認証返上

19.09.26
前回はISO認証するにはどうするのかと書いたので、今回はISO返上、つまりISO認証を止めるときどうするのかを書いてみようと思う。
実を言ってアイソス誌を始め書籍やネットのコンテンツで、ISO認証するきっかけとか認証のノウハウなどはたくさん見つかるが、ISO認証を止める理由とか方法を書いた書籍あるいはウェブコンテンツは見たことがない。だから需要があるかもしれない。
えっ、「当社ではISO認証を止めるなんてありえません(キリッ)」なんておっしゃるのですか? でもこの世の中「ありえないことはありえない」ヨ、

おっと、お前は知っているのかと問われそうだ。
鼎の軽重を問うのはいけません。私は1990年代初頭にISO9000s認証に関わって以来、自分の勤め先が認証返上したことも、仕事で関連会社が認証を止めるのを支援したことも多々あります。その数両手を超えます。私は認証するだけでなく、認証返上もプロなのです。ご安心ください。

  1. 始まり始まり
    ものごとは始めるときよりも終わるときが困難というものが結構ある。結婚と離婚を考えるとよく分かる。 結婚 男女の出会いには職場・学校・合コンその他よりどりみどり、結婚だって勢いだ! 私の場合は付き合ってはいたものの結婚までは考えていなかったが、親同士が結婚を決めてしまい、まあいいかと……
    しかし付き合いをやめるときは、へたをすると無理心中とかストーカー問題になったりする。一旦結婚してしまえば、お互いに法律の規制を受けて同棲を止めるように簡単にはいかない。
    ISO認証を止めるときも、へたをするとそんなことになるのでしょうか?
    ではいってみましょう。

  2. ISO認証を止めるときって、どんなとき?
    認証を止めるときとは、認証が必要でなくなったときです。
    いろいろありますが、具体的には

    1. まず会社の倒産や清算で認証組織が消滅するときでしょう。倒産したときはわざわざISO認証やめると認証機関に連絡しないかもしれません。正直言って、それどころではないでしょう。
      コンビニ店 20年ほど前、当時田舎に住んでいた我が家の近くに元酒屋だったコンビニがありました。経緯はわかりませんが、ある日夜逃げしました。
      次の日にはそのコンビニの本部が手配した建設会社が来てコンビニの看板や一目でコンビニと分かる照明などを撤去しました。まさか夜逃げする人がコンビニ本部に連絡はしなかったでしょうけど、コンビニ本部は素早いですね。それほどコンビニのブランドを維持するのは重要なんですね…
      ISO認証の場合は、倒産しても認証機関がそれほど即座に動くことはなさそうです。
      これまた私の経験ですが、倒産した工場の塀に「ISO9001認証 ○○認証機関」と大書してありましたが、倒産して何年も経ちますが、いまだにそのまんまです。

    2. 一番多いのは会社は存続していても、認証を受けた事業とか製品の生産をやめたときでしょう。
      今はほとんどが工場まるごととか企業単位で認証しています。これは除外規定云々ということもありますが、認証機関から見れば部分より全部のほうが売り上げ増でありましょうし、企業から見ればカフェテリア認証ではないかと痛くもない腹を探られたくないこともあるでしょう。
      実を言って審査工数は比例ではなく双曲線を横にしたような曲線ですから、規模が大きい方が費用削減になるのです。ですから一部門と工場全体なら一部門だけの方が安いですが、工場の一部門ずつ複数認証するよりは工場丸ごと認証した方が安い。ですからISO14001では無関係の複数の会社をまとめて、○○地区などと称して、十把一絡げで認証しているのが多い。
      工場 ISO認証の初めの頃、1990年代中期までは必要な事業のみ認証するのが当たり前でした。一つの工場で製品ABCを作っていて、製品Aの輸出先あるいは客先からISO認証の要請があれば、その製品に関わる部門のみ認証するというのは当然です。UL認定だって、アメリカ向けと国内向けの製品があれば、国内向け部分の認定を受けることはありません。それと同じです。
      おっと、そんなわけですから客からISO認証を求められた製品Aの生産を終えれば認証を止めるのは当然でした。当時はマネジメントシステムなんて言わず、品質保証ですからね。

