「ほんとうは日本に憧れる中国人」  王 敏 badworseworstmuch worse
出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
PHP新書 4-569-64118-02005/01/31720全1巻

出張のときに駅の売店で何も考えずに買いました。
新大阪だったか? 神戸であったか? 名古屋であったか? ・・・忘れました。
なにせ、年寄りは物忘れが激しいのです。 

いやあ、この本は中国人は日本のODAや砂漠防止の支援に、ほんとうは感謝しているとか書いてあるのかと思い読み始めました。
一読しまして、目からうろこでございます。

いやあ〜ものすごくよく分かりました。

お断りしておきますが、誉めているわけではありません。正反対です。
この本のタイトルは「ほんとうは日本人を滅ぼしたい中国人」ではないかと思った次第です。
まさに、中華思想のデンパ発信しまくりです。 

電子機器は・・・もちろんそれにはテレビやゲーム機器も入ります・・・他の電子機器に悪影響を与えないために、不要な電波を出してはいけないという規制があります。
FCCとかVCCIといった言葉を聞いたことがあるでしょう。
  ッツ!、知らないですって?
私の安物パソコンの後面にも made in Korea のそばにVCCIと記してあります。
とにかく人に迷惑をかけるデンパを出してはいけないというのは万国共通なのです。
私のホームページでは、ISOや環境などの雑学を得ることができるのです 

oioi.gif しかし、この本はもう妨害デンパ出しまくりでございます。この本のそばに電子機器を置いたなら雑音がひどくて大変でしょう。
中国人というのはこれほどまでに ご都合主義、独りよがり、自分勝手なのか! というえがたいサンプル、教科書でございます。

この著者は日本人に対する優越感とともに白人に対する劣等感というのか卑下する心根がミエミエである。
昔、山口百恵が「心の貧しい女だわ〜♪」と歌っていたが、こちらは心の卑しい人らしい。
日本人が国際人でないとたいそう非難しているが、ご自身を含む中国人が国際人であるかについては言及がない。
スポーツ大会などを見ると・・・・日本人選手の安全を祈るばかりである


1980年代以降の日中間の摩擦を取り上げて論じている。
しかしながらまったくの的外れとしか言いようがない。
 だって、取り上げている事例というのが いったいどこに中国人としての反省があるのか?
「中国の若者に日本の姿勢は傲慢、不遜、無反省と映り、日本に対しての不信感が募ることは避けられない」と語る。
ほんとうは
「日本人に中国の姿勢は傲慢、不遜、無反省と映り、中国に対しての不信感が募ることは避けられない」ではなかろうか?
この著者は日本のODAが日本人一人当たりいくらになるか、中国人一人当たりいくらになるか、ご存じなのであろうか?

日本の中国への侵略を語る傍ら、チベットへの侵攻、ベトナムへの侵攻、西域のイスラム教徒迫害については一言も語らない。
中国人とは物忘れが激しいのだろうか? 目が見えず耳が聞こえないのだろうか? 不思議な人種である。

「日本は歴史に学ぶ姿勢が欠如しているのではないか?」
バカも休み休み言いたまえ、歴史に学ぶ以前に中国人は事実を見つめなければなるまい。

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嗚呼! 偉大なる中国空軍
自国が核兵器を持ち世界一の兵力を持っていることを一言も語らず、自衛隊を語るのは止めてくれないか。
中国の日本の領海侵犯を語らず、日本のイラク派遣を危険だと叫ぶのは止めてくれないか。

サッカーの試合で日本に対する暴動を愛国の故と語り、日本の愛国を軍国主義と語るのは止めてくれないか。

しかしこの著者もあちこちにぼろが出ている。
中国では人民は政府指導者の指示によって動く(p157)、中国人は人民日報をみて動くと書いている(p161)。その一方で中国の世論調査では反日が多いと語る。(p162・175)
この論理の矛盾に気付かないなら・・・まあ、その程度なのだろう。

結局、この本は「中国は世界の中心である。日本人は中国人にひざまずけ」と言いたいらしい。

いわゆる文化人という人種はよくこんなことをいう
「アメリカ人はまったくの善意なのだが、自分たちの価値観を押し付けるのが悪い」
  確かにそういうことはいえると思う。
  しかし、次の言葉をあわせて語らねば、偏向である。
「中国人は自分たちが世界の中心にいると考えて、自分たちの価値観を押し付けるのが悪い。そしてさらに問題なのは、中国人の価値観はアメリカ人の価値観と違い普遍性がないことである」


