日本国憲法で思うこと(2)2001.12.02
日本国憲法を読んでいて何か違和感を感じました。
根本的に間違いがありそうなのですが、今まで何が間違っているのか分かりませんでした。

やっと気がついたことはこの憲法は収支決算が合わないのです。
まず気がついたのは「第3章国民の権利と義務です。」
国民はあれができる、これができると大盤振る舞いをしています。一方義務は納税と勤労だけです。納税はともかく勤労の義務とは意味のないこと。
一体これで国家が成立するのでしょうか?

なんかおかしいのよね??広辞苑によると権利とは「一定の手段を主張し、これを享受する手段として、法律が一定の資格を有するものに付与する力」、義務とは「法律上課せられている拘束」とあります。
私は全然違うと考えます。
権利と義務とは磁石のN極とS極と同じように一体不可分のひとつのものなのです。自然人も法人も義務と引き換えに権利を持つことができるのです。

私は品質保証の仕事を10年してます。品質保証とは簡単に言えば会社の仕組みを作る仕事です。具体的な業務としては会社の規則を作り、それを守らせることといってもよろしいでしょう。
会社の職制、業務担当ごとにやらねばならないことが決まっています。担当としてする仕事を執行する権限と責任は一体不可分であることは自明です。
「あなたはこれをしなくちゃいけないよ」と言いながら、それを実行する権限もお金も人も与えなければそれは無理と言うもんです。

同じことが法律レベル、国家レベルでも言えるはずです。
国家といっても天から何かを授かったわけではありません。国民からお金と力をお借りして、国民一人一人ではできないことを実現するのが国家という機関であるわけです。(これは憲法前文第2行に記載してある。)
国民に権利を認めるにはそのリソース(資源)として何かを提供してもらわなくてはならないはずです。

そして一番重要なことですが、
国民はこの憲法を守れと書いてないのです。
一体こんな憲法で国家が成り立つのでしょうか?

第12条に「憲法が保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない。」とはあります。
でもこれは憲法を守れと言うことではありません。
ぞの前にある第11条で「現在と将来の国民に与えられる」と宣言してます。前条に引き続いて第12条の文言そのまま読めば「国民にはあらかじめ基本的な権利が与えられており、それを保持するために努力せよ」と言うことです。
でもそんなことはありえないでしょう。権利ははじめからあるわけではないのです。義務を負うと同時に手にするものであるはずです。

論理的に正しくするなら、第12条は
「憲法が保障する自由及び権利は、国民が憲法を守ることを誓うことにより与えられる。」
と記述するべきでしょう。

自己中心な人間が増えるのも義務を明記してない日本国憲法の現れでしかないのでしょう。

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