統合マネジメントシステムの幻 2007.08.05

グーグルで「統合マネジメントシステム」と入れるとたくさんの検索結果を表示してくれます。
残念なことにうそ800はできてきません。
私のサイトが出てこないのだから、私のサイト以上に価値がありためになるのかと読んでみましたが、私から見るとほとんどが役に立たないガラクタ、いやそれどころか悪影響が大きいと感じるものが多いのです。本日は統合マネジメントシステムと銘打ったウェブサイトをながめてのひと談話である。
もしご異議のある方、俺のことかと思われる方がいらっしゃいましたら、ぜひともご反論願います。
望外の喜びでございます。
man7.gif こういったサイトを読めば読むほど・・世の中の人々・・素人じゃなく審査機関やコンサルタントがマネジメントシステムってこと、会社経営ってことを知らないんじゃないかとしか思えない。
ちまたで言われる統合マネジメントシステムというのはいくつかの認証をひとつにすることとしか思えない。それって統合マネジメントシステムじゃなくて統合認証って言うのではないでしょうか?
関係者の方々、ISOなんてことの前に会社の経営ってことをもう一度考え直しましょう。


本日のポイント

マネジメントシステムの統合認証と統合マネジメントシステムはまったくの別物である。
統合されていないマネジメントシステムを作ったなら、事務局はアホで経営者は丸投げなのであろう。
でも統合認証するかしないかは、そりゃ趣味の範疇でしょう。



私は青い鳥様からお便りを頂きました(07.11.27)
どうすればいいの?
9001と14001の統合システムをつくれとトップがのたまりました。
いろいろ考慮すると、当然の流れです。
ハウツウ本をさっそく買いました。
5頁目でショックを受けました。
環境方針または品質方針は事業方針、実施計画は事業計画、そりゃその通りです。
でも、トップは事業方針すら出せないのです。(事業方針の意味分かってんの?と毎年心でつっこんでいました)
環境方針、品質方針だけの時はいい。実施計画もそれぞれの時はいいのです。
貴方(トップに)は常々このようにおっしゃってますよね。それを言葉にするとこういうことですね。それを達成するためには、このような計画で推進していきますよ。いいでしょうか?とマネージメントレビューすればよかったのです。
ところが、統合システムとはまさしく会社経営ではないか、トップダウンではないか。
今更なのですが、雇われ社長で利益率に怯え親会社の顔色うかがう毎日では、ISOもなにも、経営方針もなにもあったものじゃない!しっかりしてよね。
(すみません。ここのサイトを除いていたら、愚痴愚痴書かないと気がすまなくなってきたので、お許しください。)
私は青い鳥様というお名前と文章を拝見するに、幸せとは何か? どういう状態かを考えてしまいました 
何も悩みがない状態を幸せというのか、疑問を感じ、改善に向けてアゲンストに向かって進む状況が幸せなのでしょうか?
さて、ご質問の統合認証ということのとらえかたですが、人それぞれと言ったら失礼でしょうか?
ISO規格とISO認証スキームがイコールでないのと同様に、認証を受ける意味も、統合認証の意味も企業・組織によって異なるのは当然というか現実でしょう。また統合認証のあるべき姿というのが存在するとも思えません。
私は単なるコンサルではなく事務局となって認証を請負うという仕事を15年以上してきましたが、経営者あるいは組織の認証の目的はそれぞれ異なりました。
ヨーロッパに輸出するためにはISO9002をとらないとならない。4ヶ月でなんとかしろという工場長もいました。
今まで阿吽の呼吸で仕事をしてきたので、社内の文書がそろっていない。ISO認証を社内の標準類を整備する機会にしたいという社長もいました。
審査では不適合を出すな、指摘があれば減俸だという上長もいましたし、指摘を出してもらわないと意味がないと語った上長もいました。
審査員にいわれた通りにしろという管理責任者もいましたし、会社のためになるか否かで判断し役に立たなければ拒否しないとだめと脅す管理責任者もいました。
実を言って、誰が正しいとか、間違っているということもないように思います。
マズローを持ち出すまでありませんが、我々はみな自己実現を図るために生きていると思います。
ISOをしたいと思って会社に入った人は、少なくとも42歳以上にはいないでしょう。ISOの審査員、事務局、コンサルタントはすべてたまたまISOにあるいはマネジメントシステムに関わってしまったのではないでしょうか?
いろいろな会社で仕事をしているなかでISOに出会っただけ、つまりISOというのは最高位の目的とかではなく、会社において自己実現、簡単に言えば良い仕事をして満足したいという枠組みの中で与えられたひとつの職務に過ぎません。全体最適あるいは包括的な成果を考えたとき、ISOというものがいかほどの重要性を占めるのかということは人により異なるでしょうが、大きくはないでしょう。会社を良くし、自分がそれに貢献したいと希望するなかでISOに関わる部分においてどれほど真剣にあるいは身を入れてやるべきかはさまざまでしょう。もちろん、やるからにはISOを会社のために役立てようと思うのは自然ですが、役立つという意味もとらえ方も企業によって違い、人それぞれであるのはまた自然なことでしょう。
私は青い鳥様も一歩引いて自分が何をすべきかと考えて見ることをお勧めします。
上が統合システムを作れというなら、その期待に応えてアウトプットを出すということが賃金分の働きということでしょう。
なにもベンチがアホやからとグラブをマウンドに叩きつけることもありません。



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