マネジメントシステム物語18 品質監査前日

13.12.11
マネジメントシステム物語とは

月日の経つのは早いもの、とうとう明日はクシナダの品質監査となった。今回は顧客の品質監査を受ける前日のお話である。
話を戻そう。大蛇おろち機工がクシナダ機械に品質保証マニュアルを提出するとき、星山専務と佐田たちは相談して、クシナダが品質監査の日時を言ってくるまで、記録の作成期間が何日必要かを問い合わせるのをしないことにした。
マニュアルを提出してから1週間ほどのち、マニュアルは適合ですという回答があった。そして品質監査の実施を3週間後に行うという。とりあえず修正要求がないことにホットしたものの、それじゃ記録を作成した期間が二月に足らない。星山専務はまた頭を抱えてしまった。

定例のクシナダプロジェクトの会議で、星山専務、伊東委員長、佐田、菅野それに武田が集まった。
菅野佐田星山伊東武田
菅野佐田星山専務伊東武田
星山専務
「佐田さん、2か月と言われた件、どうしようかねえ〜?」
佐田
「単刀直入にまだ記録が2か月ないと言ってみたらどうですか? なんでしたら、私が担当者として向こうに問い合わせてみましょうか?」
星山はしばし考え込んでいたが、しょうがないという顔をして言う。
星山専務
「じゃあ、佐田さん頼むよ、うまく話してくれないか?」
佐田はすぐさま電話を取ってダイアルする。
佐田
「あ、私、大蛇機工の佐田と申します。いつもお世話になっております。品質保証部の五十嵐様をお願いしたいのですが」
?
「五十嵐でございます」
佐田
「お世話になっております。さっそくですが弊社に対するクシナダさんの品質監査のことでご相談なのですが・・」
?
「それじゃ担当の 横山に代わります」
?
「電話変わりました。大蛇機工の佐田様ですか、どのようなことでしょうか?」
佐田
「実は弊社の問題なのですが、御社の品質監査を受けるときの条件として2か月以上の運用が必要ということを私の方で見落としておりまして、実は弊社で御社との品質保証協定書にあるシステムを運用してまだ2か月になっていないのです。それで2か月満たない場合はどのようにしたらよいのかというご相談です」
?
「うーん、佐田さん、掛け値なしにどのくらい運用期間がありますか? なるべくだったら監査をしてしまいたいのですが」
佐田
「正直申しあげて、監査時点で記録を残している期間が7週間というところです」
?
「ああ、じゃあ全然問題ないです。それでいいですよ。予定通り品質監査を実施するということでお願いします」
佐田
「ありがとうございます。それとですね、ええと、当日監査後に一席設けようかと考えているのですが、いかがでしょうか?」
?
「それはありがたいですが、私どもも遠いですから早く帰りたいですね。お気持ちだけということで今回はご遠慮します」
佐田はお礼を言って電話を切った。

