ちょっといいはなし 2006.04.30
お断りしておくが、ここに書いた話はすべて真実である。このような話を創作しても面白くもなんともない。事実だからこそ、ちょっといい話なのである。

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東京駅発の中央線の電車の中のこと、ラッシュ時ではないが座席はすべて埋まり、立っている人も大勢いた。幸い私は東京駅で乗ったので座ることができた。私の隣に若い父親と息子が座っていた。
水道橋あたりで年配の女性が乗ってきた。私が立とうかとしたとき、隣の父親が「お前立て」と10歳くらいの息子に小さな声で言うと、少年はなんのこだわりもなくスット立ったのです。そしてお父さんの方が「どうぞお座りください」と女性にいい、彼女はお礼を言って座りました。そしてその後、立った息子は座っている父親と何事もなかったかのように雑談していました。
私は感動しました。席を譲るという行為だけでなく、それがさりげなく実行されたということに、
昔小さな親切なんて運動がありました。私は父親の親切に勲章をあげたい。だって息子が素直に育ったのは父親のおかげで、父親がまっとうな人になったのは息子のおかげではないでしょう?
はたして同じ状況で私が娘や息子に「お前立て」と言ったら立つもんでしょうか?
あるいは言われる前に立ったでしょうか?
私自身が立つであろうことに疑問はありませんが、娘や息子が言われたら立つかというといささか疑問であります。
親子連れの親切は年配の女性にだけではなく、私にも影響し、当日は気分良くご訪問先に行くことができました。

やはり電車の中のこと
老夫婦が「この電車○○駅にいくのかねえ〜」と話し合っていた。
するとそばにいた若い男性が「大丈夫ですよ」と声をかけた。
そして約20分くらいしてから「あと三つ目の駅ですからね」と言って降りていきました。
私自身、田舎から都会に出てきたばかりは右も左もわからず心細かった。
今でもいつも乗っていない路線に乗ると駅名を常に見ている。
そんなちょっとした言葉でも大変ありがたいのです。
大分前、皇居の広場を歩いていたら、欧米人の二人連れの一人がもう一人を写真に撮っていました。すると通りかかった人が日本語で「撮ってあげますよ」と言って二人並んだ写真を撮ってあげました。
それを見て私はその行為よりも、その行動がほんとうに自然であることに驚いた。
私もそんなに自然に他人に話しかけたりすることができるだろうかと考えてしまったのである。
まして外人だと言葉が通じないと思っちゃいますよね。しかし自分が外国の町で困ったことがあったとして、日本語で話しかけてくれることを期待するだろうか?その国の言葉で話しかけられても十分感謝するのではないだろうか?
●Yosh様よりお便りを頂きました。(06.05.01)
私の友人(日本に住んでいた白人)が言うてたのです。道に迷うてうろうろしてた時、英語でなくて日本語でしたが親切に声をかけてくれて助けてくれた日本の人がいたそうです。その日本の人のその行為がたいへん嬉しかったそうです。
他の国の言葉を懸命に勉強して身につけること試みる人もいます、しかしながら親切心は心の持ち方で自然に身につけられますよね。

Yosh様、お便りありがとうございます。
国際化なんて言われますが、同じ日本人に思いやりとか親切ができない人が外国人と交流をできるはずがないと思います。
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私の悪口を言う
人は許しません
1970年頃、「何で英語やるの」というベストセラーがありましたが、最後の文章が「文化の異なる人とコミュニケーションを図るため」とかそういった趣旨だったように思います。
「石を水につけても決して染み込まない」と語ったのはジェームズミッチナー、誰でも同じことを考えるようです。
真の国際交流は、親切心から始まるのだ!
といっても最もベーシックな人間関係である家内と私の交流は・・難しい。なにしろ家内のショッピングに付き合うことは忍耐力の試験を受けているようなもの・・・

