「テレビ局はなぜ放送法を守らないのか」

2017.12.04
お断り
このコーナーは「推薦する本」というタイトルであるが、推薦する本にこだわらず、推薦しない本についても駄文を書いている。そして書いているのは本のあらすじとか読書感想文ではなく、私がその本を読んだことによって、何を考えたかとか何をしたとかいうことである。読んだ本はそのきっかけにすぎない。だからとりあげた本の内容について知りたいという方には不向きだ。
よってここで取り上げた本そのものについてのコメントはご遠慮する。
ぜひ私が感じたこと、私が考えたことについてコメントいただきたい。

著者 出版社 ISBN 初版 価格
小川榮太郎・上念司 KKベストセラーズ 9784584137291 2016.07.05 1300円

私は基本的にテレビを観ない。せいぜい夕飯を食べているとき家内が「鉄腕ダッシュ」を観ていたら何となく見ている程度だ。自分が観ないからといって、家内が観ているのにテレビを消せと言うほど無粋ではない。

テレビを観ようという意思を持って観たのは直近では東日本大震災のときくらいだ。
いつからテレビを観ないかと振り返ると、まだ田舎にいたときで1990年代半ばだろう。なぜテレビを観ないのかといえば、第一に面白くないからだ。ドラマは見ていて恥ずかしくなるし、ドキュメンタリーはうそばっか、旅番組は見る価値がない。野球もサッカーもゴルフも相撲も元々スポーツに興味がない。

ニュースだって? インターネットがあるじゃないか、
そうだ!インターネットを使うようになってからテレビを観なくなったのだ。
実を言って日本のニュース報道は相当偏向している。どう傾いているかというと左側、サヨク側に偏っている。あんなもの見るのは精神衛生上悪いし、偏向報道ばかり見ていると洗脳されてしまう。
ネットではCNNでもBBCでも日本語でも英語でもニュース報道がただで観られる。海外の事件は日本のメディアよりも早く正確に知ることができる。そして日本のメディアと海外のメディアの取り扱いは大きく違う。そりゃその国の問題は最優先だろうが、イギリスイギリスにもアメリカUSAにも日本日の丸でもない国の地震とかテロなどの取り扱いが、日本と大きく違うから最初は驚いた。日本のメディアの重み付けの判断基準はグローバルスタンダードとはかなり違う。
具体例を挙げれば中東のテロは日本ではほとんど報道されないが、BBCなどはちゃんと報道する。日本人が5人死んでもアラブ人が5人死んでもイギリスにとっては等しい重さのようだ。日本ではアラブ人が5人死ぬのとフランス人が5人死ぬのは重さが違う。嘘だと思う方はニュースを当たってくれ。

2002年に仕事が変わり出張が多くなると、天気予報や交通情報を知るのが必須となったが、その頃には携帯電話にはiモードがあってテレビや新聞は必要なかった。
ホテルに泊まっても家に帰っても、テレビを観ようという気もなく、ネットでニュースをチェックし、仕事に関わる情報を眺めるという生活習慣が付いた。
私にとってテレビは必要なものではない。テレビとは、することがない人の暇つぶしだと思っている。つまり、小人閑居してテレビを観る、おっと、テレビを観ることを不善とまでは言わない。

テレビはうそばかり
テレビは信用できないね
● ● ● ●
私が都会に出てきてから、いやもっと昔からテレビの政治的偏向報道、視聴率を上げるためには捏造も厭わないという汚さを感じていた。しかし1990年代半ばからのインターネット普及によって、テレビ報道は真実ではないということが一般国民に知られてきたと思う。
その結果、TBSの偏向報道抗議デモが2011年に大々的に行われた。このとき私はネットの掲示板をみてデモに参加したが、そこで出会った人たちに声をかけたところ、みな政治思想の組織に属しておらず、2ちゃんとかネットニュースとかで見て来たという人たちばかりだった。このときの参加者は2500名だった。サヨクの大盛に盛った数字は論外として、この手のデモでは大勢だ。
まあそれ以降もTBSの左巻は変わらず抗議デモは毎年行われ、2017年にも行われた。しかしそうであってもTBSにスポンサーがつき、TBSを観る人がいるのが現実である。
同様に2011年にフジテレビは「嫌いなテレビ局第一位」に選ばれた。そのときフジテレビは「嫌なら見るな」と言ったそうだ。しかしそれ以降もフジテレビを見る人は絶えず、スポンサーも絶えない。
ということは、いかに日本の民度が低いということなのだろうか。
いや、待てよ、これは民度が低いからではなく、テレビ局の許認可という仕組みがおかしいからではないだろうか?
考えてみてください、自動車メーカーが欠陥車を販売したり、問題ある車のリコールを実施しなかったり、有資格者以外が仕事をしたりすると、テレビ局も新聞社も国民も当然批判する。そのために左前になった自動車メーカーもあるし、そうなってしまうことを、誰もがおかしいとか可哀そうだとは言わない。それは当然だ。
しかしテレビ局が偏向報道を批判されても、左前になったところはない。それはおかしくはないか? 自分たちは他業種を批判して、自分たちがミスしても嘘をついても犯罪を犯しても誰からも批判されないというのはまさに絶対権力者である。