注:当時は監査に来ると接待するのは当たり前だった。今だって二者監査ならそうではないのだろうか? 1990年代前半はISO審査でも「今日はどこで飲むのでしょうか」なんて審査員が言うのは当たり前だった。審査が三日あれば三晩続けて接待した。マジメな話、接待する方もやりきれない。
うそだなんておっしゃる方は、ISO認証が始まった頃はISOに関わっていなかったのだろう。
脇で聞き耳を立てていた星山専務と伊東委員長は ハイタッチハイタッチをしている。
佐田
「お聞きの通り、予定通り実施です」
星山専務
「いやあ、良かったよかった」
伊東
「それじゃ、いよいよもって確実に点検をしてケチの付かないようにしなくてはならないな」
佐田
「それじゃ、品質監査対応の実施事項を確認しましょう」
注:コピー黒板はいつごろ現れたかというと、ウィキペディアによると1986年頃らしい。私たちが見かけるというか会議室などで使うようになったのは1990年以降だ。当時はとんでもなく高価で、マーカーと間違えてマジックで書いて叱られた思い出がある。
佐田
「まず、専務さんには関係者のスケジュール確保をお願いします」
星山専務
「社長はどうしよう?」
佐田
「先方のスケジュールを見ますと、お見えになるのは五十嵐課長と横山さんとありますので、格式からいって、こちらは星山専務がいらしたら十分と思います。
専務はこちらの代表というだけでなく、品質保証責任者としての役目ですから出席は必須です」
星山専務
「とはいえ社長が会社にいて顔を出さないというのもまずいだろう」
佐田
「それじゃ先方が到着したとき名刺交換くらいでどうでしょうか」
星山専務
「そうか、あとは社長はいいのだな・・」
佐田
「オープニングは会議室でよろしいですね。出席者は専務と我々だけでも良いと思います。ただ内部への意識付という意味でしたら、監査を受ける部門の長にも出てもらったらどうでしょうか」
星山専務
「そうだなあ、川田取締役と吉田部長、それに関係課長4人で6人、あと我々で11人か、まあいいだろう」
佐田
「それから監査の場所と対応する者ですね。場所は各職場で用意してもらいます。場所は任せるとしても、どこでするかはこちらに報告してもらいます。そこに案内人が連れて行くことになります。出席者は各課の課長に決めてもらいましょう。
昼食はどうしますかね?」
星山専務
「ここらじゃまともな仕出しもないから、おれが車で近くのレストランに連れて行くのが良いだろう」
佐田
「当日朝に、先方にその旨伝えましょう。ただあまり時間がかかるとまずいので、近場で予約しておくことが必要ですね」
菅野
「私が適当なところを手配しておきましょう」
佐田
「あまり露骨でなく専務さんがお店でなるべく時間を稼いでくれたらうれしいです。監査の時間が短くなった方が良いでしょう」
星山専務
「まかせておけ。飯を食べながら午前中の感想を聞いて、それを午後の職場に伝えるとしよう」
佐田
「専務がみずから運転していくのもかっこ悪いでしょうし、1対2というのも変ですから、伊東さんが運転して4人でお食事されたらどうでしょうか?」
伊東
「うーん、俺は午後の部の対策もあるから、吉田部長か川田取締役に行っていただいたらどうかなあ〜。安斉課長や鈴田課長はそれどころじゃないだろうし」
星山専務
「なるほど、もうひとりを誰にするかは来週の幹部会で決めよう」
伊東
「現場でも質問するのだろうから、各職場で対応する作業者を決めておいたらどうだろう?」
星山専務
「そんなことできるのか?」
伊東
「その人以外、手が離せないとか、現場から姿を消してしまえばいいじゃないですか」
佐田
「いや、そんなことしないで、あるがままでいきましょう。それに従業員の皆さんもこのイベントに参加する権利がありますし」
菅野
「参加する権利は私にもありますよね。佐田さん、品質保証のインタビューは私が対応したいです」
星山は驚いたようだ。
佐田
「いいですよ、頑張ってください。そうしていただけるなら、私はもう一人の方の案内人をしましょう」
伊東
「おれはどうするんだあ?」
佐田
「菅野さんと二人で、品質保証部門の監査を頑張ってください。
それと品証の監査が終わったら菅野さんがその方のご案内をお願いします。伊藤さんは事務所にいて、各職場からの問合せとかトラブル対応をお願いします」
伊東
「わかった。俺が案内したんじゃ、全部おれが答えてしまいそうだ」
武田
「私はなにを・・」
佐田
「武田君は、当日プレス工場にいて、生産でトラブルが起きたら素早く対応してほしい。工場巡回しているとき、機械を止めたりしてぶざまな風景を見せたくない。もし武田君が望まなければ、オープニングに出なくてもいいよ」
武田
「そいじゃ私はオープニングには出ないで、朝からプレス工場で待機しましょう」
佐田は先方から提示されたスケジュールに、打ち合わせた結果を盛込んでスケジュール表を作った。
時間監査員A監査員B
実施項目対応部門品証担当実施項目対応部門品証担当
9:00〜
9:15
オープニング品質保証全員
9:15〜
10:00
品質保証体制品質保証星山専務
菅野、伊東
文書管理
記録管理
総務課佐田
10:00〜
11:00
内部品質監査品質保証星山専務
菅野、伊東
教育訓練総務課佐田
11:00〜
12:00
客先での不適合対応営業課菅野取扱・保管・出荷・梱包管理課佐田
12:00〜
13:00
昼食星山専務
13:00〜
13:30
設備管理生産技術課菅野顧客支給品の管理製造課佐田
13:30〜
14:00
計測器管理生産技術課菅野工程管理製造課佐田
14:00〜
14:30
識別・トレーサビリティ管理課菅野受入検査製造課佐田
14:30〜
15:00
是正処置・予防処置品質保証菅野工程内検査製造課佐田
15:00〜
15:30
不適合品の管理管理課菅野最終検査製造課佐田
15:30〜
16:00
監査側打ち合せ不要全員待機
16:00〜
16:20
監査側との打合せ品質保証全員
16:20〜
16:30
クロージング品質保証全員

