔やむことは多い。むしろ私は記憶力が良いから、あの本をもう一度読みたいと思うことは多い。
70年代の本となると古本として流通しておらず、アマゾンでも手に入らない。

じゃあ、本棚を買えばいいじゃないかと言われそうだ。本棚を置く場所がないから買えない。
結婚した時は6畳二間の収納もない安普請の狭い長屋であった。結婚前は家内と二人でテーブルと椅子で朝食をとる光景を思い描いたがとてもそんなスペースはなく、こたつで朝飯、夕飯を食べた。色気のないことはなはだしい。

その後、引越しにつぐ引越しで、家内が結婚の時もってきたタンスも姿見も運ぶたびに傷つき壊れていった。そして引越しのたびに引越し先に持っていかない本を捨てた。
リストラである 今なら仕分けというのか 
20年ほど前、田舎に住んでいた時に子供も大きくなって築15年の中古ではあったが念願の1戸建てを買った。とはいえ息子と娘に一部屋づつ与えると家内と私は残った6畳間に寝ることになり、本棚どころではなかった。
息子が高校の時、息子のマンガ本があふれ家内が私の本棚に息子のマンガ本を並べたのにはゲッソリした。

都会に来て8年、これまた引越しに次ぐ引っ越しで本どころか衣類も家具も置くところがない。60m2のマンションに家族4人が住んでいたこともある。
以前は、私がマンションと書くとYosh師匠が「それはマンションではない、コンドとかフラットというんだ」と突っ込んできたが、我が家に来て以来、日本人の住環境を知って私をいじめなくなったようだ。
2年前に現在のマンションを買ったとき、思い切って少し大きめ・・といっても先ほどの幅90センチ、高さ180センチの本棚を買った。そして結婚してからそれまで35年使ってきたスチールの本棚を捨てた。新しい本棚はスチールの本棚の5割増しの容量はあるようだった。そしてに、専門書、法律関係、その他残す価値があると思って持っていた本を並べた。その時点で持っていた本は何とか収まった。

しかし本は毎月買いどんどんと増えていく。一度読んで分かったとか、価値がないと判断した本は都度捨てるが、やはり置いておきたい本はある。だから増えていく。そして入りきれなくなった本が床に積まれ標高30センチ、50センチと高くなってきた。更に孤高の山は連峰を形成していく・・
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ISO規格の月刊誌アイソスだって一年でA4サイズで10センチになる。JRCAやCEARの機関誌は季刊ではあるが、それだって増える一方だ。
私が本に載るなんてことはめったにないので、私の投稿が載ったアイソス誌は絶対に死ぬまで大事にするつもりだ。

先月、夕飯のときに家内に本棚が欲しいというと買えという。善は急げとすぐさまネットで今の物と同じものを注文した。そしておととい配達されたというわけだ。

休みの今日、部屋のリレイアウトをして本棚をあるべきところにおいた。そして本を並べ替えをした。余裕があるのでカテゴリーごとに置くことができる。
ISO関係はここ、環境問題はここ、経営関係はここと・・
最古参は結婚した時に買った広辞苑である。電子辞書の時代であるし、年に何度も使わない。捨てようか、捨てようかと思いながら捨てずにいる。
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モップで一冊づつほこりを拭いて並べ替える。実際にはサッサといくわけではない。
本を手にすれば中を開いて見る。そうしますとモップを置いて、読み始めると読むのが止められない。大した数はないものの、そんなことをしていると昼前から夕方までかかった。
楽しい一日だった。

本日の懸念
まもなく二つ目の本棚も満杯になるのは間違いない。
でもそのうち目が見えなくなって本も読めなくなるだろうから心配することもないだろう。


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