うそ800始末9.ISO雑誌

20.02.17
うそ800始末とは

ISO第三者認証に関する雑誌は、私が知る限り過去3誌あった。
ひとつは今も存在しているシステム規格社の「アイソス」であり、他の二誌は既に休刊(廃刊)した日刊工業新聞社の「ISOマネジメント」と大手審査員研修機関グローバルテクノ社の「アイソムズ」である。
では本日はそれをネタに語る。

アイソムズ
「ISOマネジメントシステム規格」の英文字頭文字「ISOMS」と書いてアイソムズと読む、非常に安易なネーミングだ。でも他の2誌も似たようなものか。
この雑誌は2003年から2006年までの短い期間発行された。
この本を一言でいえばグローバルテクノの広告が多いこと、それと審査員向けの内容だった。審査を受ける企業の人が読んでも、あまり役に立つことはなかっただろう。
特に気になったのは、レイアウトとか段落・行間などがプロが作ったとは思えないゴチャゴチャしていて読みにくい、というか読みたくないと思ってしまうようなものだ。素人が編集したとしか思えない。表紙もセンスがイマイチで、垢抜けしたアイソス誌と比べると歴然だった。書店にアイソムズ誌とアイソス誌が並んでいたら、10人中9人がアイソス誌を手にするだろう。

しかしこの雑誌の最大の問題は、販売戦略にあったのではないだろうか。私はこの雑誌が書店で売られていたのかどうか記憶がない。そもそもこの本を知ったのは、グローバルテクノで講習を受けるたびに、先月号とか先々月号をお土産でもらったからだ。
考え中
うろ覚えだが最新号をもらった記憶はない。
よくISOコンサルが書籍を書くと、自分の講習会でテキストに使うことがある。本を出せば箔が付くだろうが、そうそう売れるわけはなく、初めから自分の講習会で使うのが目的なのだろう。
大学教授が自著を講義で使うのも学生に売らんがためである。論文の引用文献に指導教員の著書があると覚えめでたい。
しかし本が捌けることと評価は一致しない。無償で頂いた本に、どんなイメージを持つだろうか?
私は無料で配るものなら、最初から配布用に作っているのだろう ⇒ ならば値付けは意味がなく ⇒ たぶん価値がない……そういう連想をする。私だけかもしれないが、(注1)

このアイソムズ誌をもらった人の多くは、まっとうな本ではなくグローバルテクノの宣伝チラシと思ったのではないだろうか。そう思うと金を出してこの本を買う気にはなれない、少なくても私は、
当時グローバルテクノでの種々講習会の受講者は月3000人はいただろうから、受講者に配る他にプラスアルファの部数が捌ければ良いという考えだったのかもしれない。
いずれにしても内容は審査員向けだから、企業の担当者には売れなかっただろう。もちろん審査員研修機関が審査員向けに出すのだというならそれは一つの考え方だけど、その場合はマーケットが小さすぎることに留意しなかったのかどうか?
ましてやアイソムズ誌だけしかないわけではなく、アイソス誌という強敵があったわけだし、
ともかくアイソムズ誌はいつしか消えた。私の同僚や他企業の同業者の話を聞いても、アイソムズ誌を購読していた人はいなかった。講習会でもらったという人はいたけど。


ISOマネジメント
日刊工業新聞が2000年から2013年の間発行していた。
A4よりちょっと小ぶりで、専門誌というより週刊誌のようなカジュアルで、内容も初心者向けであった。
企業で働いていれば見たことがあるだろうが、日科技連発行の「QCサークル」という小集団活動の雑誌(冊子?)がある。この本のイメージはまったくそれと同じで、テーマをISO第三者認証にしたと思えば間違いない。
この雑誌に寄稿していた人は認証制度の中心から外れたような人が多かった。まあ初心者向けなら誰が書いても問題になるようなことはないとは思う。ただ平易に解説すればよいものを、ユニークさを出そうとしているような感じの記事も散見した。文学じゃなく実用書なのだから、スタンダードな解説で十分なんだけど。

この雑誌の問題は、初心者を対象にしたことだろう。初心者はいつまでも初心者ではない。いつしか一人前になり、そのうち一家言持つようになる。初心者対象のこの雑誌だけ読んでいても、半年経てば一通りのことを知りこの本を卒業してしまう。