それから関係部門への説明会をして、準備状況を確認して、とうとう明日が監査日になったのである。
佐田が来るだいぶ前に、大国主おおくにぬし機械の品質監査を受けたことがあったが、あれは監査基準も明確ではない指導であった。今回は監査基準は明確で、しかも適合でないとお仕事がもらえないので各部門とも真剣だ。
各員、それぞれ分担して各職場の最終点検を行うことにした。



伊東と菅野は製造課の記録を確認することになった。
製造課で作成している記録の一覧表をもって、現場でそれを適正に作成しているかを見る。今更という気もするが、念には念をである。
現場で機械設備の日常点検表を見ていると、壁際にあるボール盤と小さなハンドプレスに日常点検表がついていない。ハンドプレスとは動力ではなく手作業でハトメやピンなどのカシメを行うものだ。
製造係長を見かけたので菅野は声をかける。
菅野
「係長さん、この二つの機械に日常点検表がないわよ」
製造係長
「うーん、これはめったに使わないから付けてないんだなあ」
菅野
「そういった場合は日常点検表をつけないのでしょうか? それともつけておいて使用したときだけチェックするのでしょうか?」
製造係長
「規定ではどうなっているか分らん。とりあえずどうしようか?」
伊東
「30センチ角くらいの板、ボール紙でもいいけど、『遊休機械』って書いて、ひもでぶら下げておいてくれよ」
製造係長
「わかりました。すぐ取り付けます」
機械の脇の作業台の上に載っていたマイクロメータを菅野が手にする。
菅野
「まあ、このノギス校正期限がもう2年も前になっているわ」
伊東
「おいおい、だいぶ前に期限切れは一掃したんじゃなかったのか?」
製造係長が近くの電話から計測器管理室に電話して状況を問い合わせた。
製造係長
「このマイクロは2年前に行方不明で、既に廃棄処分になっているそうです」
伊東
「とりあえず隠したら問題あるか?」
作業者
「明日だけなら大丈夫です」
伊東
「そいじゃ、明日は隠す。明後日には計測器管理室に校正を頼むことにしてくれ」
製造係長
「いや、今すぐに計測器管理室に持っていかせます」
隣の機械に行くとピカピカのデジタルノギスがある。
伊東
「これはまた立派なものだな」
と言いつつそれを手にすると、会社の資産の表示ラベルがない。
伊東
「これはラベルがないぞ」
作業者
「実は私が前の会社を辞めるときもらってきたんですよ。私物です、私物」
伊東
「会社に私物を持ち込んじゃまずいなあ。これを使わないと支障があるのか?」
作業者
「会社のノギスはバーニャ式でしょう。これの方が使いやすいですよ」
製造係長
「困ったなあ」
伊東
「困ることはない。悪いがこれは今日持ち帰ってくれ。そしてお前の仕事でどうしてもデジタルノギスでないとならないというなら係長から計測器管理室に購入依頼をしてほしい」
菅野は、伊東が物事を素早く判断して指示するのを感心していた。

