まもなく引越しである。我が家は狭く、物がないといっても普段使わないようなガラクタはある。
家内はだいぶ前から少しづつかた付けをしていたが、使い捨てカメラが出てきた。
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「使い捨てカメラ」とは俗称で、正確には「レンズつきフィルム」という。
まあ、メーカーさん俗称でお許しください。
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見ると使用済みである。私はもう90年代後半からデジカメ派であり、今でも銀塩写真の使い捨てカメラを使うのは家内だけである。家内もはたしてどこで何を撮ったのか記憶がないという。それで家内は近くのスーパーに現像焼付けを頼んだ。
今は当日出来上がる。
出来上がった写真を見るとギョットした。
別に幽霊が写っていたとか、浮気相手が写っていたとか、テレビ局に応募すれば金になるといったカテゴリーのものではない。
写っていたのが本当に各地の写真であったから・・・
わずか30数枚の写真であるが、それを撮った場所がなんと 国内、国外のあちこち そして我が家のベランダもある。撮影した期間は2004年から2007年にわたっている。
引越しとか片付けをしていて出てきたものを見て日が暮れてしまうというのは、良くあるパターンであるが、家内は荷造りを中断して写真を見て、ああだこうだと話をはじめた。
このカメラがどのようは遍歴をしたのか想像すると・・・
- まず北海道である。
これは息子が北海道を車で旅行したときのもの。ノサップ岬、摩周湖、宗谷岬などが写っている。息子一人旅であったので本人が写っているものはないようだ。
- 次はラスベガスである。
息子がフィルムが残っている使い捨てカメラを持ってきたようである。
私たち夫婦と娘、息子で一攫千金を夢見て行ったのは二年前であった。しかし夫を放って親と一緒に旅行に来るなど、娘夫婦の将来を危ぶむ私である。
あちこちのホテルの前のイベントと私たちが交互に映っている。オーシャンズに出てくる噴水とかアーケードの電飾などなど
そしてザイオン国立公園に行ったときのものもある。ほんとはデスバレーを見たかったのだが、その前年に異常気象のせいか大雨が降りデスバレー観光が中止であったのでやむなくザイオンに切り替えたのだが、それはすばらしかった。
- 次はホンコンである
家内と娘がちょっとショッピングと食事に行ってくるねと出かけたのである。まあ、この場合は家内も私を放って出かけたので、婿さんには言い訳が立つというものだろう・・・大丈夫だろうか?
ホンコンは食い物が美味いと家内も娘も言う。しかし今大騒ぎになっている食い物が危険だというのは元からだろうから・・・彼らが食べた肉まんにはダンボールが入っていたり、重金属に汚染されていたり、箸に漂白剤がついたままという可能性は・・・きわめて大というか、確実だろう。
私は行かないでよかった。
くわばらくわばら
- 次は我が家のベランダのパイナップルが写っている。
そういえば我が家のパイナップルはその後待遇が低下して冬もベランダに放って置かれるようになり、あえなく枯れてしまった。
かわいそうなことだ
- 次は上高地である。
家内がバス旅行に行かないかと私を誘ったのだが、私は歩くことが嫌いである。
ワシは行かんでいいというと、家内は無理に勧めずに一人で上高地に行ってきた。そのときの写真である。
もうどこでも見かける大正池と橋とか、ゾロゾロと歩く大勢のハイカーが写っている。
なにも何時間もバスに揺られ、あげくに原宿通りのように人ごみの中に行くこともあるまいと私は皮肉に考える。
- 次はカナダ旅行である。
これまた夫を捨てて参加した娘と私たち夫婦が行ってきた。娘よ!夫との仲は大丈夫か・・・不安がよぎる。
ナイアガラの滝がメインで、カッパを着てぬれねずみになった3人が写っている。
実を言ってナイアガラの滝には感動した。グランドキャニオンもすごいがナイアガラの滝もすごい。
もちろんエアーズロックもすごかったし、さんご礁のリーフの美しさも記憶に残るものだ。
アメリカ側に渡って気球に乗った写真もある。
気前良くチップを渡したっけ・・1ドルだけど
- ちょっとばかりグアムの写真もある。
これは家内と二人で出かけたときである。
- 最後は高尾山である。
これまた家内がバス旅行に行かないかと私を誘ったのだが、いつものようにいやいいと断った。それで家内が一人で出かけた。このときは残念ながら雨に降られたようである。
家内は私が同行しなくても、雨に降られても、そう深刻でもないようである。
バスハイカーである家内が出かけるのは「そこにバスがあるからだ」と確信しているからだろう。
本日の命令
使い捨てカメラ君、本日を持って任務を解く
長い間お勤めご苦労であった。
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