ネット詐欺

21.04.01

詐欺という犯罪は昔からあり知能犯と呼ぶ。知能犯には詐欺以外に横領とか汚職などがあり、力でなく頭を使って金品をかすめる犯罪だ。力ずくの強盗とか傷害は粗暴犯という。

昔々私が小学校低学年だったとき、我が家も長屋住まいから脱出しようと家を建築中だった。母が家に一人でいたとき大工の格好をした人が訪ねてきて、
大工
建物を一部変更しなければならなくなって1万円余計に出してもらわなければならないと話してきた。母はその人を見たことがなかったが、請け負った大工の仲間だろうと思って1万円渡した。
被害がたった1万円と思うかもしれないが、1960年頃の1万円は今の8万円くらいに当たる。それに当時は戸建てといっても20坪そこそこで電気もガス配管もないから、土地があれば百万そこそこで家が建った時代だ。相手も我が家の様子を見て、それ以上ふっかけても払えないと思ったのだろう。
もちろんそれは詐欺で、母はその後親父に叱られ、請け負った大工からもいちゃもんを言われ数日寝込んだ。
まあ、昔の人は善意というか他人が悪いことをするなんて、疑いもしないから仕方ない。

犯罪はその時点で使える手段を活用する。郵便しかないときは郵便を使い、電車しかないときは時刻表を活用し……時刻表を使った犯罪は聞いたことがない。「点と線」で始まった時刻表トリックは小説だけだ。
ともかく今パソコンはどこにでもあり、ネットにつながるのは当たり前の時代だから、当然サイバー犯罪が興隆している。

20年も前は電話回線経由のインターネットだったから、外国経由で通信させたりして何十万も払う羽目になった若い人も多かった。今は直接インターネットにつながる時代だから、なんらかの方法でネット経由で金を支払わせるか、クレジットカードの情報を抜き取り金を引き出すという方法になった。
そういう観点では振り込め詐欺(千葉県では「電話de詐欺」という)は効率が悪い。もっとも被害者の多くはデジタルデバイドだから旧式な方法が最適なのかもしれない。
ところでいまどきデジタルデバイドなんて言葉は通用するのだろうか?


ところで詐欺にあうのは母のような情報弱者のケースもあるが、被害者の多くは欲があるから引っかかる。
恥ずかしい話だが、私は2回ネットの詐欺にあったことがある。少ないなんて言っちゃいけない、未遂は数え切れず……いや、それはおいといて、

一度は「あなたのパソコンにコンピュータウイルスがあります」という表示が出た。そしてそのアンチウイルスソフトをインストールすれば、 コマッタ パソコンからウイルスを駆除できるとある。
今でも覚えているが RegClean Pro という名前だった。「詐欺ソフト」ではなく「偽セキュリティソフト」というカテゴリーらしい。ともかくウイルスがなくてもエラー警告をしてユーザーの不安を煽り、役に立たない偽アンチウイルスソフトを売り込む悪評高いものだ。2010年代初頭に登場して、2021年の今も現役で悪さをしているようだ。

二度目は私が欲深だったからだ。以前書いたことがある。
夜ネットをさまよっていたら突然JavaScriptでwindowが開き「アンケートに答えて商品をゲットしよう」とあります。
アンケートはラジオボタンをチェックするだけの簡単なもので、設問も「普段使っているウェブブラウザはグーグルクロームか」「クロームは使いやすいか」「ほかのウェブブラウザも使っているのか」「それぞれを使う割合はどれくらいか」とか無難というか、怪しさを感じさせないようなものであった。設問はすべてグーグルクロームに関するもので、クロームのシンボルマークもあったから私はグーグルが行っている調査だと思った。

