タイトルから「地球温暖化はウソだ!という話」と思ったかもしれない。残念ながらそうではない。この小文は地球温暖化を語っている人たちへの疑問あるいは不信を呈するもの……早い話が揶揄である。
私が引退して9年になる。退職した直後は職場の飲み会などに誘われたこともあるが、メンバーがどんどん変わるから2年も経つと疎遠になる。退職して数年は元職場に年賀状を出していたが、これも止めた。そんなことでもう以前 働いていた会社とは縁がない。
しかし一緒に仕事していて退職した元同僚たちとは腐れ縁が続いており、一昨年までは年に何回か、会って飲むこともあった。現役時代は親しくなくても、引退すると仲良く昔話をするものだ。
しかしときどき、思い出したように元同僚から連絡がある。
最近は私からウイルスメールが私から来たぞと電話 ☎ が来た。もちろん私がウイルスメールを出したわけではなく、ウイルスソフトが誰かのパソコンから私のメールアドレスを拾って発信したに違いない。お互い近況をやりとりして終わった。
だいぶ前に私より一回り若い方から、認証機関に出向しましたという挨拶メールがきた。お元気でねと返信しておしまい。彼も出向する歳になったということは……私はどうなんだ?
私から連絡を取ったこともある。一度は元同僚が現役時代に環境雑誌に投稿した記事を改めて読みたくなり、コピーが欲しいと伝えた。もう一度はずっと年上の先輩の連絡先を教えてほしいということであった。
そんなメールを出してもすぐには返信が来ず、諦めてひと月も経った頃に返事が来ることもある。皆さん歳を取ると、いや仕事していないとパソコンを開くのも毎日でなくなるようでリアクションが遅くなる。
このところ地球温暖化について駄文を紡いでいて、元同僚とメールをやり取りしたときことを思い出した。それをきっかけに妄想したことを書く。
その方は現役時代、地球温暖化は大変なことだと常々語っていた。会社でも温暖化対策の担当だったが、個人的にも地域の環境保護活動に参画していると聞いていた。
そんな彼からメールが来たのは半年くらい前だった。メールの内容は他の同僚のメールアドレスの問い合わせだった。もちろんそれだけでなく近況の報告というか自慢話である。
今は地域でテニスクラブに入っていてプレーだけでなく、役員もしているという。テニスといってもみなシニアらしいから激しいものではないのだろう。ともあれ、お元気そうで何よりだ。
しかし現役時代あれほど熱心だった地球温暖化については、今ではなにもしてないらしい。
現役時代、私は自分が担当だった環境遵法の徹底については一生懸命だったが、それが生きがいとかライフワークと思っていたわけではない。どんな仕事でも全力を尽くすべしと考え実行していただけだ。
だってそうでしょう。掃除機を設計している人が、掃除機を愛さなければならない理由はない。もちろん趣味が高じて仕事にという人もいるが、世の中みんながみんなそうではないのは自明だ。
私が入社した1960年代に環境部門などあるはずがない。いろいろな仕事をして環境部門に流れ着いたわけだ。
他方、彼は地球温暖化で我々そして子孫が大変なことになる、それを防がねばならないといつも職場で語っていた。そして公私とも全力で行動していたと周りからは見えた。
そんな彼が「今、環境保護活動はしていない」というのだから驚いた。
話はそれるが人の価値観というものは簡単に変わってしまう。そして友人や同僚の影響は極めて大きい。
30年位前、私は囲碁に凝った。もう毎晩、毎週末、囲碁命という感じで碁会所とか公民館を渡り歩き、碁を打っていた。
付き合っている人たちもみな似たような考えだから、お互いに強くなりたい、昇段したいという思いは一緒。囲碁の段位というのは年に一度認定大会があり、そこでたぶん5戦して4勝すると昇段申請できた。
もちろんただではない。段位によってお値段が決まっていて、二段でも4万とかした。私は大会で準優勝だったので半値でもらえた。優勝だと無料だ。とはいえただではなく囲碁の月刊誌の定期購読とか日本棋院の会員にならないと段位がもらえないなど、いろいろお金がかかった。しかし当時は段位をもらうためならお金は惜しくないと心底思っていた。
段を取るには他の道もある。囲碁新聞や囲碁月刊誌にクイズがあり、毎月その回答をハガキに書いて出して年間の正解が何割かだと免状がもらえる。もちろんこの場合でも日本棋院に払うお金は一緒である。
しかしこの方法では回答する前に強い人に相談したり本を見たりできるから、これでもらった段位は実力でないとされ、仲間内では認めてもらえなかった。
ともかく当時はより上の段位をゲットしようと、皆切磋琢磨したのである。
90年代になると私はしょっちゅう海外出張に行くようになり、長期間囲碁と離れた。数か月ぶりに碁会所に行くと、以前は
結局、足が遠ざかりそれっきり。それ以来、定年退職するまで20年も碁石を持ちませんでした。
定年になってから公民館の囲碁クラブに入ったのですが、どうも昔のようには面白くないのです。1年くらいで止めてしまいました。今は全く囲碁に縁なし。
そして思ったのですが、あれほど囲碁のために時間もお金も費やしていたのは、なんだったのだろうと……
同じ人たちが集まったグループでは、みな価値観が同じに染まってしまう。趣味でも宗教でも政治活動でも、類は友を呼び、そして友は類になる。
私が社会人になって最初の職場は、周りがみな麻雀狂いだった。ボッチになりたくなければ自分も麻雀するしかない。どうせするなら面白くないと思うより楽しいと思ったほうが良い。そして自分も麻雀狂になる。
次の職場は酒を飲む人ばかりだった。だから飲兵衛になった。
やはり会社の同僚で、たまたま自転車乗りに誘われて好奇心で参加したらすぐに何十万もする自転車を買い、週末はそこらを走るようになり、今では自転車命になった男がいる。
そして行きつくところは……我が家とも今宵限り、愛妻を捨て、可愛い子供たちとも別れ別れになるかどだ……国定忠治など今の人は知りませんか?
