2017.01.12
お断り |
このコーナーは「推薦する本」というタイトルであるが、推薦する本にこだわらず、推薦しない本についても駄文を書いている。そして書いているのは本のあらすじとか読書感想文ではなく、私がその本を読んだことによって、何を考えたかとか何をしたとかいうことである。読んだ本はそのきっかけにすぎない。だからとりあげた本の内容について知りたいという方には不向きだ。
よってここで取り上げた本そのものについてのコメントはご遠慮する。
ぜひ私が感じたこと、私が考えたことについてコメントいただきたい。
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英会話学校に通い始めたのは、引退してちょうど1年経ったときだ。引退した最初の年は、泳げるようになりたいとフィットネスクラブに通い始めた。しかしそれ以外、日々の暮らしがどうなるのか見当もつかず市役所のNPO案内や公民館を訪ねたりして過ぎてしまった。日々の暮らしがどうなるかということは、お金のこともあるし、時間的にどうなるのか、家内もいろいろとクラブなどに入っているので、私が洗濯や昼飯を作るのを家内に習ったりしたのである。
1年経ち暮らしもなんとか落ち着いて、もっといろいろなことをしたいと思うようになった。手っ取り早いのが英会話かと思い、津田沼や船橋あたりの英会話学校を巡った。
いくつかお試しレッスンを受けてフィットネスクラブの近くで通うのに便利な教室にした。それからずっと1回45分月4回レッスンを受けている。もう3年半になる。
さて問題はであるが・・・私の英語パワーが上達したようには思えないのである。
先生に上達してないよ、上達を実感しないよというと、進歩している、頑張ればもっと伸びると言われる。客を逃がさないようにしているのだろう。
さて自分で上達を実感するほど伸びるにはどうしたらいいのかと、お正月休み前に図書館からそういった本を数冊借りてきて正月寝転んで読んだ。
読んで考えたことを書く。
読んだのは下記5冊である。
書名 |
著者 |
出版社 |
ISBN |
初版 |
価格 |
本当に「英語を話したい」キミへ |
川島 永嗣 |
世界文化社 |
4418135073 |
2013/03/16 |
1300円 |
すぐやる |
菅原 洋平 |
文響社 |
4905073468 |
2016/08/02 |
1380円 |
いつでもやる気の英語勉強法 |
三宅 裕之 |
日本実業出版 |
4534042859 |
2007/10/01 |
1400円 |
忙しい人ほどよく身に付く ながら英語学習法 |
吉澤 康子 |
祥伝社 |
4396611706 |
2002/11/01 |
1300円 |
60歳ゼロから英語を始めませんか |
小松 喜代子 |
三笠書房 |
4837925033 |
2013/05/16 |
952円 |

注:「すぐやる」は英語勉強法ではなく、一般的に行動力をアップする方法を書いた本である。
本によって性格というか対象者とか内容が異なる。模式的に書けば下図のようになるだろうか。

とはいえ対象者や表現が異なってはいるが、語っていることはすべて同じように感じた。
英語上達の要点は下記のようにまとめられるようだ。
川島はのんびりいこうというニュアンスがあるが、それは彼が言語の天才だからなのだろうか?
他の人はみな持てる全てのリソースを英語に投じ、ひたすら努力せよという。
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思い込んだら試練の道を♪ |
「忙しい人ほどよく身に付くながら英語学習法」なんてタイトルと中身は大違いで、シャカリキになって勉強に励めと語る。英語の道は険しく遠いのだ、まさに巨人の星
そういえば英会話スクールの先生も「日本語を勉強したときは日本語、英語を書いた紙を持ち歩き、バスや電車の中でひたすら口ずさみ暗記した」と昔の学生のようなことを言う。
努力に勝る才能なしなのか、ストイックやなあ〜
学問に王道なく、ひたすら聞き、読み、話し、書くしかないのだろうか?
みんなそういうならしかたがない。もう少し頑張ってみようか
しかしそうなると他のことができないじゃないか!
2ちゃんを彷徨うことも、囲碁クラブに行ってしりあいのへぼ手を冷やかすことも、昔の仲間今の友とだべったり飲んだりすることも、博物館や名所巡りをする暇もないじゃないか?
そこんところどうなんでしょうか?
1年だけならともかく、みなさん達成するまで何年もガンバローという。うーむ、最終的には根性なのか?
しかし・・・まとめるとすべてISO14001の構成と同じであることに気が付く。