アンケートに答えて送信ボタンを押すと、突然「おめでとうございますラッキーなあなたが本日の当選者です。賞品を受けとりますか?」と表示された。
とある。えっ!本当、本当ならうれしいな 💛
ところがもちろんそれは釣り針につけられた餌だ。手数料とかなんとかで100円振り込まないともらえないという。
冷静になって考えればオカシイと思わなくちゃオカシイ。だけどその時はもう精神状態が普通じゃないのよ(笑)
メールアドレス、クレジットカード番号とかセキュリティーコードとかをインプットしました。考えればおかしいんだけど、そのときは……
フォームを埋めてインプットしたとたん画面はフリーズ!
ともかくそれは全くの詐欺、翌朝クレジットカードを止めたり大変でしたが、結局1000円引かれていました。いや1000円で済んでよかったと思うしかありません。

でも後処理が大変でした。私はクレジットカードを1枚しかもっていないかったので、毎月支払うものも一度だけの買いものもそれを使っていました。それでカードを切り替えたりまあ手間がかかりました。

私のことを愚妻なんて
呼ぶなんて、ひどい人
あんたは宿六だばい

愚妻である

更に今でもなにかあると、家内に「詐欺に引っかかるような男は……」とやられると顔が上がりません。
しかしそういう経験を経た今は、もうだまされません(キリッ

毎日たくさんのメールが来ますが、その中には詐欺メールもあります。しかし今は騙されないようじっくりと眺め、いや明らかな怪しいメールは開くことなくゴミ箱に入れるように努めています。

ともかくゴミ箱に詐欺メールがたくさん溜まっています。ここでどんな詐欺メールが来たのか、カテゴリー分けとか傾向と対策を記せば世のため人のためになるかと思いました。
ということで本日は詐欺メールの考察をば、

あまり古いメールは捨てているので、2020年1月から2021年3月までに受信したものをまとめてみました。



詐欺メールを見直して気が付いたこと

  1. 詐欺メールが毎日何通も来ていると思ったが、実際にカウントしてみれば二・三日に1回のペースである。思っていたより少なかった。
  2. 多様な種類があると思っていたが、種類は多くないこと。過去1年間に受信した詐欺メールのパターンは5種しかなかった。
  3. また種類が少ないだけでなく、同じ種類のものはほぼ同文であること。
  4. ウイルス添付というのはまずないこと

ポルノサイトなどにアクセスするとウイルスが危ないとか聞くけど、普通のウェブサイトの広告をクリックした結果、へんなのに引っかかったという経験が何度もある。中には新聞社のウェブサイトにあったポルノ系でない普通の広告を乗っ取って怪しい広告が入れ替わっていたというのがあった。

ポルノサイトに近づくなというのは、実際の危険よりも道徳のお話ではなかろうか?
日本では非合法であっても、アメリカや欧州では合法的なビジネスであり、ウイルスとか詐欺とは関わりない。まっとうな商売をしていて、わざわざお客さんが遠ざかるようなトラップを仕掛けるわけがない。

あれ!変だ とにかく変なところに飛んだ場合は、ブラウザを閉じるしかなさそうだ。大事なウェブサイトを見ていたとしても、後で履歴を基にもう一度アクセスすることにして一旦ブラウザを閉じたほうが良さそうです。
だが20年くらい前にはたくさんあった、JavaScriptでドンドンとウィンドウが開いて、最後にはパソコンがダウンするような愉快犯的な仕掛けは今は見ない。あんなばかばかしいことはしなくなったようだ。

それと私の経験では、パソコンを使うならパソコンを初期化するのを覚悟しておくことだ。どうせインストールしているアプリもたかが知れているだろうし、メールやブックマークはクラウドに置いとけばパソコンがパーになっても安心だ。
もっとも再インストールの前にシステムの復元をしてみたほうがいい。
言いたいことは、ネットの世界は危険があるのは当然、恐れていてトライしないのはもったいない。万が一悪いのにあたってしまったら、そんなこともあるさとパソコンを初期化することを厭わないことだ。
初期化とか再インストールなんてことをたびたびしていると慣れて早くなるし、パソコンやスマホに溜まったゴミ(余計なアプリやデータ)が消えるからメモリーが空いたりする。先日Googleのトラブルがあったとき、私は勘違いしてスマホを初期化してしまったが、使わないアプリやダウンロードしたpdfなどがきれいさっぱりなくなったので、快適になった。負け惜しみではありません。