      ところがですが
      1990年代初頭では、ISO9000sを認証することは自慢になりました。ですから認証を受けた製品や事業が終息しても、ISO認証を止めないというところもありました。ちょっと考えるとバカみたいですが、実際にありました。
      今じゃ、そんなバカなことをしている会社はないと思いますけど

    3. その他、認証が必要でなくなったとき
      例えばISO認証を受けたが客先が要求しなくなったとか、客先の優遇措置がなくなったときがあります。
      またISOを認証すると会社が良くなるなんて 騙されて 認証したものの、費用対効果がないときもあるでしょう。もっともこの場合、そんな露骨な言い方をせず、当社はISO認証を卒業したとか、ISO規格以上の管理を行うことにしたなんて言い方をします。そんな広報発表を見聞きしたら、ああ、この会社は費用削減のためとか余裕がなくなったから認証を返上したのだなと思って間違いありません。
      お気づきと思いますが、エコプロ展に参加しなくなった企業の多くはそうですよ、
      もちろん会社存続の危機ならば、お飾りのISO認証は止めるべきでしょう。危機でなくても止めた方が良いと思いますが……

  3. 事例紹介
    私は四半世紀も企業の立場でISO認証に関わってきましたから、前述したことは机上の空論ではありません。いくつか体験事例をあげましょう。

    1. 1993年初めにイギリスの認証機関からISO9002認証を受けました。それから数年で認証を受けた製品の輸出を止めました。
      認証の時はビジネスに必要ですから営業部門が積極的に手伝ってくれましたが、事業終息のとき営業部門は無関心です。それは当然でしょうけど……ということで私が拙い英語で状況説明と返上手続きを問い合わせました。するとすぐに返事がきました。
      「了解した。頂いたeメールで処理は完了だ。審査登録証とロゴマークの清刷りを送り返してほしい」とあるだけ、簡単ですね。英語の文章で数日悩んだことは無駄でした……
      正直いって、先方のフォームに工場の責任者のサインorハンコを押して出せとか言うのかと思っていました。欧米でこういうことは、一担当者のeメールだけで間にあうのでしょうか? ちょっと驚きました。
      それに理由も聞かれませんでした。携帯電話でさえ止めるときはいろいろ聞かれ、引き留められるものですけど、

    2. 1998年頃、ISO9001を認証していた事業が終息しました。このときも外資系でしたが国内の認証機関でしたから、日本語で問い合わせのeメールを出しました。
      このときもすぐに「審査登録証とロゴマークの清刷りを送り返してほしい」と返事がきましたが、それだけでなく過去の審査のときチェックを受けた、名刺、看板、パンフレットなどへの認証の記載とロゴマークの削除について、状況の問合せと対策の確認がありました。審査のとき「ロゴマークの審査」という項目がありますが、単に表示が適正なのかを見るだけでなく、認証をやめたとき関わることを調べているのに気づき驚きました。
      このときも工場長のハンコのある書類を出せなんて言わず、問い合わせのeメールだけで済みました。
      もし悪意のある担当者が、事実無根で認証を返上しますと連絡したら問題でしょう。あとでその担当者が処罰されたとしても影響が大きすぎませんかね? それに法人間の商取引としてはどうなんでしょう。性善説なのでしょうか?

    3. 自分の勤め先ではなく、関連会社の認証返上も多々ありました。
      初めて認証を止めたいという相談を受けたのは、2004年だと思います。国内の製造業でしたが、顧客が親会社(つまり私の勤め先)1社しかなく、毎年の審査料金がバカにならないこと、認証がまったく意味のないことから返上して良いかという問い合わせが来ました。