まず方針を決める。
なんで英語やるのか、英語で何をするのかということをはっきりさせておかないと内容もレベルも納期も決まらない。
次に最終目標と当面目標を決める。到達点があいまいではやる気がそがれるし、とりあえずの目標値がわからなければファイトが沸かない。
そして目標を達成するためにどんな方法をどのようにどのくらいするのかということを決める。プログラムである。
そして実力をつけるためには絶え間ないトレーニング、まさに訓練である。ISO規格をJIS訳するときに教育訓練としたのは明らかな間違いだ。考えることなくひとりでに手足が動くように、耳から入ったら自然と口から返事ができるように自分自身をトレーニング(調教)しなければならないのだ。そして常に進捗を把握し、計画との差をなくすようにコントロールしなければならない。
これはISO14001の構成が優れているというよりも、元々目標達成の方法というものはパターンが決まっていて、そのサマリーをISO規格にしたに過ぎないのだろう。
退職したとき泳げるようになりたいと願ったときの自分を振り返るとどうなるのだろう?
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死ぬまでに | 2年後 | 1年後 |

私は当初の予定よりも1年遅れたが、希望は達成した。まだ死なないけど連続で3キロは泳げる。(但し翌日は疲れているだろう)
英語もこれと同じく考える次のようになるだろうか?
目的  ★英会話ができる★ |
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当面の目標 英会話学校の先生の 語ることを80%理解する |
死ぬまでに |
2年後 |
1年後 |
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既に過ぎているのだが ○| ̄|_ |
こうしてみると英語を話すのもスイミング同様、簡単に達成できそうな気がする。
とはいえスイミングはプールで2時間でも3時間でも練習していたが、英語をそれほど勉強する気にはなれない。前述の本を書いた人たちが3分とか5分のこま切れ時間をいかに活用するかを説いていたが、私の場合は1時間でも2時間でも遊休時間は腐るほどある。だけどモチベーションが上がらない。
何が違うのだろうか?
ひとつ思いつくのは、スイミングは成果が見え、英会話は見えないということがある。
昨日連続で300mしか泳げなかったのが今日500m泳げたというのは、客観的であり絶対基準で表される。それに対して英会話で昨日より今日進歩したかどうか分かるはずがない。これが最大の違いであり障害ではなかろうか?
そこんところは余計なことを考えずにただひたすら練習して通過しなければならないのかもしれない。愚直になれないと進歩しないのだろうか。
ともあれ、一番難しいのはトレーニングだ。口で言うのはたやすいが実行は難しい。これではいくら本を読んでもDVDを買い集めても・・・
昔、「なんで英語やるの」という本があった。その本の結論は人とのコミュニケーションをするためであった。それは真実だろう。今回もすべての本で目的はいろいろだろうけど、英語はコミュニケーションの手段であることは間違いない。
だからコミュニケーションを迫られなければモチベーションが上がらないということは間違いない。
同様に就活や転職などで英語を要求されれば成果は上がることも間違いない。追いつめられると人間は火事場のバカ力を出す。
だが現役引退した年寄りの私にとって、コミュニケーションが要求されているわけでもなく、就活しなければならないこともない。ただ英語を学ぶことによって友ができたり旅をしたり人生に生きがいが持てたりする。どうすればモチベーションがあがるのか。英語はツールではあるが、英語をものにすることだけに意味があるのではなく、学ぶ過程に価値を見いだせれば楽しみも倍加するし、モチベーションも上がるかもしれない。

本日の結論
私に必要なのは計画ではなく、絶え間ないトレーニングである。気が乗らないなあ〜
しかしなんだなあ〜、英語の勉強法だけ勉強しても英語の勉強をしなければ・・・
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