環境保護を進めよう 2 2010.06.13

家内は旅行が好きだ。といっても高級なバリューツアーなどに参加できるほど我が家にはお金がないので安いバス旅行などが多い。新聞のオリコミ広告に載っている1泊二日で1万円ちょっとなんてやつです。甲斐性のない夫でまことに申し訳ない。
家内である まあ安くても現地に行くことは事実であり、家内は日本全国津々浦々に観光に行っている。沖縄から北海道まで、都会から離島まで、名所旧跡のほとんどに行っている。
干潮時、牛が引く車で島から島に渡る絵を見たことがあるでしょう? 私がすごいねえというと、あの距離はとても短いのよ、牛車が何台も行くので混雑した道路のようだとかいう。
桂浜の坂本竜馬の像も見ているし、長崎の竜馬の写真も見ている。ひょっとすると生きている竜馬に会っているかもしれない。
食べ物も、札幌のラーメンはどうだとか、福岡の麺がどうとか、正宗の麺は固いとか何でも知っている。テレビドラマで飛び降り自殺の場面で東尋坊が出てくると、あそこはねえ〜と始まる。
伊達正宗は片目だったので、正宗とは固めの意味だという。それを聞いたときは笑いが停まらなかった。
観光地ばかりではない、尾瀬にはもう両手は行ったのではなかろうか? 登り口も福島県、群馬県と何箇所からも入っている。そして水芭蕉とかニッコウキスゲのかれんさではなく、蠅のすごさ、トイレの汚さを生き生きと語る。そういうのを聞くと私は尾瀬には行きたくない。
私も10年前までは福島県人であり、尾瀬には日帰りどころは半日行程で何度か行っている。朝の4時頃バイクに乗り、ただひたすらに走り、林道をひたすら歩き、尾瀬沼に手を入れて、またひたすら走って昼飯を家で食うなんてのは何度もした。意味のないことであった。  

家内は広大な大自然が好きでショッピングとか人工的なアミューズメントは好きではない。特にお好みは滝である。 滝は多岐にわたりなんてダジャレではないが、高い滝、幅の広い滝、その他なんでも好きだ。華厳の滝はまあ定番だろうが、袋田の滝、秋保大滝、三階の滝、銚子ケ滝、その他もろもろ
最近は日本全国行き尽くしたようで、海外に目を向けている。家内と私が行く海外旅行なんていえばグアムとかハワイがせいぜいだが、グアムではもちろんタロフォフォの滝に行って横井洞穴も見てきた。ハワイでは逆流する滝を見たことがある。逆流する滝なんて大げさな言い方で単に風で吹きあげられているだけなんですけどね・・
滝を見にナイアガラにも行っている。お疲れ様である。
今家内が狙っているのはイグアスの滝だ。
ちなみにエンジェルの滝は興味がないらしい。なぜかは家内でないから分からない。
ちょっと前、キムタクがカップラーメンの宣伝でイグアスの滝で食べているのを見て、行きたい行きたいという。イグアスはちょっと遠いしお値段も高い。ナイアガラとはちょっとというか大幅に値段が違う。
ところが最近、イグアスの滝に興味を失ったようなことを言う。どうしたのかと聞くと、ほとんどの映像は滝の姿を映しているが、どこかのテレビ局の特集で展望台側が映ったそうだが、そこにはもう何百人という観光客がいたという。家内はそれを見てかなりがっかりしたらしい。
人っ子一人とは言わないまでも、秘境にある滝をごうごうという音を聞きながら眺めるというのが家内の好みらしい。イグアスの滝に持っていたイメージというか先入観を覆されて非常に残念だったようだ。

私の文章を読んでいるお方は次に何が来るのか・・分かっちゃったでしょう?
そうです、今までのは前振りです。そしてこれから本文なのですが、本文はあっと言うほど短く、一発芸ってのが多いんですよ。でもまあ行ってみましょう。

私はめったにというか、まず目的を持ってテレビを観ることはない。たまたま目に入るとか病院やどこかの待合室でなんということもなく観る程度だ。本日は休日で家で家内とお茶を飲んでバカ話をしていたら家内がニュースの時間だわとテレビをつけた。まだ時刻になっておらず、テレビは尾瀬の風景を映し出した。ニッコウキスゲや水芭蕉がかれんというにはおぞましいほど湿原一面にたくさんの花を咲かせている。
「実際に行くと、花はパラパラしかないのよね、写真に写すとどうして密集しているように見えるのかしら」と家内が言う。
子供の頃、クローバーの花で草原が真っ白になっているが近づくと花がパラパラなのが不思議でならなかった。今でもだが・・
そして湿原の木道を大勢の人がありの行列のように歩いている。雨が降っているようでビニールカッパを着たり傘をさしたりしている。今は交通機関も便利になり、尾瀬沼までの道路も良くなったので革靴でも行けるようになった。まさに観光地である。
歌の文句のようにはるかなところではない。後楽園のドームに行くか浅草にお参りするような感じで尾瀬に行けるのだ。
ああ、これじゃあ尾瀬も汚染されるのは当然だよなと私は思った。
今年は生物多様性のCOP10が日本で開催されるという。生物多様性というのがいかなるものか小学生並みの私には理解できないが、きっとすばらしいものなのだろう。
しかし生物多様性を守ろうというなら、まず自然を大事にすることだ。
自然に親しむよりも、自然に触れないほうが自然を大事にするのではないだろうか?
尾瀬に行って水芭蕉を見て感動することも情操教育に良いかもしれないが、あなたのフットプリントが尾瀬の湿原を台無しにする方が悪影響だと思う。

../foot.gif ../footr.gif ../foot.gif ../footr.gif ../foot.gif
最近はカーボンフットプリントとかエコロジカルフットプリントという表現がよくつかわれるが、それよりも現実のフットプリント(足跡)の影響が直接的でかつダメージがあると思う。

家内がイグアスの滝の大勢の観光客を見て行く気がそがれたようだが、私は家内が行かない方が良いと思う。私たちが行って現地を汚染し、行き帰りの飛行機で二酸化炭素を発生させ、お金を使うのは良くないことだと思う。
日本人は1年間の生活で2トンの二酸化炭素を出しているそうです。南米まで飛行機で往復すると飛行機の出す二酸化炭素は乗客一人当たり5トンくらいになるそうです。
../foot.gif
本日のまとめ
環境保護を唱える人は自然を大事にするので、観光地や名所に行きません。
生物多様性を維持するために、自然に触れてもいけません。


ひとりごとの目次にもどる