佐田と武田は現場事務所の点検をした。
管理課の事務所である。
鈴田課長
「いやあ、とうとう明日になってしまったねえ〜」
佐田
「そんなに緊張することはないですよ。鈴田君は素戔嗚すさのおにいたとき何度もお客さんの品質監査を受けたじゃないですか」
鈴田課長
「いや、当時はおれは平だったから直接監査を受けたことはないんだ。みんな課長が対応していたからね」
佐田
「俺が来る前に大国主おおくにぬし機械の品質監査を受けたことがあると聞いたけど」
鈴田課長
「あった、あった。あのときは参ったねえ。サビの問題で来たのだけど、サビが出たのがこの倉庫だったので大変だったよ。結局保管基準がないということになって・・」
二人が雑談していると武田が二人を呼んだ。
武田
「ええと、管理課の会社規定集のファイルに欠落があります」
鈴田課長
「え、どういうこと?」
武田
「目次には『検査規定』と『建屋管理規定』の間に『設備管理規定』があるのですが、このファイルには『設備管理規定』がとじてありません」
鈴田課長
「誰か抜いてしまったのかなあ。そもそも配布されたとき、とじてなかったということもあるかもしれないよ」
佐田
「発行したとき俺が全部点検したから、それはないと思う。ちょっと待てよ、『建屋管理規定』に鉛筆でいろいろと書き込みがしてあるなあ」
鈴田課長
「ああ、それはいろいろな例を書いておいた方が分りやすいと思ったんだ。いいだろう」
佐田
「おいおい、それはまずいよ。規定は正式な文書だから書き込みしたり変更をしたりしちゃいけないんだ」
武田
「あのう、この掲示板に『設備管理規定』が貼りだしてありますよ。これがファイルになかったものでしょうか?」
鈴田課長
「ああ、思い出した。10日ほど前にフォークリフトや建屋の点検担当が製造課から新しくできた生産技術課に代わったので、それを知らせようと差し替える前に朝礼で説明して、掲示板に貼ったままにしていたんだ」
佐田
「うーん、鈴田君、掲示板に貼りだすのもいいけど、それなら用が済んだら即ファイルするとか決めて実行してほしい。とりあえずはファイルするか、管理課のルールとして規定改定があったら一定期間掲示板に掲示してその後ファイルするとか決めておいてほしい」
鈴田課長
「今からじゃ決まりを作るのも間に合わないから、ファイルしておくよ」
鈴田は画鋲をとって規定をファイルにとじた。
武田
「おや、その後ろの『建屋管理規定』は改定記号がBのものとCのものがファイルされていますね」
鈴田課長
「ええ、まいったなあ。とりあえず問題があるのは分った。ウチで文書というものは会社の規定と課内のルールくらいだから、今から点検して不具合あれば直しておくよ」

