第90条2項 (2003.01.31)
「会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。」

会計検査院のお仕事は何か?といいますと、90条1項に「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」と定めてあります。
会社で言えば会計監査でありましょう。

さあ、じっくりと考えましょう。
会計検査院のお仕事が上記に示したとおりのお仕事であれば、他の機関から独立した権限がなければその公正さは担保されないことは明らかです。

もちろん、法律で定めるとありますとおり、これらについては「会計検査院法」という法律でこまごましたことを取り決めています。
それによりますと、会計検査院は、内閣に対して独立した地位をもっており、3人の検査官をもって構成する。
独立性を保証するために、検査官の身分保障、会計検査院規則の制定権などがあるそうです。

不思議に思うのは、内閣、国会、司法とそれぞれの権限、独立性が憲法で定められており俗に三権分立と呼ばれています。
アメリカのようにそれぞれが選挙で選ばれず、国会議員が選挙で選ばれ、そこから内閣が選ばれ、内閣が裁判官を選ぶという仕組みでは三権分立というにはいささかおこがましいとは思います。
まあ、国の最高法規である憲法で記載されているからまだましというものでしょう。
ところが、会計検査については憲法では『独立した機関』とさえ語っておりません。
選任方法などを法律で定めています。
大丈夫なんでしょうか?
株式会社には監査役という方々がいます。執行役員制度とか最近はいろいろありますので一概には言えませんが・・・
この監査役は社長や取締役が決定するのではありません。株主総会です。
それによって独立性、客観性を担保しようとしているわけです。
ところが最近のさまざまな企業不祥事において監査役の存在意義を示したというものをあまり聞きません。

理由として二つあるそうです。
監査役となる人は実は会計の専門家は少なく、取締役になれなかった方の席になっているのが実態とか?
そのために公認会計士や監査法人の監査結果を追認するだけになっていること。
もうひとつは監査役は、株主総会で選出されるものの、監査役候補は取締役会が決定しているため、事実上監査役の人事権は代表取締役に握られているからだそうです。
役に立っていないかも?

では、株主(つまり国民)の承認という洗礼さえ受けない会計検査院の独立性とはどれほど保証されているのでしょうか?

日本の行政官は悪いことをしないんだとおっしゃるのでしょうか?
そう期待したいものですが・・・・
会社で独立性を持たせようとするには組織に示すのが一番です。
環境に対する意識が高いか、低いかを見るには環境担当部署が会社の組織の中でどのくらいの位置にあるかを見ると分かります。
環境を重要視している会社は社長の下に『環境担当役員』がいてそこに環境担当部署は所属しています。
あまり重要視していない会社は環境専任ではない製造とか営業担当の役員の下に、あるいはもっと下のほうに環境担当部署は所属しています。
日経の環境ランキングなどをみてもこの組織体制の評価が入っているようです。

国家は三権分立でなくちゃいけない、なんて理屈はありません。
四権分立でもよさそうです。

国会でお金の使い方をぎゃあぎゃあ騒ぐより、会計検査機能を充実させてビシッと決めて欲しいものです。
いっそのこと、国会では会計検査についての論議を禁止しましょうか?
いえ、おかしくありませんよ、
だって、裁判所の判決を国会で論議したためしはありません。 
国庫のお金が正しく使われているか追求したい!という方は会計検査官に立候補するというのはいかがでしょうか?


憲法90条2項改正案


会計検査院の独立性を憲法に明記にしましょう。
そして裁判官と同様に国民が審査することにしませんか。
たとえばの話ですがね




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