デジャブ 2007.09.24

人は始めてきたところでも「あっ、ここにはいつか来たわ」と感じることがある。
私もそんな経験が何度かあります。あなたにもあるでしょう?
それをデジャブというそうです。
前世の記憶だとか諸説ありますが、学問的には単なる勘違いらしい。
単なる勘違いといっては味も素っ気もない。でも、前世があるかどうかわかりませんが、あなたが生まれ変わる前に見た風景は、あなたが現世に生まれ変わってから年月が経っていて既に大きく変わっているだろうから、前に見たことがあるなんて感じるはずがない。
そんなことを以前書いた

本日はデジャブと反対のことについて
何しろ、私は過去に生きるのではなく、未来に生きている人間なのである。
語っている私自身その意味は不明である。
私はデジャブと反対に、一度訪れて、二度と来るはずがないとか、こんなところに住みたくないと思ったところに関わりを持つという不思議な経験がたびたびある。 cycle.gif 私が高校生の頃、自転車であちこち走り回った。金も何もない時代だったが、時間だけはあった。
もっとも芸も何もなく、近隣の市町村の道という道をただ走るというだけのことである。
田舎のこと、どこにいっても舗装されていない曲がりくねった道路が続いていた。あるとき田んぼの中のあぜ道よりは少し広い車が走れるくらいの草の生えた道を走っていた。幅数メートルの川が流れており、かわいそうなくらいちいさな竹やぶがありそのそばに農家があった。
こんなへんぴなところにも人が住んでいるんだと感心した。
私が田舎に住んでいたといっても1軒2軒ではなく何十軒の長屋であったし、近くの道路にはバスも走っていた。もっとも、目くそ鼻くそのたぐいかもしれない。
まあ、田舎にはどこにでもある風景であり、特段特徴があるわけでもない。しかしなぜか記憶に残った。
fufu.gif それから何年も過ぎて、社会人になった私は家内と知り合った。1年くらい付き合ううちに結婚しようかなんてことを考えるようになったわけですよ。
ところで、よく言うじゃありませんか、結婚するとき、嫁さんにするなら相手の母親を見て、夫にするなら相手の父親を見るとか・・
まあ、それほど深い意味はありませんでしたが、家内の家に遊びに行ったのです。
すると!なんと
高校生の時、自転車で通り過ぎた竹やぶのそばのあの農家だったのです。それには大変驚きました。
そしてまた家内がそんなにへんぴなところに住んでいたのかと驚きました。

その後、結婚して地方都市のアパートに住んでおりました。まだ車社会になる前のこと、買い物からお出かけまで夫婦で自転車という暮らしでした。とある休日、そのへんをサイクリングというほどではありませんが自転車で散歩しておりました。
建売住宅が並んでいる造成中の団地がありました。当時の私の賃金ではため息の出るような金額が掲示されていました。1975年頃で1200万くらいだったでしょうか?
田舎は土地が安いと思われるでしょうが、賃金も安いのです。
家内と二人でその辺を歩き回りましたが、こんなところに住めるはずがないと思いました。
その後、種々事情で引越しを何度かしましたが、子供が大きくなり県営住宅を出ようと、住まい探しをしていて売りに出ていたこの団地の家を買いました。80年代末のことです。
意外でしたね・・10数年前、家内とこの団地を見て歩いたのを覚えていました。少し古くなっていましたが、私たちにもそんな家が持てるようになったとは・・

90年頃のこと、出張で千葉県某市にやって来ました。所番地を書いた紙を持って総武快速からおどおどと降り立ったのはごみごみした街でした。道路は狭く小さなビルや家が建て込んでいて、一目見ただけでこんなところには住みたくないと感じたことを覚えています。駅前にはしゃがんでタバコを吸う若者がゴロゴロ、まあみっともないし、風紀が悪そうです。

NO SMOKING
te.gif

ドラッグストアの前では歩道に商品を陳列しているし、とんでもないところ、場末というという印象でした。
通行人がたばこを吸っているというのは私の感覚では、礼儀知らず・マナーゼロという状況です。
仕事を終えるとそうそうに引き上げました。同行の者と駅前で飲もうなどとは思いも浮かびません。
それから10年位して仕事が変わり都会に出てきました。はじめは何も知らずに治安も良さそうで交通至便なところを選んで住んでおりましたが、家賃が高い。田舎なら一戸建てを3軒くらい借りられる金額です(本当です)
1年半ほど過ぎて、少し状況がわかってきた頃、「家内がいいマンションを見つけたよ」といいます。
休日 電車に乗って現地に行きますと、なんと!以前出張できた駅前でした。
もっともそのときは、都会のゴミゴミにも慣れてきたせいか、それほど拒否感はありませんでしたね。
ということで現在地に住み着いてはや四年・・
もっとも歩きタバコにはいまだ慣れることができません。あれは犯罪です。

私は休日は家内と歩き回るのが趣味。自宅を中心に電車で半日で行けるような所はほとんど行きました。
hana.jpg 新聞に花が満開だと載っていた公園に行ったときです。電車の窓の外にはなだらかな起伏が続き、点在する農家の他には畑、林などの間に戸建住宅やマンションが建設されていました。
それを見て、「こんなところに住んだら買い物どうするんでしょうねえ〜見渡す限りスーパーがないわよ」と家内が言います。
「買い物も通勤も通学も大変だろう。線路のそばでも駅まで歩いて20分くらいかかるんじゃないか」などと応じておりました。
それから2年 ある日、突然家内が「マンション買いましょう」というのです。
オイオイ、電気釜を買い換えるのとはわけが違うぞ・・と思いつつ、差し出された折り込み広告を見ると・・・以前電車の窓から見たマンションが・・
まさにのっぺらぼうのオチであります。 

エーット、結論を急ぎますと、というわけでこのたび引っ越すことになりました。
といいましても、プロバイダは引っ越しませんのでURLは変わりません。
今後ともお引き立てのほどよろしくお願いいたします。

お後がよろしいようで  テケテケ(太鼓の音)



ひとりごとの目次にもどる