星山専務は川田取締役と吉田部長を従えて、工場内を巡回していた。
星山が「君たちもしっかり見ているとは思うけど、最終確認をしようや」と声をかけたのである。
川田と吉田はあきらかにやる気がない顔をして星山の後をついていく。
星山が急に立ち止まる。よそ見していた川田はあわや星山にぶつかるところだった。
星山専務
「川田取締役、ここを見て何か感じませんか?」
そこは出荷検査で、コロコンの上にプラダンがズラット並んでいる。
川田取締役
「は?、以前に比べると物が少なくなって良くなったと思いますが」
星山専務
「そういうことじゃないんだけどなあ〜」
吉田部長はアットと気がついて検査係長を呼びに行った。
吉田部長が検査係長を連れて戻ってくる。
星山専務
「おい、ここを見て、どこまで検査をして、どこから検査をしていないかわかるのか?」
検査係長
指さし「はあ、本来はあそこにコンベアのストッパがありますね。あそこが検査前、検査完了の仕切なんです。しかし後ろが詰まっていると検査が終わったものを流せないので、仕方がないので仕切の前から品物を持って行って検査をしているのです」
星山専務
「なんでそんな無駄なことをしているんだ? 後行程が怠けているのか?」
検査係長
「検査完了後のコロコンの上にパレット1個分のプラダンを置けないんですよ。倉庫係はパレット1個にならないとパレットに積みませんからね。ですから常にこうなってしまうのです」
星山専務
「わかった。川田取締役、どうもコンベアの長さが短くバッファがとれていないようだ。なんとかしてくれ」
川田取締役
「なんとかしてくれとおっしゃいますと?」
星山専務
「検査の状態をはっきりしろというのがクシナダの要求だ。未検と検査済みをはっきり分けられないというのが倉庫側の問題なら、対策するのは君の仕事じゃないのか?」
川田はええっと驚いたものの、すぐに鈴田の事務所に駆けつけて、鈴田を呼んできた。
川田取締役
「管理課長、すぐに検査完了の後ろ側のコンベアを伸ばしてほしい。パレット1個分をバッファできるようにしたい」
鈴田課長
「元々コンベアの長さはそのようにしていたのですよ。ところが素戔嗚からもらってきたコンベアでしょう。後ろの1本がサビがひどくてみっともないって思いまして取ってしまったのです」
川田取締役
「あと3メートルあればパレット1個分になるのか?」
鈴田課長
「そうです。元々そのように設計しましたから」
川田取締役
「じゃあ、そいつをもってきて、すぐに取り付けてくれ」
鈴田課長
「サビはどうしますかね? だいぶ汚いですが」
川田取締役
「ワイヤブラシとサンドペーパーでサビを落とす。そしてペンキを塗れ。明日の朝までだ」
鈴田課長
「わかりました」
鈴田はおもしろくない顔をしていた。
吉田部長は自分は関係ないという顔でそのやり取りを見ていた。だがすぐに自分の番が回ってきた。
星山専務
「吉田部長、吉田部長」
吉田部長
「ハイハイ、専務、なんでしょうか?」
星山専務
「これはなんだ?」
星山専務はコンベアの下にあるプラダンを指さす。
吉田部長
「はあ、なんでしょうねえ〜」
吉田部長はしゃがんで中を覗き込む。中には紙テープが貼られた部品がいくつも入っている。
吉田部長はまだそばにいた検査係長に声をかけた。
吉田部長
「検査係長、こりゃなんだね?」
検査係長
「今日出た不良です」
吉田部長
「星山専務、今日出た不良だそうです」
星山専務
「おまえなあ〜、そんなこと俺だって見りゃわかるよ。
不適合品は良品と混ざらないように、ちゃんと区別して表示しておかなくちゃならんだろう」
吉田部長
「と、おっしゃいますと?」
星山専務
「例えば床に枠の形に線を引いて、その枠の中に不良品を置くとか、看板をかけておくとか、あるいはプラダンに紙を貼っておくとか、頭を使ってくれよ」
吉田部長
「あ、はいはい、すぐに、 検査係長、今専務がおっしゃった方法のどれかすぐにできないか。明日の朝までにだ」



夕方、工場を巡回してきた5人が集まった。
菅野佐田星山伊東武田
菅野佐田星山専務伊東武田
星山専務
「疲れたなあ〜」
伊東
「まったく、我々が思っていることを現場が理解してませんよ」
菅野
「識別とか記録という言葉の意味をまだ理解していないようですね」
武田
「あたりまえのことを実行するってのも、難しいものですね」
佐田
「そんなことありませんよ。みなさんはあまりにも高いレベルを期待しているから、不満を感じるのですよ。今からひと月前、二月前、三月前を思い返せばものすごく改善してるじゃないですか」
星山専務
「いや、まさしくその通りだ。三月前に、今の姿は想像もつかなかったよ。この会社も大したもんだ」

うそ800 本日の思い出
私が初めて監査を受けのは、あまりにも昔で忘れました。1990年頃は監査をするのもされるのも慣れたというか、日常業務、ルーチンとなっていました。もちろん監査を受けて問題が皆無ということはありません。しかし真剣、深刻、緊張なんてしなかったのは事実です。とはいえ前日は現場や各職場を巡回して問題がないかは確認したものです。
夜残業で巡回していて、会社規則のファイルに旧バージョンがとじてあるのを見つけたり、検査不合格品の識別が不十分であったりして、あせったりしたことはあります。
なにごとも完璧はありません。




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