本日のまとめ

ああ、中華思想は偉大なり

その傍若無人は真似できません



日本ではがちがちの国粋主義者でもこれほど偏った発言はできないのではないか?
だって大の大人が「私は絶対正しい」なんて恥ずかしくて言えませんもの
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これは中国の情報機関の工作であると見た方が正しいのかな?
「反日感情」の深層分析なんて書評を見ると、チャンチャラおかしいです。



タイガージョー様からお便りを頂きました(05.07.04)
拝啓 佐為様
いつも為になるお話をありがとうございます。「ほんとうは日本に憧れる中国人」をみて、なるほどと納得させられました。ただ、ご都合主義な中国の行動も長い目で見ると一貫性があります。このようなお話もあります。
春秋戦国時代の頃、楚王が病死しました。皇太子は当時斉に人質となっていました。当然出国禁止です。皇太子は跡を継ぐため、帰国させてくれと斉に頼みました。斉は帰国したければ楚の領土を割譲せよと皇太子を脅迫しました。皇太子は泣く泣く承知し、楚に帰国しました。
さて王位についてから約束の領土を割譲する日がやってきました。若王は会議を開いて家臣達に相談しました。
最初の大臣「一度皇太子が約束したのだからそれは守るべきである。私は斉に行ってきます。」
将軍「後継ぎと分かっている皇太子を監禁して脅迫するのは違法であり、この約束も無効である。断じて領土は渡せない。私は兵を率いてその土地の城に立てこもって防衛します。」
外務大臣「確かに違法な約束ですが、我が国は弱小で、斉は強大であります。私は秦に援軍を要請しに行ってきます。」
若王「どの意見を採用すべきだろうか?」
残った大臣「みんな採用致しましょう。」
若王「?」
残った大臣「まず斉に向かって、我が国は約束は守ります、城は開けておきますのでどうぞ領土をお取りくださいといいます。そして将軍には防衛ラインを固めて城を渡さないように伝えます。油断している斉軍はきっとわが軍を攻め落とせないでしょう。斉軍が、なぜ城に軍隊を置いているのかと聞かれたら、将軍が王の命令を無視して勝手に立てこもっているのです。どうぞ攻め落として頂きたいと返事をします。そして将軍が時間を稼いでいるうちに外務大臣が秦の援軍をつれてくるでしょう。領土を渡さなくてもすみますよ。」・・・事態はそのとおりに進行しました。斉からすると楚の対応は矛盾だらけですが、一つ一つが意味を持っていたのです。
先月中国が表明した靖国参拝反対声明をみました。そこにははなんと「台湾に対する日本政府の謝った態度を改めよ」とありました。佐為様には釈迦に説法でしょうが、日本が中国−台湾併合に賛成するといよいよ台湾の独立は危うくなります。靖国参拝批判も実利的な意味を持っているようです。中国は何十年も前から台湾合併を工作しているようです。中国の行動を融合してみてみると中国の大きな政策が見えて来るのではないかと愚考致しております。中国が何をしようとしているのか?それは今後も佐為様のサイトで勉強させて頂きます。今日は柄にもなく語りすぎましたね。では失礼します。
敬具

タイガージョー様、お便りありがとうございます。
私たち人間が生きているのは理想社会とか夢の国ではありません。
現実社会ですから、自分がおかれた条件下で最善を尽くすのが当然であると思います。
楠正成でさえ、汚い戦法を使ってますし、目的のためには手段を選べないのがほんとうのところかと・・・
だから中国の取る戦術、戦法を汚いとか矛盾ということもありませんでしょう。
我々も戦略的に行動すればよいというだけのことかと
ただ、日本人は理想的、良心的な方が多いと見えて、すぐ中国様がおっしゃるのが正しいとか、日本人は悪い人だなどと信じ込むのはこれまたイケマセン。
まあ、日本人もだんだんとだまされにくくなったのではないかと・・・
もっとも振り込め詐欺に合う人が絶えないようですから、やはりだまされやすいのでしょうか?

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