引退後環境活動をやめたという彼も、環境保護活動に参加していたときは周囲がみんな同じ考えだから何の疑問も持たなかったのだろう。
止めたとはなにかそこを出るきっかけがあったはずだ。そして、価値観というか考えが変わったに違いない。
一歩退いて考えると、自分が街頭で環境保護を広報しても、聞いてくれる人などまずいない。せいぜいが変な人と思われるのがオチ。しかし自分は正しく世間の人は分かっていないのだと割り切っているのだろう。
街頭の宗教の勧誘なんてそうとしか思えない。
ところが自分の活動が世の中の普通ではないと気づくと、一瞬で価値観が変わる。
まして環境に関わっていれば、世の中の環境保護とか地球温暖化の対策がおかしいことも分かっている。
分からなければ一人前じゃない。
例えば太陽光パネルをつけると温暖化防止になると思うはずはない
車を買う時点で、その車のライフサイクル全体の負荷の半分になることを知っているはず
エコバッグを使うことの効果はない
自分の住んでいる都市のごみ処理を知っていれば、どの程度分別すれば最善かわかる。
そもそも論だが、地球温暖化が大変だというが、本当にそれが大問題なのか。重大性、優先順、対処可能などを考えているのだろうか?
すぐに思い当たるだけでも、リン枯渇がある
そんなこと私が言うまでもない。今世間ではSGDsバッジをつけるのが大流行だ。
そこで掲げている17項目は、貧困撲滅、飢餓撲滅、健康・福祉、質の高い教育、ジェンダー平等、安全な水、クリーンなエネルギー、雇用と経済成長、産業技術革新、国内外の平等、住み続けられる都市、責任ある製造・消費、気候行動、海洋生態系、陸上生態系、平和と公正、パートナーシップなんだそうだ。
これだけ重要なテーマがあるわけだ。
我が愛しき気候行動 Climate action はなんと順位が13番目、CO2削減の前に12ものプライオリティ項目があるのですねえ〜
もっとも17個の並びはプライオリティ順ではないのでしょうけど、
しかしその中で「地球温暖化/気候変動」を最重要視して扱うというのはどういう理由なのだろう?
現実に気候変動/地球温暖化対策より喫緊の課題があると考えている人は多い。
フランスでたびたび起きるトラック運転手のストというか暴動「イエローベスト運動」の起こり(怒り)は、1世紀先の地球温暖化より今月末の支払いが問題だという叫びだ。
それは気候変動より順位が高い「雇用と経済成長」ではないのか?
日本だって二酸化炭素の排出ゼロとなれば経済が止まること間違いない。
京都議定書が曲がりなりにも達成されたのは「リーマンショックのおかげ」というのは誰でも知っている事実だ。
言い方を変えると菅首相がいうようにCO2排出ゼロを達成しようとすると、日本中いや世界中にクライメイトショックが吹き荒れるだろう。
それは間違っても温暖化ではなく、真の氷河期で就職どころか我が家も会社も政府も文字通り物理的に凍り付くだろうよ、
今、地球温暖化が問題だ、二酸化炭素を止めろという人たちは、そういうことを包括的に考えて、地球温暖化が大変だと語っているとは思えない。
地球温暖化を止めることができたとしても、現代文明はあと何百年もつものか? いやよくよく考えると、地球温暖化より資源枯渇・エネルギー枯渇が早く来るかもしれない。
地球温暖化が大変だあ! というIPCCも研究者も環境活動家も、みなどこかおかしい。
私の頭をよぎったようなことを、元同僚が考えたのか、その結果今までなんともなかった人が突然アレルギーを発症するように、地球温暖化をヤーメタとなったのか?
