JQA環境報告書 10.01.23

jqa.jpg 時間があれば、ネットを歩きまわるのが私の楽しみ。なにしろお金もかからず電車賃もかからない。それに玄関から外に出かけないから事故に会う心配もない。
ネットをながめてマスコミが報道しないニュースとか、報道の矛盾を見つけてはほくそ笑んでいる。
愚かなジジイと笑ってください。
そんなことをしていて昨年末にJQA(日本品質保証機構)が環境レポートを出していることを知った。2回目だそうだ。私の知る限りISO認証機関が環境報告書を出しているところは他には知らない。
JABをはじめJACBも環境報告書は発行していない。認証機関はJICQA、日科技連、日本能率協会、LRQA、DNV、JACO、ペリージョンソン、BVについては調べたが発行していない。

JQAってところは環境報告書の検証作業も行っているのだから、さぞかしすばらしい環境報告書だろうと期待が膨らみます。
では本日はJQA環境報告書2009の読書感想文です。

主要業務

ISO14001審査業務が2008年度の売り上げが34億3千万円とある。JQAのISO14001の審査登録件数は4941件(2010/1/20時点)まあ1年間で登録件数に大幅な変動はないとして、1件69万4千円となる。2・3年前は1件100万という数字が経産省やその他で使われていた。1年ほど前から1件70万に下がったという話を聞いてはいたが、やはり審査の単価は相当低下しているようだ。
ちょっと待てよ、審査の単価はかなりの秘密事項だろう。そうすると、こういった数字を出したくないために他の認証機関は環境報告書を出さないのだろうか?
環境報告書に売り上げなどを記載する必要があるのか?とお考えの方もいらっしゃるだろう。実は環境報告書は好き勝手に編集すれば良いというものではなく、ガイドラインというものがある。ガイドラインも各種団体が出しているので複数あるが、環境省のガイドラインも含めて環境負荷は売上あたりなどで表記すべきなどとあり、結果として売上金額を記載することになりそうだ。
もちろん審査以外の事業をしている機関もあるだろうから、その内訳は出さなくても良いかもしれないが、事業ごとの環境負荷を示さなくては情報開示が不十分といわれかねない。
ちなみに2008年度版では売上金額などが明示されていない。やはりマズイと考えて2009年度版には掲載したのだろうと推察する。

理事長メッセージ

いやエライサンのお言葉を論評することはできません。ありがたく承りましょう。
しかしちょっと気になることが・・

当機構においては、2002年度からISO14001環境マネジメントシステムに基づき環境保全に取り組んでいます。
(゚Д゚) ハア??
ISO14001規格はシステムに要件を定めているのであって、それに基づいて環境保全に取り組みことができるのだろうか?
ISO14001を満たした環境マネジメントシステムを構築して環境保全に取り組んでいます。
なら分かるのですけど・・冒頭からこれではJQAのISO規格の理解は大丈夫かといささか心配です。

環境方針

環境方針を拝読して感じたことが多々あります。
環境方針のタイトルが「JQA環境方針」となっています。もう4・5年前でしょうか? 私が指導した会社の環境方針がアルファベットの略称でした。つまり「ABC社は何々に努めます」と書いていたわけです。ISO審査で「正式な会社名を書かないのはまずい」との仰せで不適合になりました。早速私はその認証機関の管理者に「なぜだめなんですか?」と問い合わせました。すると「正式社名でなければ社外の方が会社を取り違える恐れがあるからだめです」とのことでした。
m9(^Д^)プギャー
それはJQAではありませんでした。JQAさんはそんなアホを語らないはずです。
だって自社の環境方針と同じなら文句言うはずがありません。

「継続的改善」という文言も「汚染の予防」も「枠組み」もありません。
昨年も一昨年も指導した会社の審査で、某認証機関の審査員が言いました。「継続的改善と、汚染の言葉がないので不適合です」
いやあ、困りました。どうすれば良いのでしょうか?
結論から言えば、私はその認証機関に文句を言ってOKしてもらいました。だってみなさんもそう思うでしょう?
しかしJQAの方針の最後が
「本方針を全員に周知徹底するとともに広く一般に公開します」 ときたもんだ。
これはJQAは一般に公開するという文言がないと不適合にするのかしら?
私が指導した会社でJQAで審査を受けたところもありますが、確か一般に公開するという文言があったような気がします。