それから数ヶ月、所用があって新宿駅から少し離れたところを歩いていたら、ヒスパニックと思える親子3人連れがいてこれまた写真を撮っていた。
母親が3歳くらいの息子を抱いて、父親らしき男性がそれを使い切りカメラで撮っているのだ。
私が「撮ってあげるよ」ともちろん日本語で言うと、彼は理解したらしく父親はカメラを私に渡し、親子三人でポーズを取りました。
そのあと夫婦は「アリガトー」と外人らしいイントネーションでお礼を言ってくれました。
お礼を言うのは私の方です。私がさりげなくそんな行動がとれることを確認できたのですから。

雨の日でした。
乳児を連れた若いカップルが駅の階段を降りていました。父親が赤ちゃんを抱いて傘を2本持ち、奥さんが折りたたみ式の乳母車といくつかの買い物袋を持っていました。
そばを通りかかった若い男性が「乳母車を持ちますよ」といって若干強引に取り上げました。
そして夫婦と一緒に階段を降りて奥さんに乳母車を渡した、それだけです。
私はその後方数メートルにいたのですが、奥さんについ声をかけるころができませんでした。
kasa.gif 私はその青年を尊敬します。そして、きっと彼の両親はすばらしい人だと思います。

やはり雨の日、赤提灯から出てきた上司と部下といった風情の二人連れ
「あっ、雨ですね、私の傘で帰ってください。」
若い方はそう言って傘を押し付け、中くらいの降りの雨の中駅のほうに走って行きました。
上司と思われるほうはスマンといって傘をさして別の方向に歩み去って行きました。
これは、ちょっと下心があるように感じるのだが? 

1年位前、駅の中で韓国人強盗団が年配の女性から財布をとって、その女性が助けてといっても誰も助けず、ただひとり助けようとした男性が強盗に刃物で切りつけられ怪我をしたという報道がありました。
そういう行為はふだんからのちょっとした親切から生まれるのだと思う。
お断り、
私は別に韓国人を差別するつもりはありません。
駅のホームから落ちた人を助けようとして命を落とした韓国人もいます。

躾が足りないのか、鈍感なのか、親切しようとしない人が増えているのかもしれない。しかし席を譲ろうとか声をかけてあげようかとか心の中で思っても、なかなか実行できないのは確かだ。
実行できないのは恥ずかしさを感じるからであり、それを乗り越える勇気がないからだろう。

wtc2.jpg WTCテロでユナイテッド93便の乗客たちはテロリストの目論見を阻止した。この献身的な行為を映画化しているという。
テロリストが勝っても死、テロリストに勝っても死という、必死の状況でテロリストと戦った人たちの勇気!
このような行為ができる人たちは、日頃から隣人を愛し、親切をしていたに違いない。
でも、ここまでくるとちょっといい話ではなく、涙なしには語れない。


本日の名言

「義を見てせざるは勇なきなり」

(論語)

勇猛、忍耐、果敢、豪胆、勇気−これらはもっとも容易に少年の魂に訴え、その実践と手本を示すことによって彼らを訓練できる資質である。
 「武士道」:新渡戸稲造






MIKASA様からお便りを頂きました(06.05.05)
ちょっといいコラム見つけました。
佐為様 こんばんは。
実は前回もアドレスを入れて送信してみたのですが、なぜかアドレスを入れるとエラーになってしまいます。フリーメールだからでしょうか?私にはよくわかりません。
ところで、あれから佐為様のHPを起点にWEB上をあちこち見て回っておりました。すると泉幸男さんの国際派時事コラム「商社マンに技あり!」というHPに出会いました。もしよかったら佐為様もご覧ください。
特にここ→「反日暴動に立ちすくむ中国」
さすが世界に出て勝つか負けるかの勝負をしている商社マンという感じで頼もしいです。それに佐為様のページ同様、『硬いばかりじゃない何かを感じる』ページです。
 ・・ではまた・・
MIKASA様 毎度ありがとうございます。
メールの件、プロバイダの問題でしょうか? 私には分かりません。
ご案内いただいたホームページは有名なお方でかねてより拝読しております。
実を言いまして、私は中国という国には足を踏み入れたことがありません。個人的にはあまり行きたくないところです。
昨年デモ直後同僚が訪中しましたが、仕事ならやむを得ません。
私にお鉢が回ってきませんように・・・





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