お酒の話 2011.03.05

都会に来てはや9年になるが、いまだなじめないものがある。本日はそんなバカ話である。
時は春、日は朝(あした)ではないが、時は春である。会社なら人事異動、定年退職、学校なら卒業、近所でも転勤に伴うお引越しなどがあり、お酒を飲む機会が増える。
私は酒が好きだ・・・といっても罪にはならないだろう。
もっとも、「私は家内が好きだ」といっても罪にはならないだろうが、「私は女が好き」といえば、すこしアブナイ

田舎では、と言えるほど普遍的なことかどうかわからないが、私が田舎に住んでいたとき勤め先の会社まで3キロ半、歩いていくには遠いが、歩いていけない距離でもない。普通は車で通勤していたが、飲むときはバスで行った。今都会では予約しても時間制限がある店が多いが、当時田舎では座れば酔いつぶれるまで店を動かず飲むのが当たり前。もう飲めない・・とか、看板ですよといわれるまで店を変えずに飲んだ。そして帰るときに家内に電話をすれば、店を出る時には家内がくるまで迎えに来ていた。
もちろん家内が飲んだときは、私が車で迎えに行くのである。
男女同権だ。

../sake.jpg 電話したら家内に子供を寝かせつけているところよなんて言われると、タクシーで帰ることになるが、料金は当時で1000円ちょっと、大した金額ではない。
家内が来られなくて時期が年末とかでタクシーがつかまらない時には、しょうがないと家まで歩いて帰ることもあった。といっても酔っ払いの足でも1時間もかからないで玄関にたどり着く。冬は帰る途中に酔いがさめてしまうが特段困ることはなかった。

とまあ、田舎ではそうだったのだが、都会はいささか勝手が違う。まず通勤距離が違う。私はドアツウドアで約1時間であるが、職場の同僚の中は片道2時間半なんて方もいる。それほどでなくても1時間半は普通だし、新幹線通勤の方もいる。そんな方が奥さんにちょっと飲みすぎたから迎えに来てくれと頼んだとしても、奥さんがポルシェを飛ばしても飲み屋の前に着くのは翌朝になるだろう。タクシーで帰れば料金も大変だ。もし有楽町のガード下から千葉までタクシーで帰ればどのくらいになるのだろう。
実際に乗って帰るほど金持ちではないから検索してみた
2万円弱だ。それほどでもないのですね・・・

まあ、そんなわけで乾杯からサヨウナラまで通常は2時間、長くても3時間である。そして一次会のあとは、近くの人がカラオケに行くくらいで、2次会まして3次会というのはまずない。
それは良い点でもあるし、悪いことでもある。
つまり深酒をしなくなることは健康にもお財布にも良いことだが、ストレス発散ということでは発散しきれず憂さが残る。つまり飲んだ甲斐がない。

飲んだ後に電車で帰るのも難儀である。
田舎ではタクシーの後部座席にごろってなっていけばよいが、都会では飲んでいい気分になったあと、満員電車で1時間立っていくことになる。これじゃあ、飲まないで帰ったほうが良いという気がしてくる。
周りの人は、この酔っ払いめという顔をして私をにらみつける。
もっとも、私だって酔っ払いがそばにいてほしくはない。
だから酒は飲んでも飲まれるな、ではなく俗に殺して飲むなんていうけど、酔わないように飲むしかない。酔わないようにして飲むというのは簡単だ。酔うまいと思って飲めばいい。
商売の接待とか、上役と飲むときは、酔っ払っちゃいけないから殺して飲むが、忘年会も送別会でも殺して飲んでいたんじゃ、飲む甲斐がないじゃないですか。
そしてそんな風に飲むには酒の種類も変わってくる。
日本酒はうまいし気分よく飲めるが、殺して飲むには不適である。ビールは腹に溜まって帰る電車でオシッコを我慢できるか心配だ。ワインに合うような肴はないし、チューハイやハイボールではヤクルトを飲んでいたほうが良い。よって消去法で焼酎しかなくなることになる。
私は焼酎が嫌いであった。
しかし最近の焼酎は味が良くなった。オイルショックのときに安い焼酎を水で割って飲んだ時、俺もビンボーになったものだと悲しかったが、今の焼酎はうまい。
だが、良いことばかりではない。今の焼酎のお値段は清酒と同じか、それ以上するのだ。じゃあ、ビンボー人が焼酎を飲めるはずがない。

遠方に住むISOの同志とか、愛国者の同志が上京すると聞くと、飲みましょうと声をかけるのが常だ。ネットでのやりとりよりお顔を見るのは親しくなるし、飲めばより相手を理解できる。そして飲むなら夏より冬がいい。話し相手と身を寄せ合って語り合うというのがいい。夏は暑苦しいから近づきたくない。

自宅で飲むとすぐに酔う。そりゃ家内がいろいろ作ってくれるし、こたつで寝てしまっても帰る心配がない。酒を殺して飲むことのないのだから、サイコーだ。
ちょっと残念なことは息子は酒を飲まない。だから息子とさしつさされつということはしたことがない。その代わり、娘は飲んべーだ。娘は大学時代二日酔いをしたことがないと豪語していた。きっとアルコールの分解能力が優れているのだろう。だから娘がたまに家に来るのが楽しみである。単なる親ばかであろう。



やよい様からお便りを頂きました(11.03.05)
お酒の話を読んで
私の飲む機会といえば新年会、年度の初めにする決起大会、忘年会くらいしか記憶にありませんし、記憶が無くなるまで飲んだということもありません。
どちらにしてもお酒を口にするのはすべて会社関係のことで自分で買ってまで飲もうとも立ち寄ってまで…とも思いもしません。
家系的に飲めない家系でもないらしいのですが、情けないのか勇気がないのかそれとも機会がないのか「自分の限界に挑戦」というものをしたことがありません。

ところで
もちろん家内が飲んだときは、私が車で迎えに行くのである。
男女同権だ。


この一文を読んで思ったんですが迎えに来させた回数と迎えに行った回数は同じなんですか?

やよい様 毎度ありがとうございます。
やよい様の文章には地雷がしかけてありそうで恐ろしい!
正直言って迎えに来てもらった回数は、迎えに行った回数よりはるかに多いでしょう。
でも、今は家内のほうがクラブとかお友達とかご近所さんとお出かけする回数が多くなり、生涯ではバランスするのではないでしょうか?
まあ、そういうことにしておきましょう。

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