「人類の敵」

21.09.20

お断り
このコーナーは「推薦する本」というタイトルであるが、推薦する本にこだわらず、推薦しない本についても駄文を書いている。そして書いているのは本のあらすじとか読書感想文ではなく、私がその本を読んだことによって、何を考えたかとか何をしたとかいうことである。読んだ本はそのきっかけにすぎない。だからとりあげた本の内容について知りたいという方には不向きだ。
よってここで取り上げた本そのものについてのコメントはご遠慮する。
ぜひ私が感じたこと、私が考えたことについてコメントいただきたい。


はるか昔、世紀の変わり目頃、ネットの掲示板でサヨクとの議論は日常だった。そんなことをしていてタヌキとか提督とかたくさんの同志と知り合った。
別に私は議論が飯より好きなわけでもなくまた得意でもなく、ましてISO審査のように仕事とか銭金がかかっているわけでもないので、サヨクとの議論などあれからはめったにしたことはなかった。

つい最近望んだわけではないが、某ウェブサイトにコメントを書き込んだことから数回応酬することがあった。
話は単純で、共産主義は成功したのか失敗したのかという始まりだった。
私は失敗したと書いた。なぜならソ連でもポルポトも北朝鮮も中国も、単なる専制政治、恐怖政治、特権階級が多数を支配する政治体制だった。そして共産主義国家で人民(国民ではない)が豊かに自由に暮らしたところはないと書き込んだ。
やれやれ するとサヨクが、いや共産主義は失敗していない、今も現在進行形で良い社会を作ろうとしているという。まあ、そういうならそうなんだろう。理屈から言って否定できるわけがない。

あとで、ありゃ悪魔の証明だと思った。私は現実に失敗した共産主義国家の事例をあげることはできる。しかし相手がこれから真の共産主義国家は作られるというなら、それを否定することはできない。手形の支払期日は空白なのだ。いかにもサヨクの論理だなと苦笑いした。

共産主義あるいは社会主義の論氏はそういう論法を好んで使う。小田実は2007年に亡くなったが、こいつは二枚舌どころか三枚舌のようで、ソ連が倒れた時、ソ連は本当の共産主義ではなかったからだと語り、ケ小平が経済の自由活動を認めると中国は社会主義ではなかった、北朝鮮こそが真の共産主義だと語り、とうとう最後には北朝鮮も真の共産主義ではなかったようだと語った。サヨクはそういう論法が得意だ。
いつどこに真の共産主義国家が?

ちょっと待て、そういう発言をする人は本当の共産主義者ではなく、単なる詐欺師・ペテン師ではないのか?
私は心底思うのだが、真の共産主義国家というものはあるのだろうか? いや、存在可能なのだろうか?
存在しないなら真の共産主義者もいないと思う。存在するのは共産主義支持者にすぎないのではないか?

この本の副題は「共産主義勢力から自由を守る方法」とある。この本で言う「共産主義」とはマルクスとか辞典で説明する共産主義のことではなく、中国のことである。
中国が真の共産主義とは思えないが、中国が共産主義を名乗っているならかの国を共産主義と呼ぶことに妥当性はあるだろう。
そしてこの本が叩いているのは、共産主義そのものではなく、中国及び中国共産党、立憲民主党、学術会議、自民党の中の親中派である。


私は東西の冷たい戦争時期を少年時代、青年時代、壮年時代を過ごした。当時はサヨクは今よりはばっていた。マスコミでも一般世間でも会社でも学校でもマンガの中でさえ、

オヤジは尋常小学校しか出ていなかったが、たくさん本を読んでいて結構考える人だった。
そして常々共産主義になっても郵便配達が郵便局長になるわけがないと語っていた。
オヤジの勤務先は中小企業で労組があるが弱い。賃金も福利厚生もそれなり。だから当時の社会党が<組織労働者のために戦う>と語るのを絶対に許さないと言って、ずっと自民党支持であった。社会党の支持組合のための政策より、自民党の政策のほうが中小企業の勤め人には良かったのだ。

注:当時の自民党は所得倍増から列島改造とイケイケドンドンであり、トリクルダウン理論だったのは間違いない。
対する社会党は理念ばかりで、国民を豊かにするという意思は乏しかった。そもそも共産主義・社会主義は国民を豊かにするというよりも、国民を平等に貧しくする制度なのだ。

私は工業高校を出て就職したが、ちょうどその年 サヨク学生による東大占拠があり、東大の入学試験が中止された。
その後、赤軍派によるあさま山荘事件があり、ダッカのハイジャック事件があり、サヨクイコール共産主義者イコールテロリストという等式が頭の中に植え付いた。