環境方針のポスターも作っています。
アンコールワットの絵です。JQAはアンコールワット遺跡を管理するアプサラ機構の審査を行っているそうです。そこからアンコールワットの絵をポスターに使っているとのこと。
ところでボケの始まった頭に浮かんだことですが、アンコールワットって自然を破壊して建設されたのではないのかしら?
アンコールワットが風化していくことは、自然回復ではないのかしら?
アンコールワットを保存修復することは自然破壊ではないのかしら?
ご存じの方、教えてください。
私、アンコールワットには行ったことがありません。しかしタイのアユタヤには10回以上は行きました。
アユタヤって15世紀頃のタイの首都で今は廃墟です。行くたびに、くずれたレンガの上で寺院や街並みの遺跡を眺めながら缶ビールを飲んで昔の栄枯を偲びました。
滅びゆくのもいいものですよ、無理に保存しようとしなくても良いです。

環境目的・目標

JQAは大組織ですから、部門ごとに多様な環境目的・目標を設定して活動しています。
しかし気になることが多々あります。
どうも目的も目標も定性的なんです。
目的及び目標は、実施できる場合には測定可能であること。(ISO14001 4.3.3)
どうも測定可能じゃないようです。いや測定って数字という意味ではないのですが、具体的でもなく、合否判断がつかないものが多いのですよ。
・事業を通じて環境に貢献すること
・環境教育を充実させ、継続的に実施する
・環境保全活動に参加する

はたしてどうであれば目標達成で、どうであれば未達なのでしょうか?

それと環境目的というのは改善活動だと思っておりましたが、改善ではなく維持管理というものもあるようです。
・廃棄物:適正な一時保管、適正処理、委託契約の締結、マニフェスト管理
単に法律の定めそのものです。要するに法律を守るってことかしら?

こんなものもあります。
・JQAフォーラムを活用してセミナーを実施し、ISO14001の普及、啓発につなげるために20回開催する。
管理指標が手段で良いのか? 成果であるべきか? というのは悩ましい問題です。でもJQAさんは手段を管理指標としてもOKすることは間違いありません。

そして評価も、○、×、△で、あいまいというか漠然としています。普通のISO審査では即不適合といわれそうな感じですが、JQAで審査を受ければその程度で問題になることはないでしょう 

ところで資源の有効活用という項目がありました。
紙の使用量削減を取り上げています。どこでも見かけるテーマですね 
考えてみると、JQAという組織の成果物、アウトプットは紙かもしれません。では紙を減らすというのは生産性を落とすことかしら・・なんてアホみたいなことを考えたりして

事業所での環境保全への取り組み

PCB届け出
PCBの廃棄物の保管状況届け出を行っているそうです。まあ、当然です。誰が?
JQAさんでは特別管理産業廃棄物管理責任者が行っているそうです。
(゚Д゚) ハア??
法で定める様式には届け出は「法人にあっては、名称及び代表者の氏名」が行うこととあります。そりゃ特管産廃管理責任者が書面を書いても、市役所に持って行っても良いのですが、法的には届け出る人は代表者です。このあたりはどうなんでしょうか? まあJQAさんがやることに間違いはないのでしょう。

環境活動の基盤

JQA全体の環境保全の取り組みについて規定した環境マニュアル及び各種手順書に基づき
手順書はともかくなんで環境マニュアルに基づくのかイマイチわかりません。JQAには環境マニュアルのない時代は環境管理の手順書はなかったのでしょうか?
私は環境マニュアルって認証機関への提出文書と思っていましたが、JQAさんはやはり文書体系のハイラルキーの最高位にあるものとの認識なのでしょうか?
これは危ない解釈だな 

マネジメントレビュー

JQAさんではマネジメントレビューは年に1回だそうです。
そうか、マネジメントレビューってセレモニーなんだ・・・
そう言えば、昔を思い出しました。
90年代半ばに私が勤めていた会社で、監査報告書や各種報告に工場長が決裁したのをマネジメントレビューの記録にしていました。
それを見て、JQAの審査員は誰もいつでも、「毎年1回、マネジメントレビューをして議事録を残すようにしてください」って言ってたなあ〜
さすがに不適合にはしなかったけど・・
激動の現代・・いやシーザーの時代であっても、そんな悠長なことでは競争に負けることは間違いありません。
昨日はどうだったか?なんてのは役に立たないのです。
今どうなのか? 今何をすべきか? を論じずして何がマネジメントレビューでしょう!

