審査員物語12 審査を受ける

14.12.25
審査員物語とは

審査1日目
三木は朝早く亜家周防あいえすおう社に行ったつもりだったが、黒木も山本課長も既に仕事をしていた。ひょっとすると昨日は徹夜だったのかもしれない。よく見ると二人とも着ているシャツがしわくちゃだから、多分そうなのだろう。
三木はふたりに挨拶してわきの椅子に座った。

山本課長
「三木部長さん、いよいよですよ。我々二人はメインに対応しなければなりませんので、三木部長さんには書記をお願いできませんか。速記録でなくて、要旨をまとめてもらった方がよろしいですね」
三木
「喜んで、でもボイスレコーダーは使わないのですか?
それと二つのチームになったらどうしますか?」
黒木
「向こうから言われましたが、録音とか録画してはだめなんだそうです。もちろんボイスレコーダーは使いますがね。あんなものポケットに入れてたらわかりませんから。ただ、録音を聞きなおすよりも要点をメモしてもらった方が役には立ちますし・・
あと、二チームになるのは他部門の審査のときですから、そのときは課長と私がアテンドするので書記は大丈夫です」
三木
「了解しました。どうですか、自信のほどは?」
山本課長
「自信というか、審査で落ちたって会社は聞きませんのでそれは大丈夫でしょう。ただいくつイチャモンがつくのかってことが心配ですね。あまり金と手間ひまがかかるのは遠慮したいですねえ〜」
黒木
「まあ、おとなしくハイハイ言っていればすんなりいくでしょうし、こちらが骨のあるところを見せるともめるでしょう、アハハハハ」
三木
「そういうものなのですか?」
山本課長
「この近辺でも何社もISOの審査を受けています。お話を伺うと、理屈っぽいとか筋を通す担当者のところはもめていますね。もっともどこでも偉い人が審査員の言葉に反論しないようにって担当者に指示しているようですが」
三木は審査というものを見たことがない。いったいどんなものなのだろう。そしてイチャモンとはどんなことなのだろうか?

山本課長と黒木の打ち合わせは終わったようで、三人は審査会場に移動する。請け負った土建屋はこんな仕事は慣れているようで、周囲に落ち着いた色の無地のカーテンをめぐらし、プロジェクタで投射するところには白いカーテンをシワなく止めている。昨日まで物置同然の空き部屋だとは思えない。
一応、会場の再確認、プロジェクタの調子を見たり、椅子が曲がっているのを直したりする。
そんなことをしていると高橋部長が顔を出した。
高橋部長
「おう山本よ、大丈夫か?」
山本課長
「はい、準備完了です。審査開始予定まであと30分ですか・・・たぶん15分もしたら審査員が来るでしょう。来社されたら黒木が社長室まで案内します。部長は社長室で待っていてくれませんか。審査員より後に社長室に入ってはかっこ悪いでしょう」
高橋部長
「じゃあ、今から社長室にいるわ。どこにいても落ち着かんからあそこで待っている方がいい」
部長が部屋を出ると同時くらいに山本の携帯電話が鳴った。
山本課長
「ああ、お見えになった・・・すぐに行きます。そこで待たせてください。
おお、黒木よ、敵さん来襲だ。俺が行って社長室まで案内するわ」
黒木
「課長、私が案内しましょう。課長が直接行っては軽く見られますから」
山本課長
「そうだなあ〜、じゃ、頼むわ。俺は社長室に行っている」
黒木
「三木部長さん、すみませんが、もしオープニング出席者が来たら前から座るように指示してください。それから資料を配っておいてください」
三木
「承知した」
山本課長と黒木は出ていく。黒木が手渡した資料は、説明用パワーポイントをプリントしたものだった。三木は資料を椅子の上に配る。そして待つ。
やがて三々五々と出席者が入ってくる。三木は前から座ってもらうようにした。
山本課長が20名くらいかき集めると言っていたが、実際に来たのは13名、これに社長、部長、課長、黒木、三木で18名だ。少ないと文句を言われなければよいが。
黒木が戻って来た。
三木
「どんな人たちでしたか?」
黒木
「まあ見た目は普通のサラリーマンでしたよ。あ、資料は配布してくれたんですか、すみません。
じゃあ、定刻になったら社長以下入ってきますので、こちらは待つだけです」
黒木はそう言ってからUSBメモリーをパソコンに差し込んでパワーポイントを開き映して確認する
三木
「それは審査員の説明用ですか?」
黒木
「そうです。文字のずれなどないようですから大丈夫ですね」
定刻ピタリに社長を先頭に審査員2名、部長、最後に山本課長が部屋に入ってきた。
審査員が着席して社長と部長が着席する。山本課長は立ったまま司会をする。
社長の挨拶の後に、審査員が挨拶して審査の進め方という話をする。三木は初めてなので興味を持って聞いたが、話す方は毎度のことらしくオートマチックに口が動いているようだ。
リーダーは柴田主任審査員でナガスネの部長と名乗った。もう一人は三杉と言った。
柴田審査員三杉審査員
どこかで見たとおっしゃいますか?
そうです、このお二人はマネジメントシステム物語で登場したお二人そのものです。
柴田審査員
リーダーである
三杉審査員
高橋部長が会社説明をする。柴田主任審査員がどうでもいいようなことを質問する。
三木は柴田の話を聞いて、もったいぶった話し方をするものだと思う。三木は30年もお客様や行政と打ち合わせ、会議、雑談をしてきたが、こんな大げさな言い回しなど使ったことも聞いたこともない。自分が審査員になると、こんな話し方をするのだろうか、普通の人が聞いたらあきれるというか引いてしまいそうだが、それが日常になると何とも思わなくなるものだろうか。
挨拶、工場の説明、審査の進め方の話が終わると経営者インタビューとなる。なぜISO認証をしようとしたのか、過去からどんな環境活動をしてきたとか、現在の問題点などありきたりの質問のやりとりを30分もしてインタビューは終わった。

