CO2排出愚考

21.02.22

最近 地球温暖化という言葉をあまり聞かなくなった。どうしてだろう?
そう言うと、お前がそう思うだけだろうといわれるかもしれない。下表はCINIIの論文件数と紀伊国屋書店の書籍検索で「地球温暖化 or 気候変動」で検索した結果である。

論文数書籍数イベント
1991
3
3
1992
11
5
1993
3
2
1994
1
2
1995
3
1
IPCC第2次報告書
1996
10
2
1997
16
4
1998
19
6
1999
11
1
2000
16
5
2001
21
2
IPCC第3次報告書
2002
13
5
2003
18
11
2004
24
8
2005
29
3
2006
17
16
2007
39
11
IPCC第4次報告書
2008
69
18
2009
53
18
2010
51
19
京都議定書
2011
49
10
2012
37
8
2013
32
5
2014
48
11
2015
37
14
IPCC第5次報告書/パリ協定
2016
32
9
2017
44
11
2018
57
5
2019
54
10
2020
60
5

注:上表をなぜグラフの図にしなかったのかは、ファイルサイズを気にした。グラフでjpgにして20kB(実際にしてみた)くらい。htmlでテーブルにし10kB。まあ少しは節約になったかなという気は心です。

一つ意外だったのは、論文が減少していないことだ。実を言って2015年頃一度データを取ったことがあり、2008年をピークに減っていたから、2021年まで単調減少で行くだろうと予想していたのだ。2016年頃になにか新発見とかあったのだろうか?

論文はともかく書籍の発行はIPCC第4次報告書から京都議定書頃まではまっさかりという感じでしたけど、もう10年間秋風どころかからっ風が吹いているようです。
私のような本は読むけど論文は読まない人間にとっては、地球温暖化の流行は過ぎたと思ってもおかしくない状況でありましょう。

新聞で温暖化の記事が何件載っていたかなど検索するのも面白いが、あいにく私はお金がない。大学のパソコンで知恵蔵やヨミダスが使える方はぜひ過去20年くらい大手新聞の記事の数をカウントして教えてほしい。たぶん2010年頃をピークに左右対称のカーブとなるのではないだろうか?

ところで2010年頃に多数の本が出たのは、IPCC第4次報告書が2007年に出たからだ。では第5次報告書ではなぜ増加しなかったのか?
単純に第4次の追認というか、新規な情報がなかったからだろう。


ともかく地球温暖化の話題をマスコミとかネットで見聞きしないのは事実のようだ。
それは地球温暖化より喫緊な問題がたくさんあるからか? 今佳境にある新型コロナウイルス流行は確かに重大問題だ。
100年後の危機より今の危機対策が重要だ。なにしろ今日を生き残らなければ、100年後を心配することもない。まさに究極の甲子園!
眼前の問題はコロナばかりではない。尖閣も中国が力に訴えようとしているし、北朝鮮も混迷を続けるばかり。
もう忘れたかもしれないが花見の会という大騒ぎもあった。最近は首相の息子が接待したとか・されたとかで大騒ぎである。人間が滅亡するかどうかより接待費用が大問題らしい。
オリンピックを開催するかしないかも先行き不透明であり、いやいやそれよりも女性差別でオリンピックが棚上げになる可能性もある。
ともかく地球温暖化があまり話題にならなくなったのは、喫緊な課題ではなかったということだろうか?
まずないだろうけど、もしかして地球温暖化は解決したのだろうか?
そもそも地球温暖化が大問題なのか分からない人もいるだろう。実は私も……


シロクマ まずおさらいしておこう。地球温暖化とはなんだろう?
地球が暖かくなって北極や氷河が溶けることです。シロクマ君が住むところが亡くなりかわいそうです。ツバルが沈む沈む詐欺とかもありましたね。
ブブー、違います。

