「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」
昔の話をするのは私はあまり好きじゃありません。繰言、自慢話、そんなこと聞いても面白いわけありませんもの。
でも、語り伝えなければならないこともあります。その一つに日本は貧しかったことがあります。
欠食児童って言葉知ってますか?
学校に弁当を持っていけなくてお昼に何も食べない子供がいたんです。
私が子供の時、学校給食ってありませんでした。給食が始まったのは小学校高学年になってからです。
日の丸弁当って知ってます?
ホカ弁のことじゃありません。アルマイトの四角い弁当箱の真中に梅干一つある弁当です。他におかずはなにもなし。
めしも麦飯ですぐ臭くなっちゃうんですよね。冬 だるまストーブの煙突のまわりに弁当を入れて置くかごがあって、みんなの弁当を温めておくんですが教室に臭いが充満しました。池田首相が「貧乏人は麦を食え」なんて言う以前の話です。
給食が始まるとこれは感激でした。なにしろパンの他におかずが付いてましたから。脱脂粉乳って知ってますか?今の子供ならマズイって飲まないでしょうね。私たちにとってはこれがおいしくて大きなアルミのなべからひしゃげたアルマイトの食器に少しでも多く注いでもらおうとしたもんです。
隣の家では子供を学校に行かせないでいました。警察が来て取り調べられたそうです。登校拒否や子供を虐待したわけじゃありません。貧しくて学校に払うお金がなかったんです。
私が小学校の時は下駄を履いて通学していました。親父は下駄の歯が減ると金がかかるといって、歯に釘を打ちました。この釘の先が表まで突き抜けていつも痛い思いをしていた記憶があります。運動会の前日にズック靴を買ってもらい学校にはいていったら盗まれました。悲しくて泣いていたら戦争帰りのセンセイにうるさいとビンタされました。
現在の日本はこの貧しさの中で大人も子供も豊かにしよう、豊かになりたいと願い、努力してきた成果なのです。
本題に戻りまして、この条項は二つの文章にからできています。
では、それぞれ検討していきましょう。
- 「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」
普通教育ってなんですか?
普通教育という言葉を使っている法律は「教育基本法」、「学校教育法」そして「憲法」のこの条文だけです。いずれの法律でもその定義はありません。
ただし学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)においては
という使い方をしております。
- 第十七条 小学校は、心身の発達に応じて、初等普通教育を施すことを目的とする。
- 第三十五条 中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、中等普通教育を施すことを目的とする。
- 第四十一条 高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高等普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。
高校までが普通教育ならばいつから高校は義務教育になったんですか?
あっ、憲法制定時からか(??)
ちなみに広辞苑によりますと専門教育に対する言葉とあります。
この文章はちょっと意味するところが分かりません。いまいち納得しがたいところです。
善意に解釈すれば、親は子供を専門教育は無理としても社会生活に必要な普通教育を受けさせろよ程度のことなんでしょうか?
- 「義務教育は、これを無償とする。」
先ほど言いましたように、私どもが子供のころは義務教育といえどお金がかかりました。毎年新学期には教科書代としてお金を持っていきました。せいぜい1000円2000円だったんでしょうが、我々にとっては大金で無くした子なんかはそれこそ大変な騒ぎでした。
修学旅行には米を持っていく時代だったんです。宿屋で米を渡さないと飯が食えないのよ。だから旅行に行かない子供もいました。みんな貧しくてそれは仕方がなかったんです。
国家も国民からお金を集めそれでもって賄わなければならないわけです。国も国民も貧しかったのだから憲法に理想を書いてあって、実現できなかったとしてもヨシとしよう。
本日の結論
日本国民は教育を受ける権利と義務があり、それは実現されています。
これはすばらしいことです。
すこし甘いんじゃないかって?
今日はクリスマスイブ、真言宗の私もすこしは慈悲の心が湧いてきたんですよ
ここに書いてあることはすべて事実で、大げさやウソじゃありません。
みんな私の経験談です。
弁当に赤いとうがらしを三本入れてきた同級生をうらやんだ思い出があります。
卵焼き、それは遠足の時のごちそうでした。
このページを見つける事が出来て大変感謝です。 たまたま国民の三大義務の教育の義務26条2項について調べて居て本ページにたどり着きました。 見ていて多くの部分で私の思う部分と合致しており思いを同じにする先輩がいることに感動して書きました。 今私がここにこの能力を有して存在することは日本という国があって初めてあると言うことに感謝しておりまだまだ先輩に比べれば若輩ではありますが国に貢献していく為には何が出来るかを心の片隅において仕事をしている身であります。 先の大戦で何にせよ国を守るために亡くなって行った皆様に対して犯罪者のような仕打ちをこの国に生まれ育った人達が言うのが許せません。 勿論戦争行為の全ての行為が全て褒められるべきものではないとは考えては居ますが当時の事情や情勢を考慮せず断罪するものでは無いと考えてます。 欧米列強のアジアに対してやってきた罪を最終的に全て日本が悪いような処理の仕方には到底納得出来ません。 書けばきりがないのでこれで辞めますが是非これからも読ませて頂きますので宜しくお願いいたします。 |
Tos様 お便りありがとうございます。日本国憲法の目次にもどる
世の中にはいろいろな考えがあり、いろいろな人がいるというのは分かりますが、理解できない思想とか、お友達になりたくないお人もいますよね。
憲法を守るためには違法行為もいとわないなんて選挙で語っていた野党候補者もいました。ちょっと私には理解できない思想です。
テロリストとして有罪になったお方を支援するとは、どういうご関係なのか?と勘繰られてもしょうがないでしょう。
当たり前のことを当たり前だということ、言えること、そういう人でありたいし、そういう社会にしたいと念じております。
またお便りをください。