集団的自衛権(その12) 2002.04.31
リストラ間近の再三です。
またご教授願えませんか?
またチョット日本国憲法にて疑問が湧きました、相方の老かいな(ボケのはじまり?)頭脳で明解な解説をお願いできませんか?
けっして地雷など設置しておりませんので、安心してください。私再三は佐為先生を心から尊敬申し上げております(一部誤解している方もおられそうですが・・・)。

俺は人生相談かよ、持ち上げたり けなしたり・・・・(陰の声)

疑問に思った事は端的に言いますと『国内法と国際法のどちらが優先するのか?』といった事です。と言うのは内閣法制局の集団的自衛権(憲法第九条)に対する見解です。「わが国は、集団的自衛権を権利として保有しているが、それを行使することは憲法違反になる」といった事なんです。使えない権利なんか、保有していないのと同じではないですか?違いますか?これに関連して、日本は国連に加盟してますよね。そこで国連憲章を批准して調印していますよね。

批准して調印するってヘン、調印してから批准するんじゃ?(陰の声)

って事は国連憲章をまもりますよ!としたわけです。 この国連憲章では、各国に個別的自衛権と集団的自衛権が保持されてます。その中で第五十一条では、「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が生じた場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な処置をとるまでの間、個別的または集団的自衛の固有の権利を害するものではない」と規定されています。
どういう事かと言うと、国連に加盟してる国でもし仮に武力攻撃にさらされたら、国連の安全保障理事会が動き出すまでは、個別的・集団的自衛権を行使できますと言ってます。これは日本も守る義務がありますよね?だって、国際慣習上も調印した条約は尊守しなければいけないし(若干守らない国もありますが・・・)、日本国憲法にも第九十八条二項に「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に尊守することを必要とする」ってありますよ???
いったい我々日本人はどうしたらいいのでしょうか?ん〜〜〜んわからん!
相方!私は技術屋なもんでこういった文章・文面にはまるっきし弱いのです(都合によって営業マンに変わります?)。
再度確認します、『国内法と国際法のどちらが優先するのか?』という疑問です。社民党の先生方にも聞いてみたいですね!有事なんかない!なんて言うのかな?こんなウニ頭のかわいそうな再三にわかるように解説願います。じゃ!よろしくね。

自衛権は保持している!

ハイハイとすぐ応じてしまう私が悲しい、、
お断りしておきますが、私は法律の解釈とか、過去の判例、法制局の答弁あるいはその積み重ねがいかなる効力を持つのか知りません。(本心はそんなもん認めないというスタンスですが)
  • 私は言葉として書かれている憲法・法律をすなおに一語一句を読み、理解すべきであるという見解です。(ISO規格ってそうゆうもんですからね)
  • このISO的理解においては憲法と憲法原文(英語)と英英辞典だけ使います。(言葉の意味が分からないときに日本語の憲法の単語を広辞苑で引いてもだめなようです。ホントですよ)
  • 次にISOに関わっている者にとって規則を運用することは絶対でありますが、それが不適切と判断されたら速やかに改定すべきものであることです。
    さらに重要なのは問題がおきたときだけじゃなくて、規則が適切かどうかを定期的あるいは必要に応じて見直し(review)をしなくてはならないことです。
という前提で考えます。

再三さんのお便りを要約すると
★条約と国内法どちらが優先するか?★という単純なことと理解します。
再三さんの文章の最後で突如 国際法という言葉が出てきますが、国際法には条約以外に国際慣行などが含まれるはずですから、国際法イコール条約ではないようです。
そして具体的な問題は★集団的自衛権を行使できるか?★ということですよね?