地球温暖化の意味はあいまいではありません。ちゃんと法律で定義されています。

「人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地球全体として、地表、大気及び海水の温度が追加的に上昇する現象をいう(地球温暖化対策の推進に関する法律 第2条)」

もっとも「地球温暖化」とはもっぱら日本で使われている言葉であり、国際的には「気候変動」というのが正しい。とはいえその定義は地球温暖化と同一である。

「国連気候変動枠組条約(日本語公式訳)
第1条第2項 気候変動の定義
地球の大気の組成を変化させる人間活動に直接又は間接に起因する気候の変化であって、比較可能な期間において観測される気候の自然な変動に対して追加的に生ずるものをいう。」

上記は日本語訳であり、原文は下記の通り

UNITED NATIONS FRAMEWORK CONVENTION ON CLIMATE CHANGE
Article1 clause 2
"Climate change" means a change of climate which is attributed directly or indirectly to human activity that alters the composition of the global atmosphere and which is in addition to natural climate variability observed over comparable time periods.

このように地球温暖化/気候変動とは、「人為的な大気組成の変化によって起きる、自然の変動を除いた変化」を言います。

なこと知ってたぞ、480文字も無駄に書きやがって……そうお怒りにならないでくださいな。そんなことさえ知らずに地球温暖化を語っている人も多いのですから。

ともかく平たく言えば「人間の活動によって『温室効果ガス』が大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温があがること」です。
勘違いしてはいけません。単に地球が温かくなることではなく、人間の活動(暮らしや生産活動)によって温室効果ガスが増加して、それによって地球の大気や海水の温度があがることをいいます。

風車 つまり火山が活発になったとか、太陽の出す熱量が増えたなどで、地球が暖かくなっても、それを地球温暖化とは言いません。
環境保護のためといって風力発電をいくら増やしても地球の温度は変わりません。しかし太陽光発電を増やすと最終的には廃熱となりますから地球は温暖化しますが、それも地球温暖化とはいいません。

また温室効果ガスを減らすために原発を作り、最終的に排熱で地球の温度が上昇してもそれは地球温暖化ではありません。地球温暖化が止まってよかったですね……えっ困りますがな
ともかくあくまでも「人間活動」の結果「大気の組成が変わる」ことによって、地球が温かくなることです、これ重要。

それじゃ地球温暖化を防ぐには温室効果ガスを減らすしか方法がありません。もちろん人間活動を減らす方法もあります。だけど後者を考えている人は今まで見たことがありません。これも地球温暖化の七不思議のひとつ。


まあ大気中の温室効果ガスを回収するのは難しそうですから、できることというか目の前の課題は温室効果ガスを減らす、出さないということしかありません。
もちろん地球温暖化になっても大丈夫なように対策しようという発想もありますが、それより温暖化防止あるいは阻止策を考えることは優先するでしょう。できるかどうかは別としてもね、

なお、温室効果ガスといっても二酸化炭素つまり炭酸ガスが一番知られていますが、要するに大気中に気体として存在し、地球から宇宙空間に放射される赤外線を地表に反射するものはみな温室効果があるわけです。
ですから温暖化効果ガスとしてはメタンとかフロンとか多々ありますが、二酸化炭素が量や効果から温暖化の影響の76%を占めるそうです。


では地球にはたくさん人が住んでいますが、どの国が温室効果ガスをどれくらい出しているのでしょうか?
世界CO2排出地図 私は考えるのが嫌いだから、見ただけでわかるグラフが好き。それでCO2排出の世界地図くらいあるだろうとgoogleおじさんに「CO2排出地図」と入れ画像検索した。
たくさんのCO2の排出を記述した地図が現れたが、なんとなんと、2番目に私が10年以上前に作ったものが現れた。

これを見ると、世界CO2のの半分はアメリカと中国じゃありませんか。このとき既に京都議定書が発効していたが、 炭酸ガス排出の大手アメリカと中国が参加してませんから、京都議定書なんて無意味ってことがよくわかります。
クリントンとかゴアが環境保護の権化のように言われてますが、言いたい放題語って自分の国で議定書(つまり条約)を蹴飛ばしたのはクリントンとゴアでっせ。