      ご存じのように、大企業はぶっちゃけて言えばイメージアップのために、グループ傘下の関連会社にISO認証を要請(強制)するのが普通です。指示に従い認証しても、数年経てば意味がないと気が付きます。
      そんな問い合わせを受けても、私個人が認証をやめてもOKなんて言えるわけはありません。その関連会社に関わる事業部、関連会社の監督部門、その他関係部門の意志を確認して「返上OK」という了解を得るまでが一苦労でした。
      大企業ですと「たった〇万円くらいケチケチするな」とか「日経環境経営度に影響するのでは」 ヤレヤレ なんて言い出す人が必ずいるものです。もちろんそう語る人は、私より職階でふたつもみっつも上ですからむげにできません。
      そういう人を説得するには、グループ内の監査をしっかりやって当社グループの遵法や事故防止に努めるので大丈夫とか説得したものです。もちろん説得できないこともありました。
      しかし毎年のように認証返上希望が出るようになると、うるさいことを言う人はいなくなりました。時代の流れと認識したのでしょう。
      こういう返上要望は2000年代半ばからは毎年ありました。そんなわけで日本のISO認証がその頃から減少してきたのを体感しました。
      認証返上した会社には、その後認証を返上して不利なことがありませんかと質問しましたが、どこも問題なしと回答してました。

      中には認証を止めるのではなく、認定を受けた認証機関から、認定を受けない認証機関に鞍替えした会社もありました。どうせ商取引に無関係なら安い方が良いということでしょう。認証をやめなかったのは、やはり外聞を気にしたのでしょうか?

      海外生産拠点でも同じです。やはり2000年代半ば以降、海外工場でも認証を止めたいという問い合わせがありました。海外から問い合わせを受けたときは向こうの要望に応えるだけでなく、せっかくの機会ですから現地のISO事情といいますか、その国の規格解釈とか認証の状況などを聞きました。
      イタリア・スペインでは日本以上にコンサルがはばって 力を持っていて、審査の際は認証機関と交渉して不適合をどうにかしちゃうとか、イギリスでは審査は重大なイベントではないなどさまざまです。
      ただ知る限り、「有益な側面」という考えがある国ありませんでしたし、「環境目的が3年以上」というところもありませんでした。英語が母国語とか普段使っているところでは、規格を読むとそういう発想が起きないのかもしれません。
      となると「英語が不得手な人が有益な側面を語る」のでしょうか

      真面目な話: いかなる版の英文にも和訳にも、環境側面に有益とか有害があるとは書いてない。そしていずれの版のアネックスにも「有害か有益かを問わず、全体的に又は部分的に環境側面から生じる、環境に対する変化を環境影響という」と明記してある。
      これを読めば一つの環境側面から、有害な環境影響も有益な環境影響も発生することはあり得ると読める。ならば有害な環境側面と有益な環境側面に分けることはできないと考えられないのか?
      有益な環境側面なんて昔のことさ、なんて言わないでほしい。
      幸いなことにここ数年は「有益な環境側面」というタイトルあるいは副題の本は出ていないが、2018年でもプラスの環境側面という論を張っている審査員研修機関もある。ISO規格を読んでいるとは思えない。

      前言を翻します。
      「日本語が不得手な人が有益な側面を騙る」というのが真のようです。

  4. 返上時の実施事項
    通常言われるのが次の事項です。

    1. 審査登録証の返送
      審査登録証というのは企業がもらったのではなく、認証機関からの借り物なんですね。ですから認証が解消すれば返さなければなりません。
      おっと、2000年以前は、お金さえ払えば審査登録証は何枚でも購入できました。その場合、認証返上のときどうしたのでしょうか? まさか官公庁や自治体あるいは顧客企業に入札資料として提出した審査登録証を、何年も経ってから返却してほしいなんてことが通用するはずがありません。


      BBCB
      Certification of Approval
      Awarded to
      OROCHI KIKOH CORPORATION


      BB Certification Body certify that the
      Quality Management SYstem of the about
      supplierhas been assessed and found to be in
      accordancewith the reuirements of the quality
      standardsand scope of supply detaiied below.

      QUALITY STANDARDS
      EN 29001-1987 ISO9001-1987 BS 5750:Part1:1987


      SCOPE OF SUPPLY
      DESIGN AND MANUFACTURING OF PRESSED PARTS


      For BB CERTIFICATION BODY

      Date 7th.JUNE,1992 sign of President
      左図は架空のものですが、まあ書いてある文言は似たようなものです。
      これ一枚で100万円と思うと、暴利ですよ、暴利!