そう言って気が付いたのだが「QCサークル」誌は永遠に同じことを書き続けている。ということはサークル活動は卒業というものがないのか? 進歩がないのか? 現場作業者は新陳代謝するから一定レベルでも需要があるのか? これは専門家の研究を望む 🙄。

このような初心者相手の雑誌は常に新しい初心者を必要とする。しかし企業でISOに関わる人はそう多くはない。認証時には一つの工場で20人程度勉強するとしても、認証したら新規にISOを学ぼうとする人はまずいない。だから雑誌の企画を間違えたのではないだろうか。
アイソムズ誌は対象マーケットが小さかったが、ISOマネジメント誌も対象としたマーケットを限定しすぎたと思う。

むしろこの雑誌を10年以上発行したというのが驚きだ。創刊した2000年頃のISO9001の登録件数を二度差分を取ると、既にほとんどゼロだ。二度差分(微分)したものがゼロということは変曲点ということで、まもなく認証件数の増加が止まり減少するのはわかりきったことだ。マーケットがシュリンクするのが見えているとき新規参入するのはビジネスセンスがない。まあそれをいうならアイソムズ誌の方がより時流に遅れていたわけだが。

まあ2000年代当初は、環境雑誌が続々と発行される時代だったから、時流に流されたのかもしれない。当時働いていた職場ではそういった環境雑誌をいくつも購読していたが、コンテンツ不足は明白だったし雑誌ごとの独自性もなく、いずれもすぐに購読をやめた。そして2010年を迎えずに多くの環境雑誌は廃刊された。最後まで残ったのは日経エコロジー誌で、それも2018年で終了した。


アイソス
私が最初にISO9001認証してすぐに規格改定になると聞いた。1993年か1994年だ。しかし改定されるとは聞いたが、詳細は一切わからない。
工場の規格担当者に日本規格協会に問い合わせてもらったが、そこもまったく情報不足だった(注2)
自分の工場の規格改定対応もせねばならないし、当時進行形で海外工場の認証支援をしていて、1987年版で審査を受けるのか1994年版なのかもはっきりせず、改定情報もなく気が気でない。

アイソス誌 そんなとき1994年改訂ドラフトの英和対訳本が出ると聞いて探したら、それがシステム規格社だった。
入手したドラフトの対訳本は薄い冊子で3000円かそれ以上した。なんだか怪しげではあったがそれ以外情報がない。ひたすら読んだ。
その後、維持審査に来た外資系認証機関の審査員がそんなもの入手することありませんよ、規格改定といっても即変更ではない、移行期間というのがあると言う。そういう情報さえ初めて聞いた。

ともかく当時知る限り、ISO規格の情報源は日本規格協会だけ、それも「標準化ジャーナル」という日本規格協会の雑誌しかない。その本に新たに制定・改定されたISO規格とかJIS規格が載っており発売日も書いてあった。「標準化ジャーナル」に書いてある以上の情報は日本規格協会も持っていなかった。当時は日本規格協会以外、知るすべがなかった。
そんな状況だったからISO9001改訂ドラフトを発行してくれたシステム規格社には感謝しかない。
ところで1990年頃は毎月チェックした「標準化ジャーナル」も、2010年に廃刊になった。ネットの時代、規格の制定・改定の広報は月刊誌を出すまでもないのだろう。

閑話: 「標準化ジャーナル」の情報を確認するため、国会図書館のデータベースで「ISO規格+制定+改定」をキーワードに検索した。「標準化ジャーナル」がトップにでたが、その次に「世界の規格便覧 第3巻」という書籍がきてその監修者が飯塚幸三とあって驚いた。
当時 飯塚さんは絶頂期だっただろう。彼の老後にとんでもないことに……
💥プリウス


その後、システム規格社をウオッチしていたら、ISO専門の月刊誌を出すという。最初「システム規格」という誌名だったが後に「アイソス」と改題された。それが私とアイソス誌の出会いである。

