有事は今ここにある! 2002.05.11
本日(2002.05.11)の読売新聞の社説には感心いたしました。さすが日本で一番売れている新聞は中身もあります。
朝日新聞社や社民党もこの社説を読んですこしはまともになってほしいものです。もちろん妄想に囚われている国民、市民団体の方もぜひお読みください。
一方朝日の社説は論理がはっきりせず、事前の体制ができてないから中国領事館への亡命の扱いが悪かったと書いています。これまじめに読むと、有事に備えて法律を作っておかないといけないということになりますが、それでよろしいですね?

さて、ここ数年、世界的にまた日本の周辺で事件が絶えない。
 ・能登半島の北朝鮮の不審船領海侵入事件(1999)
 ・テポドン発射事件(2000)
 ・アメリカWTCテロ(2001)
 ・北朝鮮不審船自沈事件(2001)
つい数日前には中国の日本領事館に亡命しようと飛び込んだ北朝鮮人を中国官憲が日本公館内に侵入した事件が発生した。
北朝鮮の拉致事件(もはや北朝鮮によると思われるという枕詞は無用だろう)の時は、『まあ、かわいそうね!』程度の認識だった方々も、『もう他人事ではない!』という危機感を抱き始めているはずだ。
 これは想像ではない。
現実に日本国憲法を改正しようとか、有事法制が必要だという人が各種世論調査で増えてきている。
PKOあるいはタリバン攻撃にさいしての自衛隊参加も国民の多数が支持したのが事実である。

本当にこの世界が平和主義で成り立っているならば、軍隊は無用の長物であり、警察は最小限でよいはずだ。
人間性善説、中国至上主義の最右翼である社民党の安全保障政策は下記のとおりです。
 憲法第九条に基づいて「平和基本法」を制定し、肥大化した自衛隊の規模や装備を必要最小限の水準まで縮小するためのプログラムを策定します。当面、自衛隊に関しては、軍事力肥大を生む軍産複合体の増殖をおさえ、国会による文民統制のシステムを強化し、情報の公開を徹底させ、基本的人権に抵触する有事立法や秘密保護法をやめさせ、また隊内いじめ事件で発覚した自衛官の基本的人権侵害を防ぐ制度を創設します。軍事力増強による威嚇効果を「抑止力」とよぶ日米安保路線は、対抗勢力を刺激し、軍拡競争をエスカレートさせる危険性を伴います。社会民主党はこれに反対し、対抗勢力をつくらずにすむ「対話と協調」路線を選択します。
 冷戦の終結で日本侵略の潜在力をもつ脅威が消えてしまい、しかも物価が下落する時代にあって、冷戦期を上回る中期防衛力整備計画(二〇〇一〜二〇〇五年度、限度額二五兆一六〇〇億円)は明らかに過大です。新しい中期防に盛り込まれた抑止力優先の攻撃的な装備の調達は削除するよう要求します。将来的には、いずれ自衛隊は国境警備、国土防衛、災害救助、国際協力などの任務別に分割し、縮小、改編することをめざします。
この認識がまったく間違っていることは現実が示してくれた。
あと数年すれば平和ボケしている人たちも社民党的世界観は成り立たないことに気がつくだろう。
それはそれで良いことなのだが、、
問題は国民が危機に気がつき、体制を整える前に危機が訪れることだ。
奇襲的攻撃、あるいは事件(事変かもしれない)が発生したときに、最初のダメージが日本が反撃できないほど大きなものの場合致命傷となることである。

具体的な事例を考えてみよう。
  1. 東京都庁に飛行機の自爆テロが起きたら?
    あなた、どうしますか?
    オドロキ 単独の犯罪者が行った事件ならともかく、国家が主導して実行したテロあるいは軍事行動としたとき、日本はいかなる行動を選択するのか?
    日本はいかなる行動を取れるでしょうか?
    現体制では泣き寝入りしかありませんよ!
    外交交渉なんて拉致された人を取り戻すこともできなかったでありませんか!
    まづ、第一に軍事行動を取るという法的裏づけがありません。
    あるいは仮に超法規的に軍事行動を取れと国民の大多数が声を上げたとしても、日本には攻撃する手段がありません。
    自衛隊の装備を世界有数だなんて信じているんじゃありませんか?
    自衛隊は防空、対潜、上陸阻止の能力はあっても敵の本拠地に対する対地攻撃能力はありません。