当時の国鉄なんてすごいもので、まさに赤の巣窟だった。国鉄に入った同級生は同級会で、毎日組合に行って指示を受けているという。そう聞いても私は意味不明、理解不能である。そいつの話を聞くと、専従者じゃないのに毎日勤務時間内に組合にいって組合活動をしているという。想像もできない。
国鉄が民営化されるとき、奴は真っ青になってこれからどうなるのか心配だと語った。その後そいつには会ったことがなく、どんな人生を歩んだのか知らない。今でも赤旗を振っているのかもしれない。


もちろんサヨクだって民主主義者もいるとか、共産主義が皆テロリストでないという反論があるだろう。だが、そういう事例はいかほどあるのか? 私の目の前にいるサヨクは皆危険思想だし、10歩譲ってもテロリスト支援者にしか見えない。そして現代ではテロリスト支援者はテロリストということになっている。

浅間山荘の犯人たちが機動隊に捕縛されて連れ出されるテレビ映像を見て、日本社会党の政治家たちが「日本で武力革命はもう不可能なのか」と嘆いたと私は新聞報道で知った。やむにやまれぬという行動を否定はしないが、武力革命を願うなら政治家を辞めてテロリストとして生きてほしい。民主主義によって政治家になり、更に武力革命を企てるのは、論理が通っていないと私は考える。

とにかく私の前に現れた共産主義者、報道される共産主義者はみな暴力主義であり、テロリストであり、非合法活動をする輩であった。
私はマルクスが何を望んだか分からないし、原始共産主義は見たことがない。だが目の前の共産主義者と社会主義者は見ているのである。

当時、私の身の回りには現実の共産党、社会党がいっぱいいた。
会社の中でも彼らは仲間になれと勧誘に来た。取り込まれた連中は休日は様々な活動に駆り出され、労音がくれば切符売りとか入場者の整理とか、更には党費なのか会費なのかだいぶお金も払っていたようだ。
労音といえば、高校ときの数学の先生が会場整理をしていた。その先生も……
社会党も同じだった。外国に行こうと誘ってきた。1960年代、海外旅行なんて夢である。聞くと行先は東ドイツだった。無事に帰ってこれるかどうか……笑ったね。
街を歩いていてもスケート場に行っても、同年配の若者がにこやかに声をかけてきた。集会においで、かわいい女の子がいると誘う。もろハニートラップだ。

自分のお金も時間も共産党や社会党に捧げて、党が用意した女の子と付き合って、やがて夫婦して党の奴隷になるとはこれいかに?
そんな誘いに乗るとは、自分から奴隷になりたいといっているようなものじゃないか!
まともな頭をしているなら笑い飛ばすだろう。

町内会か趣味の集まりだったか、何かの飲み会で辻元清美は素晴らしい人だなんて語りだした人がいた。周りがマアマアここは…となだめたが、本人は周りの人にその素晴らしさを語り、支援の仲間になれと絡んだ。ああいうのは狂信者というのだろうか?


今振り返ると、そういった人たちは、真面目だけど意志が弱くあんまり賢い人はいなかったように思う。前述の高校の数学の先生も賢くはなかったように思う。
ソ連が崩壊し東欧の実態がばれ、北朝鮮が専制国家だとばれても、今なお共産主義、社会主義を信奉する人はバカと言われても反論できまい。
ちなみに賢いとはIQが高いとか勉強ができることでなく、空気を読めるとか、つじつまが合わないことに気が付くとか、わかりやすい話をするとか、そんなことだ。

狂信者たちと私は深い付き合いはなかったが、別に敵対することもないから近所付き合いとかは普通にしていた。一人は1980年頃30代半ばになって、社会党員を辞めて仕事も辞めた。引っ越しの挨拶に来て「私はバカだった」と言った。確かにバカだと思う。でも覚醒したのだからまだ良い。
いくつになっても、政党の機関紙を配達したり街頭でビラ配りしていた人もいた。その人は定年になったとき、これからは活動にもっと時間を使えると言った。呆れて声も出なかった。病膏肓に入るだね

私は反共の狂信者ではないつもりだが、共産党あるいはイクイバレントなど死んでも支持しないし投票もしない。それは親父の教えもあるが、なによりも私の周りにいた社会党や共産党の人たちの行い、言動などから、ついていけないと感じたからだ。
宗教はアヘンらしいが、共産主義もアヘンだ。もちろん私も自分主義というアヘン中毒なのだろう。


書名著者出版社ISBN初版価格
人類の敵掛谷英紀集公舎97848673500272021.02.151400円

さて、この本の著者は大学や院で論理的な考えをしない先生や学生を見て、彼らの考えはおかしいと考えた。そしてご自身の専門である情報工学においてビッグデータを統計処理した結果、新聞報道などの偏向を認めこりゃイカンとなったということだ。