アイソス誌はISOMS規格専門誌の嚆矢であり今も続いている。とはいえ発行部数は長期間減少傾向にある。
ISO雑誌発行部数推移
発行部数は最盛期1万部を超えていたが、2010年頃から減少し2018年は6500部となっている。
この部数は過去8年変わっていないからなにかあるのかもしれない。
アイソス誌は発行期間が長いこともあり、時とともにどんどんと性格というか対象マーケットを変えてきた。
20世紀はまだ受審側は情報不足状態で認証制度側がはるかに優位だった。それで私は認証制度側と同等の知識を得ようとアイソス誌を読んだ。そういう読者は多かっただろうと思う。
特に田舎に住んでいた私は講習会に行くのも大変だし、アイソス誌に寄稿している方々の講演を聞くこともままならない。しかし当たって砕けろ精神と物おじしない心臓の私は、アイソス誌に寄稿されている方々に種々質問メールを送り、何人もの方からご返事・ご指導をいただいた。まさに「門をたたく者には開かれる」である。己の図々しさに呆れるとともに、感謝の念に堪えない。これもインターネット時代だからこそである。もちろんご返事された方は1割程度だった。
ともかく当時のアイソス誌は、企業担当者に情報を提供するという立場をとっていたと思う。もちろん審査員やコンサルに対しても同様だろうけど。

やがて企業担当者もISO認証のために必要とする情報・知識は持つようになる。そして一部がマニア化し、そういった人たちがアイソス誌で集い自分たちの考えを発信するようになる。
だが私にとってISO認証は仕事であり趣味ではなかった。つまらないことをひねくり回して、議論のための議論には乗れなかった。またISO認証を踏み台にして社内外でのし上る気もない。そういう考えと行動についていけず、私はアイソス誌の購読を止めた。

21世紀になり会社を替わり、新しい職場ではアイソス誌を購読していた。暇なときにながめると、1・2年見ない間にアイソス誌は性格を変えていた。QMS・EMS以外の認証規格が検討されており、そういう規格解説や、認証制度の仕組みというのを知ることができた。
私はQMSもEMSも審査員登録をしていたから、審査員研修機関とか審査員登録機関などについては知っていたが、JACB(日本マネジメントシステム認証機関協議会)とかJATA(審査員研修機関連絡協議会)なるものも知った。

そういった機関・団体のウェブサイトをみると、運営のルールなどが対外的に公表されていることが多い。なるほどISO関係の機関は文書化・組織化が得意なのはよくわかった。特にCEAR(環境マネジメントシステム審査員評価登録センター)は、ほとんどすべての手順書の中身を公開していた。それに対してJRCA(審査員研修機関連絡協議会)は審査員申請者が必要となるものだけを公開しているだけでその他は闇の中である。
審査員の人数にしてもCEARは公開していたが、JRCAは非公開である。
情報公開とか外部コミュニケーションを標榜する日本規格協会としては、いかがなものかと…😃

閑話: 当時、審査員登録更新を申請したとき、CPDが足りないとか、記述のしかたが不適当だとか、JRCAとかCEARからイチャモンが付いたことがある。田舎にいればお手紙でのんびりとやり取りするのだろう。しかし東京勤務だからイチャモンメール(もちろん紙のお手紙)が来ると、外出して新橋とか神田に行って直接話をした。行ってみればJRCAもCEARも安い雑居ビルにいるものだと感じた。
アッ、本題に関係ない独り言です。

ともかくアイソス誌は第三者認証制度の概要だけでなく、現状を知るには非常に役立ったと申し上げておく。特に21世紀になってからは、雨後の筍のように現れる認証規格や認証を目的としないISO14005やISO26000なども含めて、とにかく名前を覚えるだけで大変な状況となった。いちいちその関係の書籍を買い求めなくても、毎月アイソス誌を読んでいれば概要はわかる。まして会社が購読していたから只だしね。

21世紀初頭、第三者認証制度の人々は我が世の春だった、いや我が世の春と思えたに違いない。だがねずみ講も同じだが、地球は有限で永遠に増加することはできない。

ISO認証件数推移
ISO9001認証件数(JAB登録)がピークとなったのは2006年、ISO14001が2009年である。
実際はその数年前から、認証機関の営業マンが勤め先に売り込みに来ると、もう頭打ちですよ、良いアイデアありませんかなんて話が出るようになった。