いや、これは私の想像です。そうなのかどうかは彼にしかわかりません。
もちろん私は彼とは数年間お付き合いがありましたから、勤務していたとき地球温暖化を防ごうと語っていたのは本音だったと思います。なにかがあって考えが変わったのは間違いない。
元同僚の話とはずれますが、環境保護だ、地球温暖化が大変だ、環境保護を推進しなければならないと語っている人が、実生活ではそうではないというのを数多く聞きます。
一番有名なのはゴア元副大統領でしょう
京都議定書をまとめたのは彼ですが、国に帰ったら議会は即反故にしました。元々ゴアは当時の上下院の構成から京都議定書が否決されるのはわかっていたはずです。自分が言い出して自国参加しなかったという、国際連盟のときのウイルソン大統領のようなことをしてます。
恥を知れ!
2007年に報道されたが、ゴアの邸宅が2007年に使用した電気使用量は221,000kWhだった。単純月割りすると18,400kWhになる。
アメリカの家庭は日本より電気使用量が多いですが、2016年のアメリカ家庭の使用量の平均が531kWh/月だそうです。ゴア邸はアメリカの平均家庭の35倍ですか。スゴイデスネ、
ちなみに日本の家庭の平均は385kWh/月だそうです
環境保護の伝道師、ノーベル平和賞ももらい、「不都合な真実」を書いて大儲けして、実態はこれですか。
ゴア邸の温水プールだけで、一般家庭の電気代の何軒分にもなると聞きます。
お断りしておきます。
お金持ちがお金を使うことは悪じゃありません。しかしみんなに環境保護に努めろと騙っていながら、自分は実行しないのは悪です。
他人をだまし、財物を交付させるか、または財産上不法の利益を得ることを詐欺(刑法246条)といいます。
ゴアは詐欺師そのものです。
そういえば映画「不都合な真実」のシロクマはCGだったそうです。それにシロクマという種が現れてから幾たびも地球の気温は上がり下がりし、
シロクマ、嘘つかない ただ本能で生きてるだけ |
安井至という元教授は環境保護を錦の御旗と掲げて、ブログを書き綴っています。
先生は温暖化懐疑論を語る人を撲滅しようと、日夜論敵と戦っています。天敵ともいえる武田邦彦先生については、彼の本を読まなくても批判できると豪語していました。すごい才能です。
その先生が10年ほど前、アメリカでフルサイズ車に乗って、大きな車はいいとネットに書いて、ネットで地球温暖化を進めているのは安井教授だと叩かれました。
ガチの環境保護主義者も、大型車の魅力には勝てないのか。いやいや歳を取ると童心に帰るのでしょう。
グレタ・トゥーンベリという少女がいる。今はもう18歳、大人ですね。今でもときどき何かをわめいているのが報道される。
2021年 彼女の銅像が、イギリスのウィンチェスター大学に建てられたそうです。
偉大なる成果を出した方が亡くなってから銅像が建てられることはよくあるけど、ご存命中に銅像が建てられるとはスターリン、フセイン、金正日並みだ。おっ、みな独裁者だね。ぐれたお嬢さんはどうなのかな?
それにしてもぐれたお嬢さんは、銅像建立時の年齢のオリンピックがあればメダル間違いない。
ところでこの子、登場した時はバナナ食べていたが、フットプリントについて勉強したかな? またドイツでは一等車に乗せてもらったにもかかわらず、混雑で通路に座わったとか騙っていたけど、嘘はつかなくなったのかな?
スティーブ・ジョブズも環境保護で有名だったが、面白い逸話を聞いたことがある。
彼の乗る車にはナンバープレートがなかったそうだ。
アメリカでももちろん車にはナンバープレートをつけることが法律で決まっている。だがカリフォルニアでは、新車を登録してからナンバープレートをつけるまで6か月の猶予があるそうだ。
ジョブズはナンバープレートを付けるとダサいからと、6か月ごとに新車を買い替えていた。その購買行動が環境保護とどう折り合いがつくのか分かりません。天才は矛盾を気にせず、葛藤など生じないのかもしれません。
そういえばジョブズは、ストラップがダサいからとiPhoneにはストラップの穴をつけなかったそうです。
いつのまにかそれがデファクトスタンダードになったようだ。
私は貧乏なので、スマホを落とさないように、なくさないように、いつもスマホのストラップを手首にかけている。
今のスマホはストラップの穴がないから、スマホカバーにストラップをつけている。ところが最近はスマホカバーにもストラップの穴がないんだよね、
もちろん私はジョブズと違い 貧乏 環境保護者だから、今のスマホは4年目だけど、これからも使い続けるつもり。
車だって20代から昨年71歳で免許返納したときまで、たった3台だよ。安井先生はどうなんでしょう?