     そんなことは発生しない、なんて言っちゃいけませんん。
      ラングーンでの韓国首脳暗殺作戦もありましたね。
      金賢姫の航空機爆破事件もありました。
     これはすべて北朝鮮の国家テロと断定されています。
     またお隣韓国では北からの侵入は後を絶たないのはご存知のとおり


    明日、日本で外国の国家テロが実行されない保証がありますか?
    特に経済的に危機にある国家なら何をするか知れません。
    『日本も不況だ』なんていっちゃいけません。豊かさの桁が違うんです。北じゃ食うものもないんですよ。


  2. 能登半島の原子力発電所に侵入して、原子炉を暴走させたらどうなりますか?
    これは小説にありました。
    ひとつの県あるいはそれ以上の範囲が放射能汚染で人は住めなくなるでしょう。
    あるいは日本の半分くらいが放射能汚染されるかもしれません。チェルノブイリをみればどのくらいのものかは分かるでしょう。
    小説でもそのときに政府も自衛隊も警察もとりえる手段はほとんどありません。
    むざむざと自分の国が消滅してしまいます。土地はあっても住めないならばないのと同じです。

  3. 連合赤軍の浅間山荘事件がありました。
    佐々氏
    武装した数人がいればものすごい事件が起こせるということが分かります。
    季節、犯人たちのスキルなどもう少し犯行側にとって有利な条件であったなら、あの事件はより多くの犠牲者 それも民間人を含めて 出したことは間違いない。
    逮捕されたときまだ多量の弾薬、爆弾を持っていました。
    都市に逃げ込んでそれを使ったら想像するも恐ろしい事態になったことでしょう。

  4. オウム真理教のサリンテロがありました。
    地下鉄で実行された以外に小林よしのり氏他に対するサリン暗殺計画が判明している。彼らが持っていたサリンを有効に使用したらその犠牲者は数百人規模あるいはそれ以上になったかもしれない。
    サリンのように作るのも、使用するのも厄介なものでなくて、もっと扱いが容易な犯行の凶器はたくさんある。
    たとえば、シアン化合物はめっき工場にいけばいくらでもある。工場側の管理が悪いとか、横流しがなくとも、盗み出すあるいは強盗で入手することはサリンを作るより容易だ。そして使用の際もサリンほど実行犯側に危険性がない。浄水場への投入やシアンガス発生などその利用は簡単だ。
    砒素を使った無差別殺人事件もありました。一人あるいは少数の犯人でもあのくらいの犯行は簡単に実行した。仮に強い意志を持った、訓練された者が当たれば間違いなくきわめて多数の殺傷は容易に実行できる。
    国家テロならば細菌兵器も使うことができるでしょう。現在の日本で細菌兵器が使われたら対抗措置はまったくないでしょう。

    一個中隊あれば日本を牛耳れる
  5. 古典的な作戦
    一個中隊規模(150〜200人)のライフルだけで武装した侵入者が国会や各省庁を占拠することは極めて簡単です。
    戦闘のプロ柘植さんがこれについて書いてます。
    このとき警察ではまったく歯が立たないでしょう。
    自衛隊は出動も困難、まして指揮官がいなくなったときどうするんでしょうか?
    WTCテロのとき、アメリカ大統領と副大統領は所在地を離して政務を行ったということを聞きましたでしょう。
    危機管理とは指揮系統を確保するのがまず第一です。

今日現在、これらの事態が発生したらみな泣いて、神仏にすがるほかとりようがないでしょう。 日本は平和ボケがあふれ『日本にはぜ〜ったい有事がおきないよ』なんてほざいています。 国家、国民全体に対する危機ではありませんが
えひめ丸が潜水艦との衝突で沈没したとき、森総理がゴルフしていたことをお怒りの方が多数いましたね。
そういったことに備える有事法制も必要と思いませんか?

