第29条1項 (2002.10.03)
「財産権は、これを侵してはならない。」

財産権とは経済的利益を目的とする権利、
 物権、債権、無体財産権・・・であるそうです。
  このノートは私のものです。
  このペンはあなたのものです。

おお、なんか中学一年生の英語教科書のようです。
そうです、私たちは個人の持ち物ってあります。
誰のものでもない、私の物・・
昔、社会主義とか共産主義ってのがありました。
今は死に絶えたようです。
鯨保護、パンダ保護、朱鷺を繁殖させよう!なんて活躍されている方々がいます。

共産主義を保護しよう! とか 社会主義を繁殖させよう! なんて活動されている方もいます。
なかなか難しそうです。
成功しなければいいのですが・・・・


私は専門的に社会主義なんて勉強したことはありません。

したくもなかったですが

勉強しなくても、私が青年だった30数年前はサヨクの勧誘が激しかったのです。
田舎なもんでコンサートなんかなかったんです。
それでしかたなく、そういった団体が主催するコンサートなどに行きますと、○○同や○青なんて方々が一生懸命に教宣してくれました。
ご期待にこたえられず、私は洗脳されませんでした。

まあ、彼らのお話では共産主義とは個人財産はいらないそうです。
ほしいものはみな手に入るのだから心配するな!といってました。
そういえば、植木 等が「金のない奴っあ、俺んとこに来い、俺もないけど心配するな〜♪」なんて歌っておりました。

心配するな!とはその程度のことだったのでしょうか?

彼らの弁では社会主義は生産財は国有化するが、一般消費財は私有財産をみとめる過渡的段階なんだとのたまわっておりました。 それが正しいのか、間違っているのかは誰もが判定はできません。

社会主義は現実的にこの世から葬り去られましたが、その考えが間違っていたとはいえません。
それは恐竜は死滅したが、恐竜が正しくはなかったといえないのと同じことです。

生物も政治形態も思想も、すべて適者生存、弱肉強食の世界であり、適性がなければ生き残れないという冷厳な事実があるだけのことです。
政治体制の安定形というのがどんなものかは分かりません。
王政か、寡頭制か、民主主義なのか、あるいはそれ以外のどれが最も安定しているのでしょうか?
民主主義も維持し続けると言うのはものすごくむづかしいのです。
人間の歴史を振り返れば、民主主義とはここ200年に始めて発生したものではありません。知られる限り3000年前には存在しました。それが王政その他の体制との間を振り子のように振れているだけです。
決して民主主義が進んだものとか、最終形というのではないのです。

昔の飛行機が上半角をもって、安定性を固有のものとしていたのと違い、最近の戦闘機は本質を不安定にしてコンピュータで制御するというものが多いそうです。
民主主義とはこれと同じく、時定数の小さな自動制御装置で常時フィードバックをかけないと倒れてしまうものだと思っています。
ほおっておいても倒れないやじろべえ的なものではないのです。
ああ、財産権の話でした。

疑問があるのですよ、
社会主義政党は財産権をいかに捉えているのでしょうか?

共産党は、アメリカ帝国主義と日本独占資本の支配と徹底的にたたかい、と宣言しています。
共産党は財産権を認めないのでしょうか?
ああ、社民党も社会主義を目指しておりましたので、「かって」は財産権・・・・というか、国や企業の活動には反対されました。
しかし、個人の財産権は堅く守ったようです。

私も彼らが財産権のために戦ったことを存じています。
空港をはじめとして大規模な施設を作る時は必ず「ハンタ〜イ」と頑張っております。

でも個人の財産権でも社会主義に守られた方々は地域的に見れば独占資本だったのではないでしょうか?
空港に反対した結果、付近の住民そして自治体に多大な経済的被害を与えたこととどう整合するのか理解できません。

もちろん29条には2項「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」3項「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」があります。

この辺の解釈はいかがなものでしょうか?


きっと社会主義の憲法解釈はゴムのように伸び縮みするのでしょう。

  なにせ、昨日まで
   「拉致はない!、拉致は日本帝国主義者の捏造だ!」
  と大声で叫んでいながら、北朝鮮が拉致を認めたとたん、
   「私たちは以前から、拉致解決を日本政府に求めていた!」
  なんておっしゃる論理構造ですからね!




昨日のことは忘れたか?自分を何だと思っているの? ウソつくのはドロボウの始まりだよ国民はだまされないよ!