そういえば 元アメリカ副大統領のゴアさんご自宅の2006年の電気使用量は221,000kWhだったとすっぱ抜かれたことがありました。
単純月割りすると18,400kWhとなり……あれ我が家の史上最高値の34倍……年間使用量で比較すると我が家の80倍以上になる。

ともかくこれはデータが10年以上前のもの、今のものはないのか!? と検索結果をスクロールしたのですが、棒グラフとかドットの数や大きさで表すのはたくさんありますが、私が作ったような面積グラフといいますかビジブルに分かるものがありません。


なら作るしかありません。さっさと作りました。
前回のもの、つまり2006年と今回2017年のデータを見比べてどうでしょうか?

2006年の世界CO2排出地図
世界CO2排出地図

2017年の世界CO2排出地図
世界CO2排出地図


まず一目で中国が10年前より巨大になったのがわかります。それからインドが大きくなり、イギリス、フランスは小さくなりました。実はベストテンから落ちてしまったのです。

世界全体に占める割合のグラフにすると一目瞭然です。
上位8か国の占める割合がどんどん増えています。
CO2排出各国の割合

早い話、世界のCO2を増やしているのは中国とインドです。しかし量的には中国一択です。アメリカは割合だけでなく絶対量も減少中です。

正確なグラフを見たいならこちら ⇒ うそ800

日本はしっかり頑張っているじゃありませんか。あつ、頑張るとは増えているということでなく、増やさないことです。
まずこの現実をしっかりと見ておきましょう。


カラスの勝手でしょ さて、これをどう見るかはカラスの勝手、あなたの勝手です。
ただ言えるのは中国の増加はここ10年収まってきましたが、それでも1年の増加は日本の排出量の2割。かって日本がCO2排出をゼロにしても中国が3年でチャラにするといわれました。中国の増加が収まってきた今でも、日本がCO2排出をゼロにしても中国は5年でその努力をチャラにしてしまうのです。
2020年11月に菅総理が、日本は2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすると表明しました。それって意味あるんでしょうか?
そりゃスタンドプレーって意味はあるでしょうけどね、

中国の増加は脅威です。脅威とは力でおどすこと。地球温暖化は中国の責任です。そしてインドも温暖化強化に参加しようとしています。
この中国の行いの世界の人々への脅威・悪影響は尖閣以上じゃないですかね?
そりゃ中国人もインド人も、アメリカ人と同じ暮らしをする権利があるというのも否定できません。でもそうなら温暖化を止めようといわないことです。

たとえ話をしましょう。
お母さんが小学1年の娘に言いました。
「あなたアイス買ってるでしょう。うちは貧乏だからもう食べてはだめよ」
ピカピカの一年生 でもお父さんは毎日会社帰りにパチンコに寄って数千円使っています。休日には2万円くらい持って開店前に並んでいます。
子供さんかわいそうって思いませんか?
たとえ話ですから、お父さんが中国で娘さんが日本とは言いません。
ともかく菅さんのお宅ではCO2を削減しようと、家族みんなで電気も水道も減らそうと言ってます。
お隣のシュウキンさんのお宅では「CO2それおいしいの」なんて会話をしています。
おいしいなら私も食べてみたいですね。

菅総理は2020年11月22日、G20サミットで2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロを表明した。
それを立派と思うか、アホと思うかは個人の自由だが、私は馬鹿だと思う。
グラフを見れば一目瞭然。日本がゼロになっても中国は5年で日本が減らした分を埋めてくれる。そして6年目からは日本の努力をせせら笑ってどんどんとCO2を上積みしていってくれる。これを馬鹿と言わずしてなんというのか?
タイトルを愚考って名付けたんだけど、菅総理の決断は愚行だよね。最低限、中国が日本よりCO2排出が多い分、お金でこちらに支払ってほしいね。