      実際は余分に注文しても1万もしなかったと思いますが、企業から見れば審査費用はこの免状をもらうために支払ったわけで……

      ところで私の体験ですが……1993年に1987年版のISO9001で認証後、1995年の更新審査を受けて1994年版の審査登録証が送られてきたのだが、以前交付していた1987年版の審査登録証の返却が求められなかった。当時は初めてのことで、古い審査登録証は我々が頂いたものと気にもしなかった。認証機関が忘れたのか、阪神淡路大震災の直後だったから認証機関が混乱していたのかもしれない。
      その後、認証していた事業が終息して認証を返上したときは、先方から要求され1994年版の登録証を返却したが、1987年版のものはそのまま保管していた。その後更に何年も経ちその事業の書類を処分したとき、87年版の登録証を上長の許可を得て記念に頂いた。実は今私の部屋に飾ってある。
      上長の許可も受けたし機密書類ではないから、会社規則にも法にも抵触しないはずだ……それにその認証機関は既に

      話は違いますが、パンダは中国からの頂きものではなく、レンタル品、借り物なんですよ。 パンダ レンタル料は一匹 年1億円以上だそうです。
      それを聞いたとき大金を取ってひどい! と思いましたが、絶滅危惧種なので国際法で所有権を移すことができないそうです。それならしょうがありません。
      審査登録証も絶滅危惧種だから所有権を移転できないのでしょうか?

    2. 清刷りの返送
      清刷りも審査登録証と一緒に返却しなければなりません。もっとも今はどこでも電子データでしょう。
      ロゴマーク
      ロゴマークの印刷について、イギリス系の認証機関はあまりうるさいことは言わなかったが、日系の認証機関はロゴマーク印刷の、色のバラツキとか線数とか細かいことを言った。もっとも言われただけで実態を調べたことはなかった。
      あなた PDCAのCAがありませんよ
      まあ終戦直後ならいざ知らず、20世紀末の印刷技術では問題になるような不鮮明とか色違い、色ずれなんで起きません。
      不肖おばQ、ISOに関わって初めて「清刷り」と「版下」の違いを知りました。

    3. ロゴマークや認証を表示したものの処置
      正直言って今どきロゴマークとか「ISO9001認証工場」なんて表記するものだろうか?
      もちろん中には認証すると嬉しさのあまり正門に「 ISO14001認証取得」と看板を出す会社は結構ありました。煙突に「ISO認証工場」と大書した会社もありました。営業車に「ISO認証NO.XXXX」なんてペンキで書いた車も見かけました。
      ときどき「ISO 認定工場」というのを見かける

      社用車への表示はOKとか条件つきとかダメとか、いろいろ変遷があったようですが、現実には都内でも千葉県でも今も多数走っています。認証機関の指定通り表示したとして、認証を返上したとき表示を消しているのでしょうか?
      煙突の高さによりますが、大書したものを消すには足場を組んだりして、すぐに100万単位でお金がかかります。物入りだから認証を返上した会社が、その表示を消すためにさらにお金を払うとは思えませんね。実際には倒産した工場の煙突に書かれたままになっているのを見たことがあります。
      やる気なら審査契約違反で強制執行して消去することも可能でしょうけど、前述したコンビニより認証機関はブランドイメージ維持の執念が足りないのでしょう。

      • 最も多いのは名刺でしょう。
        皆さん名刺ってどれくらい使いますか? 営業マンや職階の高い人なら、月に何箱も、場合によっては1回の会合でひと箱100枚配ってしまうかもしれません。
        でも営業でも資材でもない、特段外部の人と付き合うことのない人なら、1箱渡されて使い切るのに1年や2年かかるかもしれません。特にここ最近は無駄排除が当たり前となり、社内の人とは名刺交換禁止と言われたりします。
        ISO認証すると名刺にロゴを入れたり、わざわざ日本語でISOxxxx認証工場なんて入れたところもあるでしょう。今ある名刺がもったいないという会社では、小さなシールを作り追加貼り付けしたところも多いです。
        話はそれますが今のようにISOだけでも品質・環境・情報セキュリティ・エネルギー・アセット云々となりますと、もう名刺に書ききれません。ISOだけでなくその会社のコーポレートのマークとか新製品のキャッチフレーズなどを入れると、すき焼きの鍋か焼肉のようなごった煮です。
        勲章に略綬があるように、小さくシンボルマークが並んでいる名刺を見たことがある。もう何のために表示するのか分からない。