状況変化に合わせてアイソス誌は変質する。自然界では適者が生き残るのだろうが、ビジネスにおいては存続するために状況に適応せざるを得ない。
2010年を過ぎるとアイソス誌は、完全に審査を受ける企業や環境や第三者認証を学ぶ人を切り捨てて、第三者認証の業界誌になった。内容も認証制度の内輪話が9割となった。そして2020年の今も驀進中である。
企業の人たちや大学で環境を学ぶ学生が、ISO認証制度の発展とかノンジャブとの葛藤、あるいは費用構造などに関心はあまりないだろう。
またISO審査員が減少し始めたのは2007年頃からだ。審査員になろうという人も減り、そのためにアイソスを読む人も減ったのだろう。
出版サイドとしては需要に合わせて変身したのだろうと思う。良い悪いではない。雑誌だって生き物。生存のニッチを求めて進化するのは必然だ。しかし通勤電車でアイソス誌を抱えた大学生や会社員はもういない。それはちょっと悲しい。


ざっと存在したISO専門誌の概要を述べたが、そこから考えられることとして……
ISO規格の専門誌というものは、元々小さなマーケットであったこと。そしてISO先進国イギリスでは一時はレストランから劇場・劇団までISO9001を認証したといわれたが、20世紀末から認証件数が減っている(注3)。そういうことを知りながら(あるいは知ろうとせず)創刊したということは、ビジネスから考えたら企画ミスとしか思えない。

いや、もっと手近で得られる情報だけで考えてみよう。
2000年にISOMS規格の雑誌を発行しようとする。
このとき日本の認証件数はいかほどか?

ISO9001 14,912件(2000/12)
ISO14001 4,019件(同上)

もちろん認証件数のグラフは右肩上がりではあった。しかし前述したように既に変曲点に達しておりこれからは増加が鈍るのが見えている。最大値はいかほどになるかはわからないが、ISO9001のピーク時期は2005年ないし2007年であるのは明らかだった。ISO14001はISO9001より出発が遅いので、推移も遅くなるのは想像つく。

もし2000年度の認証件数を基にISO専門誌を出せば、購買者数の推定は何部になるか?
ISO9001とISO14001の認証組織は当時ほとんどダブっていた。しかしそれからはISO14001認証する非製造業が増えて、認証組織数の合計が当時のISO9001の倍になると仮定しよう。
すると認証組織数は

14912*2≒30,000
3万社には担当者が最低2名いると仮定し、6万人。
6万人の1割が購買すると仮定すれば6,000部となる。

ところで審査員登録者の内、審査員補は、企業で働く人だろう。となると上記のほかに、審査員と主任審査員が購読者に加算される。審査員・主任審査員はQMSとEMS合わせて4,000人くらいだ。しかし多くは双方の審査員を兼ねているだろう。となると2,000人となり、その半分が購読するとして1000部
購読数は合わせて7,000部となる。

これを一誌で独り占めできるわけではない。ISOマネジメント誌は初心者向だから別枠として、7000部を二誌で分け合えば一誌わずか3,500部、これではビジネスにならない。アイソス誌が長らく1万部以上販売していたというのは、すごいことだ。マーケティングが優れていたのか、大学生の購買が多かったのか。

これから新しい認証規格がどんどんと制定されるし認証が増えるから……という理屈はまず成り立たないだろう。認証規格が増えても認証件数の97%はQMSとEMSという現実がある(注4)。情報セキュリティや事業継続など認証規格によって認定機関がISMSのこともあるが、それを合わせても全体の85%がQMSとEMSというのが現実である。
わずかな登録件数しかない認証規格対応で書籍や雑誌が売れるとは思えない。

となるとISOMS雑誌のこれからはどうなるか?
現状を打開するには、マーケット拡大と費用構造の見直しである。
マーケット拡大にはISO認証制度関係者の深掘りと、大学などの教育機関、一般市民が考えられる。認証関係者の深掘りは規格改定などの情報だけでなく、審査の現実、トラブルとその予防・対応の情報や認証機関の質的相違などの情報提供ではないか。
業界誌からの脱却は一般人が関心を持っていることの情報提供に他ならない。認定機関が「企業が嘘をついているから認証の信頼性が低下している」なんて根も葉もないことを語っているようでは、国民は認証制度に関心を持つはずがない。日常関わっている製品やサービスがいかなる品質保証がされているか、信頼に値するかという情報発信をせずに関心も信頼もありえない。
結局、ISO専門誌のビジネスはISO第三者認証制度の伸長と一蓮托生なのである。であればISO専門誌はISO第三者認証制度の信頼性回復のための活動が第一であるように思う。