環境に関する規制の順守状況・環境事故の発生状況

ほんのちいさな事故はあったそうです。それはやむを得ないと思います。
しかしその是正処置が
消防署に対して経過と今後の対策の報告を行うとともに、職員に対して試薬の取扱について再教育を実施した。
(゚Д゚) ハア??
ISOでは教育は是正処置としては認めなかったような気が・・・
それに・・再教育・・同じことを教育しても?

CSR関連情報

ちょっと気になったこと
JQAの人員の合計は888名だそうです。
そして管理者の人員は488名だそうです。
ほう! 管理者と管理される人の比は1対1か?
一人が一人を管理する?
(゚Д゚) ハア??
いかなる組織なのか、よくわかりません。
ちなみに管理というものはテイラーの時代から研究されてきました。管理できる範囲をスパンオブコントロールと言います。
単純作業の場合、一人の監督者は30名ないし50名を管理できるといわれています。軍隊で歩兵一個小隊が50名というのはよく知られています。現場のラインでも班長とか職長と呼ばれる人は、1ラインの30名くらい監督するのが普通です。そしてそれ以上になると、目が届かなくなり管理不備を起こします。
複雑な業務においては指揮できるのは1名ないし2名になる。そこから戦闘機の小隊は2機ないし3機となります。但しこの場合は隊長は指揮だけでなくプレイングマネージャーでもあります。
JQAの場合は??

本日のまとめ

全体として環境側面の把握が弱いのではないかという気がしました。
まあ、別に私がJQAを審査するわけでもありませんので気にしないことにしましょう。

本日の言い訳
私がJQAの環境報告書をけなしていると思われた方、そうではありません。
認証機関として、いや大企業として社会的責任を果たしているということは立派なことです。なにしろ環境報告書の検証をしますと言いながら、環境報告書を出していない認証機関がたくさんあるのですから。
おっと、JQAさんだって、現状でいいわけではありません。次回はもっと改善しましょう。


名古屋鶏様からお便りを頂きました(10.01.24)
名古屋鶏です。
JQA環境方針
佐為様 まいどです。
「継続的改善」という文言も「汚染の予防」も「枠組み」もありません。
JQAの「環境方針」には、「環境マネジメントシステムの継続的な改善と、環境の保全及び汚染の予防に努めます」

とあるようですが?
それにしても不思議なのは、どうして最初の「理事長メッセージ」を環境方針としなかったんでしょうね。そっちの方が遥かにマシなのに。
どうして、わざわざプアな方を・・・
これがISO規格に基づく業務ってヤツでしょうかね?

名古屋鶏お代官様 お許しください
家には年老いたかかあがいるんですわ〜
いや、大変申し訳ありません。原因は私の不徳の致すところです。
しかし、そうであればJQAは、「継続的改善」と「汚染の予防」がないと不適合にするかもしれない!?
誉めて損した。




JQA CSR報告書 2019
19.12.22
JQAは過去より毎年CSR報告書を出している。日本にはJAB認定の認証機関が40社もあるのに、CSR報告書とか環境レポートを出しているところはJQAだけだ

注: JAB認定の認証機関39社すべてのウェブサイトを全文検索でサルベージした。
その結果、認証機関で環境報告書/CSR報告書を発行しているのはJQAだけだった。
JQA以外で環境報告書類を発行していると記載しているのはDNVのみ。但し日本語版ではなく本部のCSR報告書だけで、しかも2017年が最新版であった。

とはいえ他の認証機関を責めるつもりはない。大手数社を除く認証機関の規模は小さく、認証事業の環境負荷などほとんどない。CSR報告書や環境レポートを出すための工数や環境負荷の方が大きくなってしまうかもしれない。
あれ、待てよ、エコアクション21はISO14001ではハードルが高いと考えている中小企業が認証を受けているが、あれって環境報告書発行が必須なんだよね。すると環境報告書を作るということはそんな手間ではないのかしら?