工場審査 オープニングの後は工場査察らしい。社長は部屋に戻ってしまい、部長と課長それに黒木が案内する。三木は作業服を借りてその後を付いて行く。
どちらにしてもたいして環境負荷のある設備はない。昨夜油漏れが起きた場所には近づかなかったが、審査員はなんとも思わなかったようだ。
三杉審査員は環境側面一覧表にリストされている設備を現場確認したかどうか印を付けている。
小さな工場だから30分も歩けば終わってしまう。
オープニング会場ではなく会議室に入って一休みする。

そこから書面審査となる。
環境方針をどのように周知しているのか、認証まで社内でどんな活動というかキャンペーンをしたのかとか、三木はそのやり取りを聞いて、どうでもいいというかまったく意味のないことに思えた。
環境側面の決め方が書類提出時の宿題であったが、黒木が評価項目をみっつにしたこと、計算方式で点数が大きいもの上位を著しい環境側面にする仕組みを説明すると、審査員二人はいたく満足したようで問題なく進んだ。三木は環境側面の決め方はこうすればよいのだなと自分で納得した。

夕方、審査員が今日のまとめといって問題点をあげた。これらが最終的に不適合になるとは限らないということだが、審査員の口調からはとんでもなく悪いレベルらしい。
問題点については口頭で説明しただけで書面では渡さなかった。
そしてそそくさと去って行った。

審査員が帰ると、高橋部長、山本課長、黒木、そして三木だけが会議室に残った。
高橋部長
「おいおい、俺には何が何だか全然わからない。なんだかんだ言っていたが何が悪かったんだ?」
三木
「私がメモしていたのをホワイトボードに書きましょう。」


一日目に提起された事項
  1. 軽微な不適合
    4.4.2著しい環境側面になっているコンプレッサーの保守要員に対して、経験のみで力量があると判定しています。
  2. 軽微な不適合
    4.4.3外部コミュニケーションの発動基準が明確でありません。
  3. 観察
    4.4.7緊急事態のテストにおいて、テスト参加者の氏名を記録していますが、オブザーバー(見学者)の氏名が記録されていません。
  4. 観察
    4.4.6接着剤の塗布用注射針を産業廃棄物としていますが、感染性廃棄物として処理することが望ましい。
手