費用構造であるが、それはメディアの見直しそのものにつながる。現在の紙ベースの雑誌では時間もかかるし発行の費用もかかるから、電子化して月刊ではなく情報が発生したとき速やかに購読者に提供するような形態にならざるを得ない。それは新聞や週刊誌と同じ状況だ。
とはいえ取材とか対談などは部数が少なくてもかかる費用は変わらない。もちろんそういったものもリアルでなく、スカイプとか専用アプリなどでできるが、それにしても大きな費用逓減は難しい。
最終的には他のハードコピーメディアともども、常時情報発信、そして多くの無償のコンテンツと優れたコンテンツの有償提供という道しか残らないのではないかと思う。
当然、認証機関のトップが語る中身のない挨拶などは無用だ。真に本音を吐き至高を求める意見、議論に価値がある。思い込みで語る誹謗中傷でなく、事実に基づく論理的な主張にのみにお金を払うだろう。
技術は戦略をくつがえすのは自然の摂理、それにあがなうことはできない。


うそ800 本日のどうでもいい話
「雑誌が3年しか続かないって……まあ、かわいそう
そんなことはない。ネットでいろいろ探したが雑誌の寿命に関するものは少なかった。見つかったひとつに2018年に終刊・廃刊になった雑誌の一覧があった。それを見ると寿命(創刊から廃刊まで)が64年というものもあったが、3割は1年〜4年、5割が10年以内であった(注5)。もちろん取り上げられたものは名のある雑誌だけだから、名もない業界誌などは推して知るべし。
ということはここに取り上げた3誌以外にも、私の知らないISO第三者認証の雑誌はあったのだろう。



注1
最近の例では三橋貴明のネット会員に申し込みをすると、「明治維新の大嘘」という書籍がもらえる。この本、売値が1980円+税という結構なお値段。値段からは立派なハードカバーの300ページほどの書籍と思うだろう。しかし実物は新書サイズでページ数は100ページそこそこ。
誤解のないように申し上げるが、この本の内容はまっとうです。ただ2000円の体裁はしていないのも事実。
そしてこの本、ISBNコードはあるけど書店では売っていない。つまり会員にただで配る本に、高い値付けをしてありがたみを持たせようとしているとしか思えない。

注2
一般的に企業の設計部門には文書管理部署があり、発行する文書(設計図書や会社規則)の管理のほかに、外部規格つまりISO規格、JIS規格、UL規格、業界規格などを集めて設計部門に提供解説する機能がある。
当時は日本規格協会がISO規格制定・改定状況を広報するなんてことはなかった。
日本適合性認定協会は1993年設立で存在していたが、DTIの認定を受けた我々は全く関係なかった。
当時は欧州対応でISO認証したわけで、DTIかRvA認定が必要だった。(UKASができたのは1995年)

注3
イギリスのISO9001認証件数は2000年がピークで約66000件、2006年に40000件まで減り以降2018年まで4万前後を推移している。
出典:ISO surveyの各年データによる。

注4
JAB認定の認証件数(2020.02.15現在)
ISO9001 品質マネジメントシステム 27326件
ISO14001 環境マネジメントシステム 14863件
ISO/IEC27001 情報セキュリティマネジメントシステム 9件
ISO5001 エネルギーマネジメントシステム 7件
ISO13485 医療機器の品質マネジメントシステム 258件
ISO22000 食品安全マネジメントシステム 990件
ISO55001 アセットマネジメントシステム 60件
ISO45001 労働安全衛生マネジメントシステム 10件
JISQ45100 労働安全衛生マネジメントシステム 0件

ISO/IEC27001はJABだけでなくISMS-AC(一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター)も認定していて、こちらの認証件数は6068件である。
注5



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