ところで自社がCSR/環境報告書を出していない認証機関が、ひと様のCSR/環境報告書の検証ができるのだろうかという疑問がありませんか? もちろん「名選手名監督にあらず」ですし、その逆に選手時代記録を残さなかった名監督、名コーチはいます。とりあえず自分が作らず他人のCSR/環境報告書を評価できるのかというツッコミはしないでおきましょう。
おっと、それは自社がCSR/環境報告書を出していれば、ひと様のものを評価できるわけではないのと論理的には同じです。

JQA CSR報告書 ということで毎年私は認証機関唯一であるJQAのCSR報告書を見ている。
今年も11月に出たのでプリントアウトして電車の中とか人と会う約束の待ち時間で読んだ。座って読むよりそういうほうが、こまかいところに気が付くようだ。
以前から感じていることだが、JQAの報告書は数字による定量的な記述が少なく、言葉だけで定性的な感じだ。数少ない数字にもおかしいなというのが多々ある。
以前、JQAの環境報告書を論評してからちょうど10年が経過した。10年目を記念して今年はちょっとコメントしようと思い、気がついたことを書く。
お前は10年もくだらないことを書いてきたのかとは言わないでほしい。そして正確に言えば、10年ではなく19年になるのだ。

  1. 使用エネルギーを目標原油換算1500kl以下に対して、実績1399kl達成
    すごい成果だ 目標を7%も超えたということは尋常ではない。工場でエネルギー管理に携わった者ならそのすごさがわかる。どんな高度な手法を開発したのか、それとも新設備を導入したのだろう?
    この目標と結果を見れば、JQAさんはISO審査などをせずに、省エネ技術や省エネ手法の教育指導に当たるほうが、日本産業のためにはるかに貢献すると思うのは私だけではないでしょう。経産省、省エネセンターはJQAに協力を指導を乞わねばなりません。
    小泉環境大臣 JQAの省エネ手法を広めれば、来年のCOP(国連気候変動枠組条約 締約国会議)では日本はヒーロー間違いありません。
    小泉大臣、安心してください。欧州諸国を化石国と呼んであげましょう。
    おっと小泉さんが来年も大臣をしているかどうかのほうが心配です。

    しかし2019年だけではわからない。過去のJQAのCSR報告書からエネルギー実績の数字を拾って表にすると、次のようになる。

    年度201320142015201620172018
    原油換算
    (kl)
    計画150015001500150015001500
    実績134313291427142213941399

    上の表を見れば、2018年目標が1500klとはおかしいと思いませんか?
    毎年々々、前年度より大甘の120%達成可能な目標を立てて、何もせずに当然ながら達成し、オレスゲーとドヤ顔しているとしか思えない。
    JQAはこのような間違いなく目標を達成する計画策定を推奨しているのでしょうか?
    でもこれじゃ見かけの目標は達成しても、本来の目的は果たせませんよね?
    本来の目的ってなんだと言われるようじゃ困りますが
    SDGs持続可能ですよね(ISO14001序文)
    JQAでは違うのかな?

    いやエネルギー使用量の絶対値は目安で、事業収入当たりの原単位が真の目標なんだとおっしゃるかもしれません。報告書にはそうは書いてありませんが、まあ、そうだとして……確かに半導体のように売上高が乱高下する場合は、エネルギー原単位を使うという理屈もありました。
    JQAの場合そういう理屈を使わないとならない製品orサービスなのかどうなのか? 過去7年間でJQAの事業収入は4%増加し、原油換算エネルギー使用量は2%減でした。これは通常の企業に比べて変動はきわめて小さいと思います。
    それに2018年度は2017年度に比べて原油換算で増加していて達成マーク 🌞がついてます。いや過去にも原油換算では悪化していてもお日様マークの年があります(2015年)。判断基準がわかりません。
    幸いなことにJQAは過去からの環境報告書をウェブにアップしてくれているので、推移を調べるのが簡単です。

    表から見るにつけ、1500という数字は目標ではなく、管理限界のようである。つまり排水基準とか寸法公差最大で、これに近づいたら手を打つ、オーバーしたらライン停止という性質ではないのだろうか?
    目標値とは達成することに意味があるわけであり、管理限界は異常事態にならないために是正を始動するポイントであるはずです。JQAは単に第二種エネルギー管理指定工場等に該当しないことが目的なんでしょうか?