注:
この不適合の事例は某認証機関が2012年に某社で軽微な不適合及び観察事項として提示した現物です。棒にも箸にもかからないものばかりですから「某」ではなく「棒」認証機関かも知れません。
ところで、いずれの項目も不適合の根拠が規格のどのshallに該当するのか記載していませんし、また証拠の記述もいい加減だと思いませんか? これでお金がもらえるのですから楽ですね。
高橋部長
「うーん、これを読んでも俺には何が何だかわからない。黒木、どういう問題なのか、なぜ悪いのか説明してくれ」
黒木
「1番目ですが、ISO規格では力量を『適切な教育、訓練又は経験に基づいて』とあります。しかし経験だけではダメともありません。どうして悪いのか、私には分りません。
2番目ですが、規格では外部コミュニケーションするかしないかを決めておけというだけで、発動基準を決めろというのはないようです。これもなぜ不適合なのかわかりません」
山本課長
「黒木はなぜ悪いのか分らないという。うーん、私はISO規格なんて分りませんが、まあはっきり言ってどうでもいいことのようです。とりあえずの対応として、『文言を追加します』ということでよいんじゃないですか」
高橋部長
「金と手間がかからないならかまわんが・・・・『観察』ってのはなんだ?」
黒木
「悪くはないけど改善した方が良いというものですね。
緊急時のテストのとき見学していた人の名前を書く程度なら金はかかりませんね」
高橋部長
「うーんわきを通りかかった人間の名前を書いておくと何かいいことがあるのか?」
黒木
「さあて、どうなんでしょうかねえ〜」
山本課長
「少し前ISO審査を受けたお隣のミルフィーユ金属でもバカバカしい指摘とか観察とかがいくつもありましたね。連中の頭の中はそんなので詰まっているんでしょうなあ」
高橋部長
「それじゃともかく『今後は記録します』ってことにしておけ、最後は何だ?」
黒木
「病院で使った注射針でも点滴でポリ袋に刺した注射針は、ばい菌がついてはいないでしょうけど注射に使って血液が付いたものと混ざったりするかもしれないので、注射針はすべて感染性廃棄物にしなければならないのです。
でも当社の場合、社内に診療所も医務室もありませんのでそういう問題は起きないと思いますが・・」
山本課長
「ウチでは元々感染性廃棄物はないからなあ。これは・・・おい、黒木、明日朝市役所に問い合わせしろ。それが一番だ」
黒木
「分りました。朝一問い合わせします。」
高橋部長
「黒木、悪いが今すぐ市役所に問い合わせてくれないか。まだなんとかなるだろう」
三木は腕時計を見る。午後5時を回ったところだ。
黒木は携帯電話をかける。なにやら話をしている。様子から見ると担当者がいたようだ。
高橋部長
「ええと、他には問題ないということなのか?」
山本課長
「とりあえず今日の分としてはないと考えてよろしいでしょう。明日は明日ですが」
高橋部長
「明日は明日の風が吹くか・・・」
黒木は電話を切った。
黒木
「市役所の産業廃棄物課の話では、感染性廃棄物となる注射針は『医療機関等から排出される使用済の注射針』に限定されているそうです。そうしますと、この観察事項は当社としては考慮することはないと思います」
高橋部長
「なるほど、よし、黒木よ、じゃあ今の4点についてA4に1枚くらい善後策をまとめておいてくれ。明日の朝もオープニングがあるのだろう。
おっと、感染性廃棄物の件だがな、『検討します』ということにしておけ。この場で相手がいうのを否定してもめることもあるまい。後で検討した結果問題ありませんでしたと言えばいい。そのとき市役所に問い合わせたことを書け。日時、部門、担当者を記録しておけよ」
黒木
「分りました」
高橋部長
「そいじゃ、今日は山本も黒木も帰れ。昨日寝てないんだろう。明日は各部門の対応だし、午前中だけだ。今更、気をもんでもしょうがあるまい」
山本課長と黒木は顔を見合わせた。二人はうなずきあった。


審査2日目
翌日の朝、簡単なオープニングがあり、そこで山本課長が黒木がまとめた昨日の指摘に対する対応案を配って説明した。すべて審査員の言うことを認めて対応するという内容だった。柴田審査員はその対応をいたく喜んだようだ。そのように即対応していただけると改善が進むだろうと言う。
その後、各部門の審査がお昼まで続いた。
お昼は昨日同様に高橋部長が審査員二人を車に乗せて片道5分ほどのファミレスに連れて行った。午後2時半まで審査員まとめで、その後事務局との打合せの予定である。実質的に審査は午前中で終わりだ。