注:
とりあえず新聞社は除く。新聞社も問題であるが、この本はテレビについて論じているから。

「権力は絶対に腐敗する(p.135)」なんてフレーズはマスコミが大好きだ。そしてマスコミが語る権力は保守系政治家に限定される。しかしそれはマスコミがそういうだけで保守系政治家が権力者であったためしは一度もない。だって考えてごらん、4年毎、実際には平均3年で選挙という洗礼を受ける身であり、大臣と言えど落選する人もいる。そんな選挙民の人気投票で地位が左右される政治家が、ましてマスコミから批判を浴びる保守系政治家が権力者であれるはずがない。
2017年に森友学園とか加計学園で国会で野党が安倍首相を責めたが、客観的に見て安倍首相は権力者と思った人はいかほどいたのか。いやがらせ、根も葉もない疑惑、繰り返される質問、どうみても野党が権力者で安倍首相はいじめられているとしか思えない。もちろん安倍首相はいじめられているとは思わず、「しょうがねえなあ〜、これも仕事」くらいに思っているのだろうが、
サヨクはよく安倍首相をヒトラーになぞらえるが、それってありえないよ
気に入らない敵対勢力を片っ端から処刑したり刑務所に放り込んだりしたヒトラーと、国会で野党の言いがかりに脂汗流して答弁している安倍首相が同じはずがない。

ちなみに「安倍+ヒトラー」で画像検索すると、おびただしい数の安倍さんにちょび髭を書き加えた画像が見つかる。そういう絵を描いている人たちは安倍さんが権力を持つ独裁者になってほしいのだろう。

ともかくそういった論理的におかしく倫理的にも欠陥がある野党を持ち上げたのはテレビ局である。つまりテレビ局は論理的にも倫理的にも欠陥があるのだろう。
なぜ欠陥がある組織が存在できるのだろうか? そこにはテレビ局を断罪する機構がないからだ。どんな機械でも正常に動くためにはネガティブフィードバックという仕組みが組み込まれている。つまり行き過ぎたら戻す働きが備わっている。それがなければ暴走し壊れる。

おっと、付け加えておく: フィードバックには二種類ある。正常から外れたとき、ずれを戻す方向のネガティブフィードバックと、ずれを大きくするポジティブフィードバックである。
スピーカー カラオケでマイクをスピーカーに向けると「ピー」という音がする。あれはポジティブフィードバックによる発振である。そのままにしておくとアンプかスピーカーが壊れる。どちらも壊れないと人の耳が壊れる。
地球温暖化もポジティブフィードバックによると言われている。
マスコミが暴走すると国が壊れる。だからテレビだけでなく新聞や週刊誌においても、ネガティブフィードバック機構が組み込まれていなければならない。
それは報道の自由を制限するということではない。捏造報道や間違い報道を許してはならないということだ。

話を戻そう。
「権力者は絶対に腐敗する」というのは論理的に間違いである。「ネガティブフィードバックが備わっていない権力者は絶対に腐敗する」というべきなのだ。つまり、「テレビはポジティブフィードバックが備わっている権力者だから絶対に腐敗する」という命題は正しく、現実に腐敗しているのである。
権力者とは絶対に批判を受けず金蔓が離れず言いたい放題のテレビ局なのである。
大事なことだからもう一度言う。権力者とはマスコミである。そしてマスコミは腐敗しているのである。

放送法というものを読むと、NHKのための法律のように思える。過去1世紀、NHKの前身時代からこの組織は日本の放送事業に数多の貢献をしてきたということは事実だろう。日本いたるところでラジオ・テレビが見られるという条件整備をしてきたのは事実だ。また放送技術、変調・復調、スピーカー、ハイビジョン、デジタル放送その他の研究もしてきた。
しかし今は21世紀である。ラジオもテレビも既に枯れた技術となり、今やNHKに研究所が存在する必要があるとは思えない。
枯れた技術ではなく枯れはてた技術かもしれない
またテレビ局は無数にあり、CSもありケーブルテレビもあり、テレビを観ないでインターネット放送を見る人も多い。要するに研究所だけでなくNHKはもはや存在する意義を失ったのだ。だから放送法を全面改正しNHK受信契約なんて廃止すべきだ。
NHKが強制的に受信契約をさせ大金を巻き上げるというのは、既得権にあぐらをかいたやくざ商法である。視聴者からお金を巻き上げる代わりにどうぞコマーシャルでも流してください。もちろん私はNHKも含めてテレビを観ないからお金を払いたくない。
しかし放送法の恩恵を受けて濡れ手に粟という商売をしているのはNHKだけでなく、すべてのテレビ局もおなじだ。民法テレビ局はNHKというヤクザの親分を見習ってやくざ商法を営んでいる。
それも自分たちに都合の良いことは放送し都合の悪いことは報道の自由を標榜して断固報道しない。そのやくざぶりには潔さが・・・あるわけがない。
ワイドショーというおかしな番組があるが、コメンテーターという人種は、知らないことを知ったかぶりで語る。バカ話を毎日聞かされれば一億総白痴になるのはしかたがないのか? テレビは白痴製造機らしい。
「白痴」とは差別語だなんて語ってはいけない。
かの大宅壮一が生み出した流行語である。今から60年前のことであった。

