「連合赤軍『あさま山荘』事件」佐々淳行著   
| 出版社 | ISBN | 初版 | 定価(入手時) | 巻数 |  
| 文藝春秋  | 4-16-351750-2  | 1996 | 1524 | 全1巻 |  
 
 
 
  
正直言って、東大卒、キャリア、何年入省、国家公務員上級職合格、という言葉が随所に出てきて、私のような学歴もなく、エリートとは無縁の者にはかなり鼻につく記述があります。 
 
とはいえ、 
厳冬下、人質の救出、国民の安全のために命をかけて働いてくれた方々の偉大さは変わりません。 
大変だったことだと思います。寒かったと思います。 
疲労が極限だったことでしょう。 
同僚が殉職し、悲しかったと思います。 
犯人が憎かったことでしょう。 
そして、政治家や上司にむちゃくちゃ言われるだけで誉められもせず、空しかったでしょう。 
 
 
私はこの本を読んでいて、涙が出て、鼻水が出て、声が出ませんでした。 
なんと無情な事件だったのでしょうか? 
凶悪な犯罪者にとらわれた人質の方は本当に生きた心地もなかったでしょう。 
職務とはいえ、こんなバカ相手に命をかけて働いた警察官の方々に頭が下がります。 
 
この事件は私の若き日に起きました。 
佐々氏の言う『Xディ』には私は会社で仕事でしたが、定年退職した父はまだ存命で、クレーン車の攻撃を朝からテレビで見守っていました。 
そしてテレビの前で大声で警官隊に声援を送っていたそうであります。 
 
私は、映画化されたこの事件を今の人たちが見て、「機動隊がんばれ、犯人をやっつけてくれ!」というパターンで終わってほしくない。 
 
なぜ、このような事件が起きたのか? 
それを考えて、これからの日本に生かしてほしいと思う。 
 
なぜ、このような事件が起きたのか? 
それは簡単である。 
世の中に、社会主義を信奉する勢力が強く、暴力革命を叫ぶ政党があり、組合があり、それに扇動され調子に乗った学生や高校生、社会人がいたからである。 
彼らはみな裕福で、頭でっかちで、空理空論に走り、人の命の尊さも知らず、面白半分で革命ごっこをしていたのだ。 
断言するが、私のように本当に貧しい階層はそんな革命ごっこをする余裕はなかったのだ! 
 
そして、付け加えなければならない。 
今も革命ごっこをしているバカがいることを! 
 
なぜ、彼らはこの日本を愛さないのか?愛せないのか? 
それは間違った思想を教える教師がいるためであり、偏向した報道をするマスメディアがあるからであり、日本を憎んでいる政党があるからであり、あまりにも豊かで甘やかされた子供がいるからである。 
その状況は今も変わらないのだ 
 
浅間山荘で戦った警官隊、成田空港で戦った警官隊、丸の内爆破事件と戦った警官隊、そしてオウムと戦った検察、警察は実行犯を捕らえた。そして正当な裁判が彼らを断じた。(一部卑怯な手段で国外に逃れた者がいるが) 
しかし、犯人を生み出した日本の悪のよどみには彼らは手が出せないでいる。 
この悪を生み出した思想、団体に対しては私たち日本人一人一人が戦いを挑み、この日本からそのような思想を吹き払っていかなくてはならないのだ。 
 
浅間山荘事件が映画化された、北朝鮮の拉致疑惑が解明されようとしている、中国の軍備強化が知れ渡ってきた今こそ、私たちは過去日本がたどった過ちを検証し、決して再びこのような悪を称えたり、見逃してはならない。 
 
イスラエル首相のラビンが元テロに関わっていたと書いているホームページがありますが、それは事実である。 
しかし同時に、ラビンのライバルであるアラファトもまたテロリストであったのだし、日本にもテロに関わっていた(今でも関わっているかもしれない)政党が、そして政治家がいることを忘れてはいけない。 
あるいは忘れた振りをしているのか、単に無視しているのか? 
 
私たちは過ちを繰り返してはならない。 
ただし、ここでいう過ちとは共産主義思想であり、暴力革命思想であり、それらを甘やかした報道であり、政治家である。 
決して、二度と日本に混迷をもたらしてはならないのだ!
 
 
 
 
 
 
 突入せよ!「あさま山荘」事件 
映画を見てまいりました。 
すごい、大変だ、内部抗争いえいえ、警察内部をまとめるのも大変だと感じました。 
でもイマイチ感動が湧きません。 
それは事件の背景がないからです。 
 
 私はこの事件が起きたとき青年でした。 
  テレビ・新聞で事件の報道を見ていました。 
 本も読みました。 
 そして映画も見ました。 
もちろん印象が一番残っているのは30年前の本当の事件ですね、 
 
映画も本もなぜ、本当の原因を書かないのでしょうか? 
なぜ一歩引いてしまうのでしょうか? 
 なぜ、こんなばかな事件が起きたのか? 
 誰がそれを煽ったのか? 
それははっきりしています。 
なぜそれを言わないのでしょうか? 
 
よど号犯の子供たちが日本に帰ってきました。 
子供には罪はないと思います。 
しかし、彼らが犯人たちの帰国運動、それも裁判にかけないようにというホームページを立ち上げたりするのを見ると私はとんでもないことだと考えます。 
 
よど号犯たちは自分たちの罪をいかがお考えなのであろうか? 
よど号犯の子供たちは親の罪をいかがお考えなのであろうか? 
 
まさに『この親にしてこの子あり』としか言いようがない。 
 
はっきり言う。 
 
私は決してよど号犯を許さない。 
赤軍派を称えた政党を許さない。その後継政党も許さない 
赤軍派を煽った新聞社を許さない。 
 
 
 
 
不良中年様からお便りをいただきました。(2002.05.18) 
私も先日『突入せよ!あさま山荘事件』を観てきまして、佐為様と似たような感想を持ちました。 
その時の感想を再三様と久島先生のところへ投稿したのですが、どちらも全く反応が無く、皆さまあまり関心が無いのかと思っていたのですが、佐為様もごらんになったとのことでそうではなく、私の切り口が甘かったのかと少々反省しております。(^_^;) 
私もこの映画を観て、事件の背景が全く描かれていないことに違和感を覚えましたが、それよりも長野県警の危機意識の希薄さが現在の有事法制の不毛な議論を思い起こさせられました。 
まあ、再三様のところでは皆さま似たようなお考えの方が多いので反響が無くても納得なのですが、久島先生のところには結構左寄りの方もいらっしゃるのであるいはと期待していたのですが、見事に空振りでした。(^_^) 
 
不良中年様のあさま山荘の投稿はもちろん拝見しております。 
そのとき論評しなかったのは、まだ私が見ていなかったという理由です。 
決して無視したわけではありません。 
おっしゃるとおり映画では背景がまったくありません。 
 これでは価値が半減します。 
少なくとも東大攻防戦とかあさまのその後のリンチ事件を付け加えて、事件を知らない若い世代に赤軍派とはこのような狂犬だったのだということを知らしめるべきだと思います。 
まあ、まずはこれで赤軍派の記憶を呼び戻したという橋頭堡を築いたと思えばよいのでしょうか? 
この映画がすこしでも左派を追い詰める効果があればと思います。
 
 
 
 
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