疑問点が簡単ならば、判断に参照すべき条項もわずかです。
憲法9条1項
「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」(要旨のみ)
憲法9条2項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
青で示した文言が自衛権は保持するという芦田修正といわれるものです。
憲法98条1項
「憲法の条規に反する法律・・・・国務に関するその他の行為(条約も含む)・・はその効力を有さない」
憲法98条2項
「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に尊守することを必要とする」
ハイ、これだけ読んで「個別的・集団的自衛権を行使できるか?」を考えましょう。
ちょっと、ひとこと、
ニューヨークWTCのテロは国際紛争かどうか?といえばこれは「国際的な紛争」ではありますが「国際紛争というより国際的な犯罪」というべきでしょうね。
よってその対応は軍隊が動こうが多国籍軍が動こうが国家間戦争ではなく警察行動というべきでしょう。(異議は認めます)
まず、
9条1項2項から侵略された場合の自衛権を認めていることは自明です。これを認めない方も多いですが、それはボケの始まりで間違いと断じます。
さて、自衛権の範疇は時代とともに変わっています。大砲と小銃の時代はいくら電撃戦といっても戦争開始から戦闘状態までは時間的余裕があり、また兵器の足も短いので侵略行為があってからでも防衛戦を開始することは可能でした。しかし、現代戦では兵器の足は長く一瞬遅れれば文字とおり命取りとなってしまいます。
ならば仮想敵国が攻撃の意図を持っていると判断すれば、こちらから攻撃することは自衛ではないのか?という発想は至極当然です。
著名なのはイスラエルがイラクの原子炉を攻撃した事例があります。原爆を作ろうとしている原子炉があるなら攻撃するのは当然の権利であるという自衛権の解釈です。
これだけみるとかなり強引ととられるかもしれません。しかし過去幾多の中東戦争においてイスラエルは自衛権を基に奇襲攻撃を行い、それゆえに生き残ってきた事実があります。この過去の戦史を無視してイラク原子炉攻撃を論じてはいけません。
これを日本の状況に当てはめれば「北朝鮮がテポドンを開発し、核兵器を開発している現状から日本を攻撃する意図ありと判断し、日本が北朝鮮の核施設、ミサイル基地を攻撃しても自衛と主張すること」は国際的に不法とは言えません。
この国際的な感覚のない政治家と支持者がいるのが困ります。あっ、彼らはそれを知っていて利敵行為をしているんですか? 納得、

次に、
自衛とは何か? 前段で話したと同じく、現在は一国で対応できる国際紛争というの存在しなくなりました。麻薬撲滅にしても一国が厳しく取り締まれば隣接国に流れるようなものです。
そういえば、中国人の窃盗犯は東京近郊の取締りが厳しくなると関西に流れ、関西が厳しくなると東北に流れてるって数日前の読売にありましたね、
集団的自衛権を発動して全国一斉取締りをしてほしいところです。
ボケが進んで話にとりとめがありません。

よって国家主権というものを確立維持するためには日本一国にとどまらず複数の同盟国に拡大したものと考えれば、なにも集団も個別自衛権も区別する必要はありません。というより区別できないというのが現実でしょう。
複数の国家が利害を共有し、運命共同体的になりつつあります。日本は日本経済が破綻しても破滅ですが、アメリカ経済が破綻しても破滅です。べつにアメリカの属国がいいというわけじゃありません。アメリカにもっと日本の国益を主張し、共同歩調を取らせるべきという意味です。
ここまでの私の意見に異議のある方々へ、、
時代がくだって人々が上品を装っても中身は変わりません。戦争とは政治の延長なのです。戦争反対!と唱える人たちは日本を仮想敵国と設定している国家の尖兵であって、武器を使わない情報戦争を日本で仕掛けているのです。
真に平和を願っている方がいたらごめんなさい。
 本当にそう考えている方がいらっしゃいましたら、ぜひ

自衛隊とアメリカ軍、イスラエル軍の行動に反対するだけじゃなく、中国人民軍、北朝鮮軍、タリバン、イラク、パレスチナゲリラ、北朝鮮に亡命した連合赤軍にも反対してくださいね、
そして日本の平和憲法を守ろう、改憲反対という表現でなくて、中国の憲法を改正してください、北朝鮮の憲法を改正してくださいと諸外国の憲法改正運動をしてください。
 北朝鮮には憲法がありますが、首領の言葉がそれに優先するって知ってますか?
そして、中国のチベット侵攻をやめさせてください。


それができないなら、自らの理論と行動が偏向して矛盾していることを暴露するだけ、恥をかくだけです。(^^)
まとめとして、
上記からは再三さんのご提起に対しては「条約と憲法は矛盾していない」という結論になります。

しかしそれでもなおかつ、憲法と法律、あるいは条約が矛盾しているという解釈の方がいるかもしれません。
あるいは自衛権も認めていないんだ!という方もいるかもしれません。
(自衛権がなくて国家といえるのか?・・・陰の声)
そういう解釈された方もご心配には及びません。
98条では「憲法に反する法律、条約は効力を有しない」と書いています。これは上位規程が優先するという至極当たり前のことです。
じゃあどうするの?といえば憲法を改正するという見直し(review)をするという結論になるだけです。
現憲法は見直す枠組みを定めていますから矛盾はありません。




本日のまとめ

集団的自衛権は憲法に違反しません。
もし、どう考えても違憲だお考えなら憲法を改正しましょう。
 わたしゃ、どちらでもいいです。



日本国憲法の目次にもどる