一々問題点を上げることもない。この本はいかに日本のテレビは利権に胡坐をかいた悪徳商法であるかということを、これでもかというほど書き連ねている。
まことにその通りである。
一般企業のサラリーマンが年収1000万を超えるには相当出世するか、特許を取ったとか、給与以外の資産があるとかだろう。ところが放送局には年収1000万を超える人がザクザクいるという。NHKの平均給与つまり新入社員も含めた平均が1780万以上だという。これほど高い賃金はどう考えてもおかしいだろう。一旦NHKの平均給与を700万くらいに見直して、それで契約金を調整しても良いのではないか。
ちなみに日本のサラリーマンの給与は50代のピークで650万だそうだ。
レタス そういう高給取りが、「最近野菜が高い」とか「レタスが280円もしたのよ」とか語るのを聞くと、フザケルナーと思うのは私だけではないだろう。
麻生さんがカップ麺の値段を知らないことよりも怒りがわく💢
麻生さんは自分からカップ麺の値段をドヤ顔して言ったわけじゃない。
年収1500万も取っている人が、レタスが20円や50円あがって文句を言うんじゃねえ!
俺たちはレタスよりもあんたの高給に文句があるんだ!

昨今、正義のヒーロー扱いされている池上彰なんて、実際は騙っていることの3割はおかしいし、3割はどうでもいいことで、まともなことは3割はない。私はISOで飯を食っていたが、池上がISOについて語ったことはうそばっか💢、池上がお薬手帳について語ったときは知り合いの薬剤師があいつはうそつきだとカッカしていた。そんなもんなのだ。
要するにワイドショーばかりでなくテレビが語ることは信用できない。そして一過性だからあとで訂正しても嘘あるいは間違えた報道を見て信用した人の認識の修正はきかない。
ザ、ベストテンの司会をしていた久米宏とかプロレス報道の古舘伊知郎が政治を騙っても信用できないよ。せめて大学院に入りなおして政治とか経済を学んできてからにしてほしい。もちろんそれでも無条件に信用はできないから、修士論文とか博士論文を拝読してから信用するかしないかを考えたい。
しかし彼らの稼ぎは驚くしかない。
古舘伊知郎は引退した2015年に報道ステーション1本で30億稼いだという。一般国民から見たら雲上人だ。どう考えても古館が田中将大より価値があるとは思えない。2015年マー君は2200万ドル(当時のレートで24億)だった。
同じくNHKの国谷裕子なんて偏向報道の生きた見本で北朝鮮のリ・チュニにしか見えない。
国谷裕子は籾井会長に追放されたそうだが、籾井会長在任中唯一のファインプレーである。

怒りに任せて書いてきたが、この本はぜひ一読すべきだ。そして我々はもっと中身のある公平で客観的な報道を要求すべきだ。
ジョン・F・ケネディ それは私たち国民の権利である。
1962年にジョン・F・ケネディは消費者の権利として4つ挙げた。
我々はアメリカ市民よりも半世紀も遅れてしまったが、視聴者の権利を要求しよう。
まずはそこから出発しなければ日本国民はテレビ局に食い物にされるだけだ。
あなた、私たちをコケにして年収1500万も取っている人を許せますか?

この本は放送法の問題をほぼ網羅しているし、概要を簡潔にわかりやすく記述している。
ただこの書籍が対談という形態をとっていることにはいささか疑問だ。わざわざ二人が交互に発言したことを活字にする意味が理解できない。はっきりいってページ数の水増しとしか思えない。共著であろうが事実を述べ、問題点を提示し、解決策をあげるということで必要十分ではないだろうか。
それではページ数が少なくなってしまうと心配するなら、関係法令の条文を併記したり、引用文献を参照できるようにすべきだろう。呉善花さんの本は新書であろうと、論文のように引用文献リストがしっかりとついている。お二人とも研究者じゃないようだが、いやしくも本を著すなら詰めるところはしっかりと詰めてほしい。

老人ドライバー 本日のまとめ
年収1500万は高すぎる テレビ報道が偏向しているか、捏造かは分からない人も多いでしょう。
でもテレビ局で働く人がとてつもない高給取りであることはお分かりでしょう。それはおかしいと思いませんか。せめて国民の平均くらいであるべきです。そこから改善を求めていきましょう。


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