アンチウイルスソフトは効果があるのかどうか実感がない。Windows付属のDefenderだけで十分だという説もネットには多い。私も3年前今のパソコンを買ったときはじめはアンチウイルスソフトを入れなかった。
しばらくして「お前のパソコンにはウイルスが入っている」という警告なのか脅迫なのかメールが来たので、怖くなってマカフィーを入れた。とはいえ、パソコンがウェブにアクセスしたり自分のHDDから読み出すときとか遅くなったほか、何ら変わらない。
そして3年近くの間「ウイルスを発見、除去しました」なんて通知もない。要するにマカフィーの効果があるのかないのか分からない。

少し前、フェイスブックで友達になっている人たちに「これはあなたではないですか」というリンクが添付されたメールが発信するというウイルスがあった。これも過ぎてみればとにかく多数対多数で発信しあったわけだが、そもそも私の責任なのか、いや私が発信したのかさえも分からない。いずれマカフィーは認識もしなかった。
ということで、少なくてもマカフィーは次回契約更新はしないつもりだ。

実は少し前にクロームブックを買いました。ウイルスでも詐欺メールでもないのですが、私のデスクトップパソコンが動作不安定になりました。結果としては最近入れた小物のアプリというかドライバーが悪さしたようで、再現ポイントに復帰させてOKになりました。
ただ元に戻すまでの3日間、ネットにアクセスできず困りました。
そこで思ったのですが、クロームブックならアプリさえクラウドがメインなのだから個々のパソコンがトラブルになることはなさそう。仮にchromeが動かないほどのことがあっても、そのパソコンを捨てれば済むわけです。
というわけでクロームブックを買いまして、ただいま使い方を勉強中です。Gメール、LINE、Kindleなどはセットするまでもなく、Googleアカウントで入った瞬間OKですよ。パソコン、スマホと共存はバッチリです。これには驚いた。もっともこれはクロームブックに限らずだけど、

昔といっても20年位前からネットワークコンピューターとかシンクライアントとか同じようなアイデアが出ては消えしましたが、21世紀の今はネットワークは盤石、通信速度も速く、そしてサーバーの力も大きくなり、十分実用になったのでしょう。
もっとも見方を変えると、1980年頃工場の各所で入力するだけのキーボードとモニターがあり、メインとやりとりした形に戻ったわけです。

クロームブックでオフィスソフトが使い物になるかどうか、ただいまトライアル中です。といっても、浪人となった今では、仕事のように他人とファイルを共有することもありません。グーグルドライブを使いこなせば悩み無用……になるはずです。
とはいえ過去25年使ってきたエクセルとワードのようにはまだ使えず……

ブラウザとメール主体ならChromebookでなくてスマホせいぜいタブレットでよかったのではという声が聞こえます。実は年を取ると指先の脂分が減るせいか、タッチしても動作しないことが多い。特に冬は、
そこにいくとノートパソコンのタッチパッドは画面をタッチするよりかなり安定性があるし、マウスならガチです。つまらないかもしれませんがそういうところの安定性は使い勝手というか、顧客満足の最低基準でしょう。
というわけでクロームブックを選びました。

クロームブックに限らずクラウドなら、ネットが切れたときどうするかとなりますが、まあ、そのときは本でも読んでいることにしましょう。ネットしないと死んじゃう病でもありません。
でも個人の遊びだからそういえますが、お仕事でクロームブックなりクラウドを使うって、どういう神経なのか理解できません。
とはいえ昔の職場はLANケーブルを床下を這わしていましたが、転勤者があったりすると情報システムの人たちが来て床板を外してケーブルを引きまわしていました。
今は無線LAN(Wi-Fi)になったと聞きましたが、有線に比べてセキュリティは大丈夫なのかなという気がします。雑居ビルですからね、廊下をだれが歩いているかわかりません。
まあペンタゴンも中国から侵入されているようですから、私企業でそこまで心配してもしかたないかもしれません。


老人マーク 本日の決意

詐欺メールとかウイルスとか心配するのは、既にネット病である。
ネットが使えないならとりあえず昼寝しよう。そう思えば怖いものなし。


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