事務局との事前打ち合わせとなった。
審査員が提起したのは昨日の不適合2点と今日の問題として
  • 軽微な不適合
    4.4.4産業廃棄物の処理委託契約書の様式を手順書で定めておらず、市の様式を使うことになっているが、手順書の中で様式を定めないのは不適切である。

  • 観察
    4.4.6プレスの点検項目と基準は文書に書いてあるが、音や振動の微妙なことは書いてなくベテラン社員のノウハウとなっているが、技能の伝承を考慮して文書化しておくことが望ましい。

  • 観察
    4.3.3出荷部門では省エネ推進のために輸送車両の発車時刻やルートを検討しているのを確認した。しかしながら、この活動は環境目的・目標にとりあげていない。これは環境管理上不適切である。

    注:この事例も前出と同じく実際のものを多少デフォルメした。

高橋部長は外でちょっと打ち合わせると断って、山本課長、黒木、三木を部屋の外に呼んだ。
高橋部長
「おい、俺に言わせるとバカバカしいことばかりだ。すべて対応するって言っておしまいにしたい。それでどうだ?」
山本課長
「黒木はどうだ?」
黒木
「まあ、お金のかからないことだけですからねえ〜」
高橋部長
「お前が一日出勤して処置するだけでも10万はかかるんだぞ。とはいえ10万で済むなら相手の言い分を飲んでしまいたいところだな」
黒木
「部長がおっしゃるようにすべて対応しましょう。
ただそうしますと今日は適合というわけにはいかないでしょうから・・・・後日、是正報告書を送って先方で確認して適合となって免状がもらえるのはそのまた先になるのでしょうねえ」
高橋部長
「そういうことになるのか・・・・わかった。それは交渉しよう」
4人は部屋に戻った。
高橋部長
「ええとご指摘いただきました不適合と観察事項、すべてを了承して対応することにします。
ただ、そうなりますと認証となるのはだいぶ先になるかと思います。我々としましては、今月末までに認証を受けるのを悲願として活動を進めてきたところです。それでものは相談ですが、私どもはすべて早急に対応いたしますので、今回ご指摘いただいたものを観察事項にしていただいて認証を早めていただくというわけにはいかないものでしょうか」
柴田は三杉に小声で話しかけた後
柴田審査員
「了解しました。ではすべて観察事項としまして、今回の審査結果、不適合はなく認証を推薦するということといたします」
高橋部長
「ありがとうございます。そいじゃ、クロージングに進みたいと思います」
すぐに社長と審査を受けた部門の課長を集めて、シャンシャンと終わった。10分もかからなかった。
高橋部長、山本課長、黒木、三木がタクシーを呼んで審査員を送り出したのはまだ午後3時前だった。
高橋部長
「いやあ、お疲れさん。今日は山本、黒木は定時で帰れ。黒木は明日には今日の宿題をまとめてくれ。こんなことに長くかかわっているわけにはいかないぞ」
山本課長
「部長、実を言いまして今晩は打ち上げを予定しておりますんで」
高橋部長
「おお、そうか、みんなここ半年頑張ってくれたからなあ〜
わかった、わかった。三木部長さんもいかがですか」
三木もありがたくお誘いを受けることにした。
三木は今晩までビジネスホテルを予約していた。そして明日は土曜日だ。明日朝、ホテルからまっすぐ辻堂に帰ればいい。