おっと、ドイツガー、フランスガーっていうなら、GDP当たりとかで比較しようよ。
とりあえず排出量上位8国を比較する。

国名CO2トン/GDP$
ドイツ0.18622
アメリカ0.22213
日本0.22283
カナダ0.31566
韓国0.36452
中国0.62847
インド0.75383
ロシア0.90305
注1:データブック2021より算出
注2:韓国は出典によって数値が大きく違い、ほんとの数字がわからない。
注3:緯度の高い寒い地は必要なエネルギーが違うのは当然だ。
注4:円ドルの為替レートが1円変わると0.009変わるので、日本とアメリカの差はない。

日本はドイツに比べてエネルギー当たりのCO2が多い。確かに努力の余地はある。とはいえ、日本がドイツ以上でなければならないという理屈もない。
それにインフレになれば名目GDPなんてすぐ何%も変わっちゃうし(ひとり言)

ともかく一次エネルギーの割合を見てみよう。
一次エネルギーとは使っているエネルギーの大元は何かを示すものです。電気自動車は環境に良いといっても、その電気が太陽光で作っているのと、石炭を燃やす火力発電所で作っているかによって、本当に環境に良いか悪いかは違います。

一次エネルギーの割合

注:関西電力 世界のエネルギー事情

言い訳がましいが、ドイツと日本の違いはいろいろある。
ドイツは自然エネルギーと原発が日本と違う。ドイツは原発をなくすと言っているが実際はまだある。
日本は原発はもうだめだし、自然エネルギーは不利な条件ばかり。今日本では太陽光発電や風力発電によって、ものすごい環境破壊をひき起こしている。林を切り拓いて太陽光パネルを敷き詰めて、山の土砂崩れなんて台風が来るたびに起きている。住宅地ではパネルの反射で家が温暖化して住めなくなり訴訟も起きている。
風力発電の羽根の音で不眠症、家畜が死ぬという被害も起きている。台風で風車まるごと倒れた事故もある。安定した偏西風が吹き台風の来ない欧州と、秋霜烈日の日本は違うのだ。
結局、地球温暖化を止めるのと国土破壊や国民の健康被害とを比較することになる。これまた負ければ明日がない甲子園と同じで、不確かな100年先より眼前の危険に対応せざるを得ない。

そしてドイツにもアキレス腱がある。
ドイツの一次エネルギーの4分の1を占める天然ガスの3割は、ロシアからの輸入だ。
元栓を止める 国際情勢が平穏な時はいいが、いざウクライナ問題とか中近東で事が起きると、ロシアはガスの元栓を止めると脅す。
実行されると欧州全域寒い冬……いつそうなるか分からない。どこもダモクレスの剣の下で生きているのだ。
地上に天国はない。

ご存じかもしれないが韓国は日本に電力を輸出しようとしたことがある。もしそれが実現したら、日本の生殺与奪は韓国の手の中だ。
安全保障とは軍事的なことだけではない。食料もある、エネルギーもあるのだ。中東が危機になったとき石油の値段は倍にも上がったことがある。車に乗るなという以前にガソリンが買えなくなった。
慰安婦ガー、徴用工ガーと火病る韓国に電気のスイッチをオフされてはたまらない。
もっとも韓国のエネルギーの3割は原子力だ。万が一の時、彼らはどうするんだ?


うそ800 本日の賭け

地球温暖化が誤りなのかと聞かれると、分からないとしか言いようがない。
有り金全部 しかしもし地球温暖化が誤りに賭けるかと聞かれたら、有り金全部 賭けよう!
過去50年間、毎年5回のジャンボ発売には1000万分の1という限りなくゼロに近い確率に賭け続け、負け続けてきた人生だ。賭けが外れるのがさらに1回増えても悔いはない。
男たちの大和で反町が、お陀仏に全部賭けたように俺も……
 男たちの大和





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