        参考までに: 軍人や官僚が功績をあげたときに与える賞が勲章である。勲章は結構大きく、左胸に二・三個付けるのが限度。しかし軍人を30年もしていると勲章や従軍記章は10個20個となる。それで縦10ミリ、幅35ミリくらいのピンでとめる長方形の記章を代わりに着用する。これを略綬という。
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        自衛隊の人が礼装のとき、左胸に左図のような記章をつけているのを見たことがあるでしょう。
        同じ系統の略綬は複数つけず、略綬に銀色や金色の桜花をつけて受賞回数を示す。略綬の種類を見分けることができると、その方があげた勲功とか、どんなオペレーションに参加したかが分かる。

        私が会った他社の環境担当者は、保有資格を名刺に書き込んでいましたが、表面に書ききれず裏面にも羅列していました。
        環境計量士、作業環境測定士、あたりはさすがと思いますし、各種公害防止管理者、2級ボイラー技士、乙種第4類危険物取扱者、ISO審査員補までは納得ですが、作業主任者とか特管産廃管理責任者になるとモヤモヤし、エコプランナーに至っては書かない方が良いのではと思いました。自己顕示欲でしょうけど哀れみしかありません。
        私ですか? ヒラですよ、ヒラ、肩書何ぞ……

        おっと、名刺にロゴマークを付けた場合は、基本的に認証返上したときに削除しなければなりません。 私が関わったものは、認証返上したときは既に事業終息して製品を作っていませんでしたから、営業も組織が変わり、関係者の名刺はすべて新規になりましたから問題ありませんでした。
        でも配る名刺のロゴマークの表示をやめても、もらった方にとって名刺は取引先の重要な資料ですから後生大事に保管しているでしょう。それはどうなんだという話になりますね?
        例えば私が認証機関から頂いた営業や審査員の名刺は、私が退職するまで持っていました。認証機関の中には認定を返上したところもあり、当然 認定返上後は認定機関のロゴマークを削除したのでしょうけど、私は頂いた名刺をずっと保管していて、ここはどこの認定を受けていると思っていた……なんてことはないですね。
        そういう大事なことは名刺だけで判断できません。認定機関のウェブサイトで認定を確認するでしょう。重要な場合は認定機関に電話して認定範囲を確認するとか、
        もちろん取引先も認証しているかどうか名刺だけで判断はしないでしょう。昔なら審査登録証のコピーを出せとなったでしょうけど、今なら認証機関のウェブなりで確認するでしょうね。となると名刺からロゴマークを削除するのは当然ですが、残っていても大きな問題にはならないように思います。

      • カタログ、パンフレット
        まず製品がISO認証を受けたような表示はできません。
        どうしても書きたいなら製品とは直接つながりがないように、例えば製品カタログの末尾に「この製品を製造している○○工場はISOxxxx認証を受けています」と記載します。でもね、そんな文言を読んで、この工場はISO認証を受けているから何か良いことがあると考える人っていないような気がします。少なくても私は何とも思いません。
        もちろん認証を返上すれば、それ以降 認証云々の記述は削除します。でもこれも全国の販売店に配ったカタログまで排除は不可能でしょう。カタログだって2年や3年使うかもしれない。
        新聞や書籍で誤報があっても、謝罪広告で終わりですよ。家庭に配布した新聞や店頭に並んだ書籍はそのままでしょう。朝新聞が従軍慰安婦の誤報を世界中にばらまいても、なんのアクションもとりません。

      • 包装箱
        包装箱などには元々表示できません。
        とはいえアマゾンで買った中国製の小物家電の包装箱には、しっかりロゴマークが印刷してありました。
        まあ、誰も気にもしないでしょうけど。
        いや、ということは認証よりも現実の品質が優先というのが真実…(以下略)


うそ800 本日の疑問
毎年多くの企業がISO認証を返上しているが、名刺などに表示されたロゴマークをすべて抹消したのはどのくらいあるのだろうか?
想像だけど、ほとんどの企業は名刺はそのまま使い切るのではないだろうか。
どうなんでしょう?


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