会社から歩いて10分くらいのところにある居酒屋に、ISO認証に関わった12・3名が集まった。
部長からの慰労の言葉の後、みんな今まで苦労したことなどの話が弾む。部活でも学校祭でもプロジェクトでも結婚でも、そこに至るまでの苦労があればあるほど目標を達成したときの感激はひとしおである。
三木はこのところ何度も訪問していて出席者のほとんどと顔見知りになっていた。それで一通り挨拶というかお祝いをして回る。そして最後にまた山本課長と黒木のところに戻ってきた。
二人ともかなり飲んでいて出来上がっているようだ。
ビール
三木
「あのような不適合が交渉で観察になるものなんですか? ちょっと考えると変ですよね」
黒木
「確かに、不適合はダメということですし、観察は基本OKで一層の改善をということですからね」
山本課長
「でもよ、どうでもいいことじゃないのか。法に違反しているわけでもなく、事故が起きるわけでもない。ISO規格に書いてあるかどうかってことなんだろう。」
高橋部長
「まあ、どうでもいいじゃないか。こちらも向こうの顔を立てたんだから、向こうもこちらの顔を立ててくれないと。連中も多少はお土産がないと気分が悪いだろうし、こちらは期日までに免状がくれば親会社に対して面目が立つというもんだ」
三木はISO認証とは結局そんなものなんだとビールを飲みながら思う。もし三木が審査員になって何を不適合にしようと、しまいと、世の中の貢献することもなく害をなすこともなさそうだ。ということはISO審査とは意味のないお芝居なのだろうか?
ともかく今回は柴田の大げさな言い回しに驚き、不適合とはどんなものかというのを見たし、不適合も交渉次第でどうにでもなるというのを知った。
ISO審査をもっと見ればいろいろ勉強になるということが分かった。
みんな明日を心配することがないので大いに盛り上がったようだ。

うそ800 本日の回顧談
指摘とか観察というのは、認証機関によって定義も違い、呼び方も違う。だが普通は、不適合とは規格要求を満たさないことであり、観察とは一層の改善を提示することだろう。
多くの会社では審査員の言うことを指摘事項も観察事項もほぼ鵜呑みにする。それは審査員の言うことを信用したのではなく、早いところ帰ってもらいたいからだ。それに一般企業はふだんから無茶をいうお客の対応に慣れているから、審査員のダダコネくらいはどってことない。
だがそうして審査員の言うことをなんでも表面的であっても対応して甘やかしたことが審査のいい加減さ、審査員の暴走を助長したことは間違いない。日本のISO審査をダメにしたのは認証機関、審査員、認定機関だけの責任ではなく、審査を受ける会社側の対応にも問題があったのだ。
そして私のような正論を吐く異常値が社内からも審査員からも嫌われたのである。

うそ800 本日の提案
思うに、ISO17021:2011(旧版も同じだが)は規定内容が不十分ではなかろうか。
9.1.10で「改善の機会を特定しても良い」とあるが、まず「改善の機会」という定義がない。だから真に改善の気づきで提示することもあるし、「不適合」というニュアンスで「観察」を使うこともあり、更には次回審査までに対応していないと次は「不適合にするぞ」ということもある。その辺をはっきりさせないと悲喜劇は終わらない。
おっと、組織にとっては常に悲劇であり、認証機関にとっては常に喜劇であるのだが・・
蛇足であるが、もし「当認証機関で掲げる観察とは改善の機会ではない」などとおっしゃるところがあるならば、それはISO17021に反するように思う。もし審査がISO17021に準拠するならば、不適合と改善の機会以外を述べることはできない。そして審査がISO17021に準拠していないなら、認定を得られないはずであるが・・



名古屋鶏様からお便りを頂きました(2014/12/25)
昨日の指摘に対する対応案を配って説明した

その昔は、1日目に出た御指摘様を徹夜で対応したと、その道のセンパイが語っていました。その徹夜による頑張り具合を審査員御大様陛下閣下殿下から御評価頂けるそうだとかで。そんな時代に認証をとらなくてよかったと・・・

私はそんな時代から認証請負業をしておりまして、いやあ若い時マージャンで徹夜慣れしていてよかったです(冗談ですよ)
当時は二日三日徹夜ってのは普通でしたね
その後94年頃でしょうか、JQAから是正回答は遅くて良いから徹夜しないでくださいと言われて驚くと同時にホットしました(本当ですよ)


ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(2014/12/29)
10年ぐらい前、我が社における審査もこんな感じでした。ウチがモデルなのかと思ったぐらいです。
いま思えば、主な反省点は次の3つです。

・基本的に、審査員の指摘は「神の声」として受け容れる方針だったこと。
・根拠がなく具体性もないアホ指摘に対して、その確認をしなかったこと。
・カネのかかるものは、ネゴして観察事項に「格下げ」してもらったこと。

そして私のような正論を吐く異常値が社内からも審査員からも嫌われたのである。

まったく同じです。

みんな苦労して今があると言いたのですが、今も昔と変わらないようで・・・ORZ

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