著者の本業であるビッグデータ分析から、新聞社の社説で使われる言葉を分析して、M新聞のほうがA新聞よりサヨク的で暴力的であり、Y新聞のほうが断定的でなくM新聞は断定的であるという。左翼・右翼という観点でなく、そういう分析的手法か考え方からおかしいと思うようになったと語る。

そして誰が考えてもおかしいことをどんどんと上げていく。

そこからそういうふうな現実は誰かが意図的に操っている、具体的にはマスコミの偏向報道、報道しない自由であると語る。

著者は彼らは反核や平和主義者ではない、単なる反日だという。反日とは日本の文化を崩壊させ国力を落とす運動だという。
結婚制度への否定、家庭の破壊、夫婦別性、同性婚、すべては日本の文化の否定だ。
もう20年以上前だが、某女権拡大運動で「もっと未婚の母を増やそう!」というキャッチフレーズがあった。これはいったいどういう意味なのか? 今もわからない。
そういえばソ連でも家庭をなくす実験もあったね。サヨクは家庭とか家族が嫌いなんだ。好きなのは主義でつながる同志なのだろう。

そして私の本業であった環境保護もサヨクの活動テーマであると語る。これには全く同意。環境サヨクという言葉もある。
辺野古のサンゴ礁を守れと語る人は、中国のサンゴ礁破壊を語らず、辺野古のジュゴンを守れと言い、那覇空港の埋め立てには文句を言わない。

拉致被害者を救え 拉致された日本人を取り戻そうというブルーリボンを、テレビドラマでは悪役政治家の胸につけ、正義役の政治家はつけない。それってサブリミナル刺激の一種だよね。
そして捏造された慰安婦の罪を日本に擦り付ける。朝日新聞は間違いを認めたのちも姿勢は変わらない。
サヨクマスコミの罪は重い。

そういったオールドメディアによる日本洗脳は恐ろしい威力だが、著者はインターネットの発達によって嘘が暴かれるようになった。その証拠にシニアはサヨクが多いが、若者は保守が増えている。それが燭光であるという。
そこんところは私は同意しがたい。まだまだ夜明け前でサヨクという魑魅魍魎が徘徊しているとしか思えない。

サヨクは弱い者の味方のようだが、実は利用価値があるものの味方だ。拉致被害者のために動いたことは一度もない。
岡崎トミ子は韓国で従軍慰安婦のデモに参加していた。奴が国家公安委員長だったとは呆れてしまう。

ダイヤモンドプリンセス ダイヤモンドプリンセスのときいい加減なことを語った自称専門家、PCR検査をすれば問題解決と語っていた自称専門家、みなサヨク
最近はほとぼりも冷めたとまたテレビなどに顔を出している。


サヨクは負けそうになると論点をずらし負けを認めない。だからサヨクと議論するのは無駄だという。
じゃあ、サヨクを放っておいてよいのかとなると、次の場合は論争すべきとある。
観客がいる場合なら議論して論破せよとある。それも相手が負けを認める必要はなく、観客がサヨクの負けだと見なせばよいという。
確かのその通りだ。狂信者を論破することは不可能だが、議論を見ている人たちがこちらの方が妥当だと判断すれば目的は果たす。


私が思いもつかなかったことを語っている。

■著者が息子から問われた話が載っている。
「首相の言うことには従わなければならないのか?」
この問いにあなたはどう答えるか?
多くの人は「命令の内容に納得すれば従う」と答えるそうだ。
著者は「法令に基づく命令なら従わなければならない」という。
正論だ。
枝野 立憲民主党も弁護士枝野もこれを知らないようだ。そしてコロナ対策の責任者は誰なのかも知らないようだ。
奴が得意なのは人の足を引っ張ることだけ……いやそれは枝野に限らず立憲民主党の特技か、


この本は厚いけど文字が大きく字数は少なく文章はわかりやすく、2時間で読み通せる。
しかし各章末にある参考文献リストの文字の印刷色が黒でなくグレーで読みにくい。なぜ印刷色を薄くしたのだろう?参考文献を読ませたくないからなのか?