  2. 事業を通じた環境貢献 目標ISO14001認証拡大
    認証拡大が売上拡大とは思えないから、件数増加と解する。しかし結果には数字の記載はなく、達成度100%以上の🌞マークがついている。
    実際のJQAのISO14001認証件数は、2017年が3457件、2018年は3406件くらいだった。但し年度といっても、比較した日時はわからない。時期によって多少の数値の違いはあるが、どの時点をとっても前年比で「認証拡大」ではなく「認証縮小」である。
    JAB認定のISO14001は2017年度から2018年度では694件減少(4.0%減)だから、JQAの51件減(1.5%減)は業界規模の縮小に比べて軽微であったので目標達成と判断したのだろうか?

    いやその前に、ISO14001規格の「(目標は実行可能な場合)測定可能である」「実施方法」「結果の評価方法」の規格要求を満たしているとは思えない。
    JQAは認証審査においてこのようなあいまいな目標設定であっても、また目的を達成していないと思われる場合でも「適合」判定をするのだろうか?

    いやいや、そもそも目標が「登録組織の環境活動向上」で、その取り組みが「ISO14001認証の拡大」では初めからつじつまが合わない。 わけわからん 既にJQAでISO14001を認証している組織の環境活動を向上させるのにISO認証させるとは、いったいどういう意味なのか?
    目標が「登録組織の環境活動向上」であるなら取り組みは更なる「ISO14001認証の拡大」ではなく、例えば「登録組織の環境活動の質的向上」とでもしないと論理がおかしい。

  3. 記載事項が定性的である
    そのほか、多くの報告事項が定性的で、数字で実施成果や改善を示していない。GRIガイドラインとか環境省の環境報告ガイドラインはお読みになっていますかと言っては失礼でしょうか?

  4. 内部環境監査
    疑問がある
    上記1項目の目標設定であるが、JQAがエネルギー管理指定工場等に非該当であるとはいえ、努力義務があるのではないか? またISO14001から言っても適合とはいいがたい。ましてや環境配慮を目標とするISO14001の認証をビジネスにしている認証機関としては不適切そのものだ。
    ウイスキー カテゴリーの区分はわからないが、たぶんAが重大でBが軽微なのだろう。しかしカテゴリーAの不適合はゼロであった。
    省エネの目標設定が不適合かどうかは記載していないが、カテゴリーAではないのはあきらかだ。しかしこれをカテゴリーAにしないのはおかしい。なにしろ是正せずに10年だよ。シーバスリーガルの12年物はうれしいが、是正せずの10年物はうれしくない。

    2項目の取り組みは「ISO14001 6.2.2 環境目標を達成するための取り組み計画の策定」においてa)実施事項が見合っていないこと、e)結果の評価方法が不明確である。
    これもまたカテゴリーAだと私は思う。これまた(以下略)

    それらを重大な不適合としていないのは、内部監査が機能していないと思える。
    気づかなかったのか、気づいても問題と認識しなかったのか、問題と認識しても諸般の事情で重大としなかったのか、いずれにしても監査の問題である。

その他盛りだくさんの実施事項や成果が並んでいるが、具体的数値がわからないので何とも言えない。ただただ定性的だと思うだけだ。このような定性的・感覚的な目的設定や評価方法でISOの規格要求に適合ならば、私は今までの規格の理解を改めなければならない。

でもJQAさん、気を悪くしないでください。毎年CSR報告書を出すなんてさすが日本の認証機関の雄、日本一🗻 の認証機関であることは間違いありません。来年も私に素敵な一週間を与えてください。
もちろんツッコミどころも残しておいてくださいね、


うそ800 本日の所見報告書
目標設定、その取り組みの展開、および結果の評価において、論理的不整合や定量化されておらず判断不能なものが複数ある。またそういったことを内部監査で検出していない。
このページの上部にある2009年版「JQA環境報告書」に比較して、進歩した様子が見られない。10年のときが経過がしたにしては非常に残念である。一層の向上を期待する。
今回検出された不適合については、是正報告提出は不要であるが、次回審査時にフォローさせていただく。

くどいですが重ねて申し上げます。
雉も鳴かずば撃たれまいと申しますが、そうではありません。IBMは数十年前から社内不祥事や事故や法違反とその罰金などをアニュアルレポートで公表してきました。そしてそれは高く評価されています。
他の認証機関に倣って環境報告書を出すのをやめたといわないでください。環境報告書を出すことは素晴らしいことです。今後も継続をお願いします。そして自社のCSR報告書の評価もしっかりするようにお願い申し上げます。



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