「品質システム審査ハンドブック」デビット・ホイル著goodbetter
出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
日本規格協会4-542-40177-4 1999/103800全1巻

この本は主義主張と関係ありません。
決してお買い求めされないようにはじめに申し上げておきます。
この本はISO9000の審査においてのレディネス(心構え)とか手順を書いたものです。

品質監査や環境監査において法律に適合しているか?正しく運用されているか?などなどを調べます。
この調査は出たとこ勝負や経験でするものではありません。
それは技術であり、学問として確立すべきものです。
調査に当たっては事前準備を行い、調べなければならないことを抽出しとりまとめておきます。
調査では話を聞いただけで納得してはいけません。証拠はあるか、確認しなくてはなりません。
調査結果を後で検証されたとき、調査結果を証明する証拠を記録しておかなければなりません。
規則と異なる事実や行動があれば、相手にその事実を確認してもらい合意をとります。相手が認めないものを不具合とすることはできません。
監査をするには『専門知識』が必要ですが、『目ざといこと』『コミュニケーション力』『記録する能力』が必要です。
監査は議論ではありません。相手に事実を納得してもらえばよいのですが、相手が納得しないときは説得しないとなりません。そのため議論する場合もあります。
この本は監査をする人のための教本です。

なぜ、これを挙げたかといいますと、
議論するとき、あるいはディベートするときこのテクニックが役に立ちます。

議論は論議している項目についての知識がまず必要ですが、才能や度胸や思いつきだけではできません。相手の論理の欠陥を見つける目ざとさも技術いります。

論点をはずさないために論点をリストアップしておく、
本筋からはずれたら引き戻さなくてはなりません。
よくあるんですよ、戦況不利となるとギョッとするような具体例をあげて目を引き、論点をずらす。日の丸・君が代がいつの間にか在日朝鮮人問題になっていたりしてね(^^)

ね、私の言うとおりでしょう
また議論するとき『○は△です。△は◆でしょう。だから○は◆です。』なんて複雑・悠長なやり取りはできません。
『○は△です。分かりますか?』と同意を得る。
『では△は◆です。分かりますか?』と同意を得る。
『だから○は◆です。納得できますか?』と段階を踏みたたみかけていかないと納得させることがむずかしい。

この本にはこういったテクニックが満載です。

もちろん掲示板の議論は、論点のはぐらかし、同じことを連続投稿するなどなんでもありの世界です。
正式なディベートと異なり、審査員がいませんから勝手に勝利宣言をする者もいます。
面と向かった議論じゃないですから不利になると話が変わるまで出てこないという手もあります。
道場で習った剣法がやくざ相手には通用しないのです。
しかし、基本を抑えておくと度胸とひらめきよりはすこしは有利になります。
そういった意味でためになる本です。


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