うそ800 本日の締め

タイトルがすごいよね、「人類の敵」だ。「人民の敵」なら政治的主張だろうが、「人類の敵」ならば生物としてのヒトへの脅威だ。まさに新型コロナウイルスと同じ範疇である。
だがこれは間違いではない。中国で新型コロナウイルスが流行した時、すぐに都市閉鎖、そして海外との交流を止めれば世界的なパンデミックにはならなかったと多くの人が語っている。
新型コロナウイルスを世界に広めたのは中国とそれに同調したWHOのヘドロスだ。まさに人類の敵だ。

ヘドロス

注:WHOの事務局長はテドロスというが、我が家では不逞な野郎だってんでヘドロスと呼んでいる。ほんとは「ス」を付けずにヘドロと呼びたい。

この本の最後のセンテンスである。
「自ら収容所に入るな」
中国におもねることは、自由と豊かさを捨てて収容所に入ることだ。そしてウイグル人やチベット同じく虐殺されるだろう。
リベラル政党を支持しよう! 自民党を倒そう! と叫ぶ人たちは、収容所へ行こうと誘っているのだ。
収容所とは人を集めて住まわせるところではない。人を集めて虐殺するところだ。
今からでも遅くはない。共産主義と中国に抵抗しなければならない。





外資社員様からお便りを頂きました(2021.09.27)
おばQさま
人類の敵とは凄いタイトルですね。
とは言え,お書きになっている「サヨク」については同感です。
私の中学校は秋葉原にあったので,当時「お茶の水カルチェラタン」とか言って,神田川を挟んでゲバ棒もってヘルメット被った学生と,機動隊が戦っておりました。
学生は火炎瓶を投げ,機動隊は放水と催涙弾で対抗。
当時の学校は冷房なんてありませんので,催涙ガスが流れてきて涙を流しながら授業を受けた記憶があります。
それ以来,「サヨク」は迷惑な存在というのが第一印象。

>共産主義革命は今も続いている,真の革命でないから失敗した
その後,文献を読むようになって「サヨク」の上記のような思想は,江戸時代の「慕華思想」と同じと気づきました。
自国の外に理想を取り,それを絶対のものとして学ぶ。その宣教師が亡国「明」から来た朱舜水,パトロンは水戸光圀。
明こそが中華であり,異民族の清に占領されつつある。
どんなに立派な思想だろうが,国家だろうが,戦争に負ければ亡国。現実に存在しない理想の国家は,いくらでも美化できます。朱子学の流れが観念論になって,日本では水戸学となりました。

その流れが「皇国史観」になった事を考ええば,昭和初期の青年将校も同じ。
226の青年将校なんて「勤皇」を掲げながら,昭和天皇が叛乱として鎮圧を命令すると,「陛下ハ間違ッテオラレル」なんて主張しておりました。
これも現実無視の典型で,理想の天皇を勝手に作って,現実の天皇は自分の思想と違っていれば間違っていると考える。

おばQさまもご指摘されていますが,特徴は「自分の正義の為ならば法を守らなくても良い」と考えている点。
成功した革命家は,権力掌握の為に一度は法を破る(革命がそうだから)けれど,でも以降は順法を重視する。
そうでないと統治が出来ないから。
失敗する革命家は,理想は語るけれど,それに至る道筋は示す事が出来ない。
なぜならば現実をしっかりと見つめられないから。

>「自ら収容所に入るな」
その通りですね,人のいう事に「イイネ」するのは簡単だけれど,自分で考えないとトンデモな方向に流れてゆきます。
「慕華思想」と言えば半島ですね,本家が異民族王朝になったから,本当の中華は自分達だぁと「ウリジナル思想」を編み出しました。
今では大統領自らが,「終戦して南北統一だぁ」と本気で考えております。
でもねぇ,国連でも核廃棄計画が明確にならない限り前進せずって,ずっと言っておりますね。それは無視。
半島の民族性を考えれば,中国頼り=北主体の統一をしたら,南出身者は二級国民になるのは当たり前。
与党の政治家の行動を見ていると集団で目に見えない収容所を作っておりますね。
今度の大統領選挙で,さてどうなりますか?

外資社員様 毎度ありがとうございます。
まずお断りしておきますが、私自身はこの著者 掛谷英紀氏マンセーではありません。彼の本を何冊か読んで、いいこと言ってるなということもあり、アレッってこともあります。まあ彼の書いたものをマクラに、私の言いたい放題を書いております。
ただサヨクと言っては悪いかもしれませんが、共産党や立憲民主党の語ることは眉唾以前にアリエネーってことが多いですね。それにも拘らず新聞やテレビがもてはやすってのがどうなのかと? ゼロコロナなんて大声で言ってましたが、今はウェブサイトにも広報に欠片もありません。思い付きで語るだけでは政治家辞めろと言いたい。
おっと、社会民主党はもう考慮外です。福島瑞穂なんて自分が語っていることを理解しているのかどうかさえ分かりません。彼女がツィターに書いているのは意味不明どころか日本語とは思えないものとか、主語と述語がつながないとか、外野にいつも笑われています。
外資社員様がおっしゃるように、自分が理想を考えてそれを絶対と信じ込んじゃうんですよ。あげくにそうなると周りが見えず、もう断崖まで突っ走り転げ落ちるしかないという塩梅。せめて日本を道連れにしないでほしいと願うばかり(トホホ)


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