本日のまとめ、


社会主義政党の財産権の解釈はいかがなのでしょうか?
もし、その主張と現憲法が異なるのであれば、
  護憲政党であることと矛盾しそうです。

そんなことはないとご説明ください。


杉野様からお便りをいただきました(2008.12.06)
成田空港建設はなぜ反対されたのか
はなしをさかのぼって、「成田空港はなぜ建設された」というホームページをみるのがいいようです。地元の一部業者と結託した、(利権に目のくらんだ)地元の一部政治家が、強引に誘致をして、どう考えても不便なところに空港を建設させてしまった(...あれ、最近もにたようなことがあるような?)、という裏事情が「かいまみえた」ことがまた、(感情論もふくめて)一部住民の反発に火をつけた、という側面もあるのではないでしょうか。過激な「プロ」活動家への評価は別にしなくてはなりませんが、少なくとも「公共の福祉」とだけいってかたづく問題ではないでしょう。

杉野様 お便りありがとうございます。
私は成田闘争以前、成田空港というか新空港の用地探しの時代から新聞などを読んでいました。なにせ戦争直後の生まれですから昭和30年代には新聞を読んでました。
おっしゃるような見解もあるでしょうが、問題を整理すべきです。
そうですね、利権は成田に限りません。本四架橋、新幹線、高速道路、走る車より熊が多いそうです(マサカ)
利権問題は利権問題として扱うべきです。
テロには断固として対応しなければなりません。開港から40年になろうというのにまだ官公庁へのロケット攻撃、送油管へのテロをしているとは困ったものです。そういうのはあまり報道されていないのです。テロ勢力を元気付けると思っているのでしょうか?
滑走路問題、誘導路問題は単なる私有権の範疇を超えていると考えます。それは安全上の問題です。まさか杉野様も数軒の農家のために日本第一の空港を犠牲にせよとは言わないでしょう。
しかし安保もそうですが、結局はサヨクの勢力拡大に結びついてしまうところがいつものシナリオですね。



杉野様からお便りをいただきました(2008.12.07)
いやいや、そういうチンケなテロはわざわざ報道する価値すらない、というのがおおかたのマスコミの見解でしょう。テロリストは「注目されたい」わけですから、無視するのはたしかにもっともよい対策になりえます。でも「犯罪」には断固として...ええ、ですから実害のあった事件には、警察がきちんと対処すればいいとおもいます。
そんなアホなテロよりも、「利権問題」の方に注目しているのは、マスコミの姿勢としてはたしかにただしいとおもいます。「利権問題には利権問題として」...まさにそのとおりなのですね。
「数件の農家のために日本第一の空港を犠牲に」...空港が「すでにそこにある」いまとなっては、そんなことできないのは当然ですが、成田での「歴史的経験」をいかして、一部政財界人の利権のために地域住民がふりまわされないようにするための方法を、みんなでかんがえていくべきであって、マスコミも、そして(専門の「政治家」でない)一般国民も、それに参加すべきだとかんがえます。

杉野様 ご指導ありがとうございます。
何か杉野様の価値観はバイアスがかかっているように感じます。
いまだに無差別ロケット弾とか送油管に対するテロは社会の安全に対する重大な脅威ですよね?
そういうテロはチンケなのでしょうか? チンケなテロとはどういう意味なのでしょうか?
利権を問題にする正義漢なら日本の安全に対するテロには更なる怒りを感じるのではないでしょうか?
歴史的経験を生かす前に、目の前の危険を排除することが大事なように思います。
まあ、お立場とか主義主張によっては異なる見解に至るのかも知れませんが?



杉野様からお便りをいただきました(2008.12.07)
もうしあげたはずです。「言論では相手にしない」ということです。(たとえ左翼でも、それから勿論右翼であっても、言論で論戦をいどんできた場合は別で、正々堂々とこちらも言論で勝負します。)
「サヨク」とみればむきになる方こそ、「バイアスがかかっている」と思いますが(「安保」のころならいざしらず、いまどき「サヨク」ってそんなに力があるんですか?もしあるのなら、雇用問題なんかで、もっとがんばってほしいとさえ思ってしまいます。)、ここで喧嘩をするのは、それこそ不毛だと思いますので...。

杉野様 毎度ありがとうございます。
まあいろいろな見解があることが分かり、勉強になりました。
ありがとうございます。



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