ゴアをはじめ環境保護に努め地球温暖化を止めようとしている方々は、他人に見られるところではまじめなことを語っているから、見えないところで息抜きが必要なのでしょうか?
いやいや、表も裏も徹底して環境保護に徹してほしいものです。
省エネしろと講演するなら、家でも省エネ、移動でも省エネに努める。フットプリントを減らすため、遠い国から輸入した食品は食べない。バナナは食べてはいけないしコーヒーも飲んじゃだめです。
ぐれたお嬢さんは海外に行っちゃいけません。あなたの街で環境保護を叫びましょう。
えっ、それじゃ人目を引かないですって!
環境活動家の目的は有名になることじゃありません。地球にやさしい暮らしは生れたところで生涯を終えることです。
ええとここにお名前の出なかった方々も、よろしくお願いします。
ダブルスタンダードの環境保護者の方々は、私のほうで地球温暖化に懐疑的だとして地球温暖化懐疑者リスト、略して温暖化ブラックリストに記載させてもらいます。
レッドデータブックに載ると皆から同情されますが、温暖化ブラックリストに載ると皆から石を投げられます。
本日の想像
私の元同僚は、地球温暖化を止める暮らしに疲れ果てたのだろうか?
それとも表では温暖化を止めようと語り、実際には実行できない矛盾に苦しんだのだろうか?
まあ今が楽なら、良いことだろう。
注1 |
えっ、自宅で太陽光発電すると環境保護に役立つとか、地球温暖化を防ぐのですか? 私は資源の浪費、発電所の負荷を増すだけかと思っておりました。 補助金をもらっても回収するのに20年、機器の無償修理が10年、有償修理が15年までで元が取れるとは思えません。 | 注2 |
私は直観だが「コストはエネルギーの関数である」と考えている。一番エコなのはノーマルのガソリン車・ディーゼル車ではないかという気がする。 まあ仮定が重なるが試算してみよう。 試算方法1 「運輸部門のエネルギー消費構造分析に基づく材料関連省エネルギー技術の効果に関する研究」(2005)によると製造時16%、使用時79%、廃棄時5%程度となっている。 ガソリン乗用車の平均燃費値の推移によるとH17(2005)からH22(2010)で13.6km/lから21.9km/lと61%向上している。 上記エネルギー消費割合で走行時を4割減とすると、製造時のエネルギー消費は66%となる。 試算方法2 車製造に要するエネルギーはガソリン車で車重1tあたり27.5ギガカロリーという。 平均使用年数 燃費 2019年 全国カーライフ実態調査(第1弾)平均走行距離 ガソリンエネルギー 1⇒7970kcal トヨタ ヤリスG 1.0L?CVT?2WD(2021)を仮定して車重 1.2t、WLTCモード 20.2km/l 製造のエネルギー 27.5Gcal LC全体=27.5G+ガソリンとして、年走行 6316km ガソリン=12年×6316km÷20.2km/l×7970kcal=29Gcal よって製造時のエネルギー消費はライフサイクル全体の=27.5/(29+27.5)=48% |
注3 |
私はエコバッグが環境に良いとは言えないと考えている。エコバッグを数百円で買って使うなら、最低数百回、つまり2年ないし3年使わないとペイしないだろう。いえお金のことでなく、エコバッグを作る資源やエネルギーを回収するためにです。現実には汚れたり破れたりでそんなに使うはずはない。 そもそも買ったものをバッグに入れる必要性を考えるべきだ。私は買い物をしたとき、小物であればそのままショルダーバッグに入れる。肉を買えばパックから血や汁がでるので、エコバッグに直接は入れられない。たいがい精算した後パッキングのところにあるポリ袋に入れるはずだ。ならばそのポリ袋に入れてショルダーバッグに入れたほうが環境に優しい。 ショッピングバッグの代わりにエコバッグと考える前に、まず包装レスを目指すべきだ。 | 注4 | 注5 |
最近はピークオイルなど心配することもないようで、ピークオイルデマンドなんて新語もあります。そいじゃ化石燃料を使わなくなればもう化石燃料の資源枯渇など心配しなくても良いですか? 私はそうは思えません。それに石油はプラスチックをはじめ、多くのものの材料でもあります。 石炭も還元剤の用途も大きいですからどうなんでしょう? |
注6 |
彼は「不都合な真実」という本を書いたが、「都合の良いウソ」と揶揄された。またタイトルをパロデッた「地球温暖化の不都合な真実」など多数の本がある。 |
注7 | 注8 |
ゴアの住んでいるテネシー州の刑法で詐欺をどう定義しているか調べましたが、クレジットカード詐欺、保険金詐欺、脱税、マーケティング詐欺など法律が細分化されていて包括的な定義にたどり着けませんでした。 |