私は声を大にして言いたい。
有事は今ここにある。

 今の有事法制案が気に入らないというなら、自分たちの有事法制案を作り国会で議論したらいいじゃありませんか?

参考までに言いますと、
どの会社でも外国で駐在員が誘拐されたとき、社内で事件が起きたとき、車で危険物を運搬中に事故にあった時などありとあらゆるケースを想定し、マニュアルを作り、対応を訓練をしてますよ。
だって、そんなことで会社つぶれたり、社員が路頭に迷ったりしたりすることがないように備えるのが当たり前だからです。
ISO(国際標準化機構)ではこの『危機管理』の仕組みの世界標準を作ろうとしてますよ。
世界の常識はそこまで進んでいるのです。
それを知らずに『グローバルスタンダード』なんて言葉を使わないでくださいね。

 この当たり前のことを理解できない人が平和ボケです。

私ははっきり言って平和ボケと心中するつもりはありません。
有事の発生に備えて有事法制制定を推進したい。
そのためにはネットの世界で、各種メディアへの書き込み、あるいは体を使った行動で有事法制制定促進運動を進めます。


本日のまとめ、

危機は今ここにある。
座して死を待つのではなく、自らの道は自分で切り開こうではないか!


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5月11日付・読売社説(1)

 [有事法案審議]「不毛な“神学論争”を繰り返すな」

 もう少し現実的で、骨太の論議はできないものだろうか。

 衆院の特別委員会で繰り広げられている、武力攻撃事態法案など有事関連三法案をめぐる審議である。

 この法案は、日本有事の際の自衛隊の活動だけでなく、国としての意思決定のあり方や、地方自治体の役割、国民の協力、今後整備すべき法制などを幅広く盛り込んでいる。戦後の安全保障の歴史の上でも、画期的な法案と言っていい。

 論議すべきは、危機に際しての「国のあるべき姿」だ。

 しかし、これまでの論戦はいささか非現実的で、不毛な“神学論争”の繰り返し、と思われるような質疑が目立つ。

 例えば「武力攻撃が予測される事態」をめぐるやりとりだ。

 政府側は、「自衛隊法で定められている防衛出動待機命令が出される事態」であり、「事態は千差万別で、明確に言うのは難しい」と答弁した。野党側は「あいまいだ」と反発し、明確な定義と具体的な例示を求めている。

 政府に、より分かりやすく説明する責任があることは、言うまでもない。

 ただ、有事法制は、昨年九月の米同時テロのような、予測困難な危機にも対応できる、柔軟な仕組みでなければならない。野党側が、具体的なケースを詳細に示すよう求めているのであれば、非現実的だ。情勢が緊迫した時の事態認定に枠をはめることにもなりかねない。

 日本周辺有事を対象とした周辺事態法に基づく米軍支援と、武力攻撃が予測される事態における米軍支援の関係も、大きな論点になっている。

 政府は「二つの事態は併存することもあり得る」としたうえ、「それぞれの法律に基づいて区分けして支援する」という。これに対し、野党側は「境界がはっきりしない」と批判している。

 だが、日本に対する脅威が差し迫った情勢の中で、米軍支援の内容を区別できるかどうか、といった論議そのものが、日米同盟関係の重要性を脇に置いた、現実離れした議論だ。

 与野党に求められるのは、政府案を、より実効あるものにする、建設的な提案である。有事に備えて対処基本方針を策定する組織はどうあるべきか、など論点はたくさんある。

 政府が「二年以内に整備する」として先送りした、避難の指示や被災者救助といった個別の事態対処法制についても、今から論議を深めておくべきだ。

 国の独立と国民の生命、財産を守るために、真に必要なことは何か、中身の濃い論議を期待したい。